【完結】理想の美女7人に愛される生活。ベーシックインカムで儲けた「カセイダード王国」に移住して正解でした。

サアロフィア

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第14章 女神様 ご降臨

085 アリムのテレパシー

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17日目 AM  9:10  朝
《2日に一度の会議: 偶数日の予定、本日は無し。

 一番権利者: 真々美。
  ただし、アリムが意識を取り戻す《20日目予定または今日》までは、お預け状態。》





 スリーカーを習得するための冬香の努力は無駄に終わるかに見えたとき、アリムのテレパシーが聞こえた。

アリム こころの声
『冬香さん、ありがとう。』

冬香
「えっ? アリムのテレパシーなの?」

アリム こころの声
『オルアさん、わたしの右手の手のひらを窓の外の太陽に向けてもらえますか?』

 オルアは目に輝きを取り戻して返事をした。

オルア
「アリム、もちろんよ。」

アリム こころの声
『わたしの左手を、わたしの額に当ててもらえますか?』

オルア
「アリム、これでいい?」

アリム こころの声
『オルアさん、ありがとう。

 真々美さん、ひとくち水を飲ませてくれませんか?』 

真々美
「あ、ああ、もちろんだ。」

 真々美は水をひとくち含んで、口移しでアリムに飲ませた。

アリム こころの声
『真々美さん、ありがとう。
 これで、少しだけ声が出せそうです。

 オルアさん、そのまま、私の両手の位置を固定してくれますか?』

オルア
「ええ、まかせて。」

 スリーカー、絵美、冬香は、その様子を、ただ眺めていた。

アリム
「スリーカー。」

スリーカー
「えっ? わたしのチカラが勝手に注がれている。
 でも、いつものように負担は感じない。」

絵美 こころの声
『アリムさんの性魔力の減少値が少なすぎるわ。』

アリムの性魔力
現在値 79 / 最大値 90

アリム こころの声
『オルアさん、今度は、わたしの左手を、わたしののどに当ててくれますか?
 右手のひらは、そのまま太陽に向けてください。

 真々美さん、お水をもうひとくちお願いします。』

オルア
「アリム、これでいい?」

 オルアは言われた通りにした。

真々美
「アリム、遠慮しないでくれ。」

 真々美は、再び、口移しで、アリムに水を飲ませた。

アリム こころの声
『真々美さん、ありがとう。
 これで、また少しだけ声が出せそうです。

 オルアさん、そのまま、私の両手の位置を固定してくれますか?』

オルア
「ええ、まかせて。」

 スリーカー、絵美、冬香は、その様子を、ただ眺めていた。

アリム
「スリーカー。」

スリーカー
「えっ? また、わたしのチカラが勝手に注がれている。
 でも、いつものように負担は感じない。」

絵美 こころの声
『アリムさんの性魔力の減少値が少なすぎるわ。
 スリーカーの治療は、36ポイント掛かるはずなのに、30%程度の11ポイントしか減っていない。
 こんな裏技があったの?』

アリムの性魔力
現在値 68 / 最大値 90

 アリムは、目を開けた。

アリム
「冬香さん、オルアさん、真々美さん、ありがとう。」

 冬香の目に光が戻った。

冬香
「アリムが目を覚ました。
 良かった。 わたしの半分しかないスリーカーでも無いよりマシだったのね。」

アリム
「冬香さん、そんなことは無いよ。
 冬香さんのスリーカーがなかったら、あと1か月は目が覚めないところでした。
 植物人間状態と判定されて、脳死判定されたかもしれません。」

冬香
「良かった。 本当に良かった。」

 冬香は、嬉し涙を浮かべていた。

スリーカー
「あなたは何なんですか?
 何をしたんですか?

 あなたが目覚めたのは私の力ですが、
 でも私の力とは何か違います。

  こんな感覚は初めてです。」
 
アリム
「わたしは、70%を恒星こうせいの力、つまり、太陽のちからに頼りました。
 自分の魔力を犠牲にした割合は、約30%です。

 もっとも、サークとナームは、100%を恒星こうせいの力で、スリーカーの威力いりょくを発揮できます。
 恒星こうせいの力をスリーカーの治癒力ちゆりょくに活用する手法しゅほうは、サークが傷つくたびに、ナームが自分自身を犠牲にして回復しようとして傷つく姿を見て、悲しみ涙を流した女神さまの慈悲じひにより生み出された手法です。」

スリーカー
「たしかに私の力は、黄花おうか様から教わった知識と、女神様から委託されたものです。」

アリム
「スリーカーさん、わたしからも1つお願いが有ります。」

スリーカー
「なんでしょうか?
 私の質問に答えてもらいましたから、ひとつぐらいなら聞きますよ。」

アリム
「冬香さんが、あなたスリーカーをコールするときは、100%のおちからを貸してあげてください。」

スリーカー
「アリム様も、私が間違っていると、そうおっしゃるのですか?」

アリム
「間違ったというよりは【悪意帰属あくいきぞくバイアス】がかかっているように感じます。
 つまり、第5呪文として、スリーカーをコールするひとはみんな、治療に必要な性魔力を値切ろうとしているという偏見へんけんを、持っておられるように感じます。」

スリーカー
「そうかもしれませんが、それでも私は、一度決めたことを変えたりしません。」

アリム
「冬香さんとの会話を思い出してください。」

 アリムは会話履歴参照権を申請して、スリーカーさんを含むこの場にいる全員に共有した。

☆ 冬香
☆ 「第5呪文として登録した理由は、私が習得できるのは第5呪文までだからです。
☆  レバーラとスリーカーのどちらか1つであれば、治療ができるスリーカーのちからが欲しいと
☆ 切に願っているため、スリーカーを選びました。」
☆ 
☆ スリーカー
☆ 「そうでしたか。
☆  第5呪文の場合 診断に5ポイント 治療に5×5=25ポイントで実行できます。 ☆  第6呪文として覚えるよりも、遥かにお得ですよ。」
☆ 
☆ 冬香
☆ 「おっしゃる通りですね。」   <-- スリーカーさんが気になった台詞
☆ 
☆ 084 17日目 冬香のスリーカーは50%


アリム
「冬香さんは、最初に、こうおっしゃっています。
   「私が習得できるのは第5呪文までだからです。」
と。

 そして、
   「第6呪文として覚えるよりも、遥かにお得ですよ。」
という言葉は、
スリーカーさんの台詞です。

 それに対して、
冬香さんは、否定することは失礼だと考えて、
   「おっしゃる通りですね。」
と肯定されただけです。」

スリーカー
「たしかに、そうとも受け取れますね。」

アリム
「スリーカーさん。

 今回のことは不幸な偶然が重なった事故です。
 誰も悪くありません。

 あなたは初めてのことだから身構えてしまった。
 冬香さんは、あこがれ続けた診断力と治療力を持つ あなたへの憧れから、緊張していた。

 だから発生した行き違いです。

 ですから、どうか、冬香さんがスリーカーをコールするときにも、100%の御力を貸していただけないでしょうか?」

冬香
「アリム。」

スリーカー
「それでも、一度決めたことを変えるわけには行きません。
 来世に期待してください。
 現世は、あきらめてください。」

冬香
「そんな、ゆうずうを利かせてくれないの?」

スリーカー
「【融通ゆうずうかない小娘こむすめ】と呼ばれる女神さまに仕える私が、融通を利かすわけないでしょう。」

 スリーカーさんは、背中を向けて立っているだけだ。

アリム こころの声
『スリーカーさんは、
  「帰る」
と言っていない。

 そして、帰ろうとしない様子からも、もう一押しなんだろうけれど、どう言えば、気持ちを変えてくれるのかなあ?』

???
「ねえ、アリム、すこしわってくれる?」



 ???って、誰かなあ?
 謎の声では無い様だし。


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