上 下
53 / 209
第9章 海賊のふりをした敵からの襲撃

051 9日目 襲撃1回目のあとで

しおりを挟む
 真々美、冬香、オルア、シュウピンさん、メラニィさんは、明日に備えて、それぞれの部屋にもどろうとしていた。



 9日目 PM 23:00
《2日に一度の会議: なし、
 第1回襲撃があった日: 当日》

 冬香は、居室に戻った。
 アリムさんといた部屋からは、明かりがもれていた。

冬香
「アリムさんは、まだ起きているみたいね。」

 ドアを開ける冬香。
 ガチャと音がした。

 ドタドタドタと足音が鳴った。

アリム
「冬香さん、おかえりなさい。」

アリムさんが抱きついてきた。

冬香
「ただいま、アリムさん。」

アリム
「無事でよかった。
 怪我はない?」

冬香
「大丈夫よ。
 ただ、汗をかいているから、抱きつかない方がいいわよ。」

アリム
「冬香さんの香り。
 本物だあ。
 夢じゃないんだね。
 本当に良かった。」

冬香
「心配させたわね。
 大丈夫だから。」

アリム
「本当に良かった。
 それで、あの・・・」

冬香
「なあに?
 言ってみて?」

アリム
「真々美さんとオルアさんも、無事ですか?」

冬香
「ええ、大丈夫よ。
 怪我もしていないわ。」

アリム
「良かった。

 あの、冬香さん。

 今日は冬香さんの日なのに、こんなことを言う私を、ゆるしてください。」

冬香
「どうしたの?
 あらたまって。」

アリム
「真々美さんとオルアさんの無事な姿を見ることはできませんか?」

冬香
「無事って、言ったじゃない。
 どうしても、自分の目で確かめたいのかな?」

アリム
「ごめんなさい。
 でも、海賊が来たというから心配なのです。」

冬香
「仕方ないわね。

 真々美、オルア、入ってきてくれる?」

 ガチャとドアが開いて、真々美が入ってきた。

 アリムさんは、冬香にしたように駆け寄ってきて、真々美に抱きついた。

アリム
「真々美さん、おかえりなさい。」

真々美
「ああ、ただいま。」

アリム
「怪我はないんだよね。」

真々美
「ああ、大丈夫だ。」

 抱きしめてくるアリムさんの頭をなでながら、真々美は言った。

真々美
「オルアも来ているぞ。」

 抱きしめてくるアリムさんを優しく押し戻して、オルアの方を向かせた。

オルア
「アリムさん、ただいま。」

アリム
「オルアさん、会いたかった。
 怪我はないんだね。」

オルア
「ええ、大丈夫よ。
 言わなかったかな?
 わたしは、かなり強いんだよ。」

アリム
「オルアさん、良かった、良かった。
 無事で本当に良かった。
 オルアさーん。」

 アリムさんはオルアを強く抱きしめながら、涙を流し続けていた。
 鼻汁が出ていないことが奇跡だった。

オルア
「アリムさん、心配してくれてありがとう。」

冬香
「妬《や》けるわね。」

真々美
「本当にな。」

 アリムさんは5分くらい泣き続けた。

オルア
「アリムさん、落ち着いた?」

アリム
「うん、ありがとう。

 大泣きして、みっともないところを見せちゃったね。」

オルア
「そんなことないわ。

 わたしへの深い愛を感じられて、うれしいわ。

 ただ、その・・・」

アリム
「どうしたの?」

オルア
「今日は、冬香の日だから、わたしたちは、そろそろ帰るね。」

アリム
「うん、オルアさん、真々美さん、来てくれてありがとう。」

冬香
「アリムさん、そろそろ良いかしら。」

冬香 こころの声
『わたしのことだけでなく真々美とオルアのことも心配してくれることは素直に嬉しいけれど、わたしはアリムさんの一番じゃないって所に言い表しようがない不快感を感じるわ。』

真々美
「またな。 アリムさん。」

オルア
「またね。 アリムさん。」

 ふたりは冬香に見送られて、それぞれの居室に帰って行った。

冬香
「さあ、アリムさん、続きをしましょうか?
 と言いたいところだけれど、もう眠りましょうか?

 途中で寝たくなるかもしれないけれどね。」

アリム
「うん、冬香さん。
 御手てをつなぎながら、向かい合って眠りたいです。」

冬香
「ふむ、それも良さそうね。」

 ふたりは眠りについた。

 冬香は、
  「大きな女性?との戦闘」

  「子宮と卵巣の形成&腹部損傷回復の手術」

疲れが出ていた。

 アリムさんは、正性知識 2000 を読み進めようとして、脳が限界に来るくらい頭が痛くなっていた。

 だから、ふたりともすぐに深い眠りについた。



 物語内の日付が変わるので、ここで区切ります。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ゲーム序盤で死ぬモブ炎使いに転生したので、主人公に先回りしてイベントをクリアしたらヒロインが俺について来た

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで日間・週間・月間総合1位獲得!ありがとうございます。 社畜として働き、いつものように寝て起きると、俺はゲーム『ブレイブクエストファンタジー』とよく似た世界のモブ『ゲット』に転生していた。俺は物語序盤で盗賊に襲われて死ぬ運命だ。しかも主人公のダストは俺を手下のようにこき使う。 「主人公にこき使われるのはもうごめんだ!死ぬのもごめんだ!俺がゲームのストーリーを覆してやる!」 幼いころから努力を続けていると、ゲームヒロインが俺に好意を寄せている? いや、気のせいだ。俺はしょせんモブ! 今は死亡フラグを解決する!そして次のステップに進む! 一方、同じく転生したダストは主人公キャラを利用して成り上がろうとするが、ダンジョンのお宝はすでに無く、仲間にするはずの美人キャラには見限られ、努力を嫌ったことでどんどん衰退していく。

異世界で勇者をやって帰ってきましたが、隣の四姉妹の様子がおかしいんですけど?

レオナール D
ファンタジー
異世界に召喚されて魔王を倒す……そんなありふれた冒険を終えた主人公・八雲勇治は日本へと帰還した。 異世界に残って英雄として暮らし、お姫様と結婚したり、ハーレムを築くことだってできたというのに、あえて日本に帰ることを選択した。その理由は家族同然に付き合っている隣の四姉妹と再会するためである。 隣に住んでいる日下部家の四姉妹には子供の頃から世話になっており、恩返しがしたい、これからも見守ってあげたいと思っていたのだ。 だが……帰還した勇治に次々と襲いかかってくるのは四姉妹のハニートラップ? 奇跡としか思えないようなラッキースケベの連続だった。 おまけに、四姉妹は勇治と同じようにおかしな事情を抱えているようで……? はたして、勇治と四姉妹はこれからも平穏な日常を送ることができるのだろうか!? 

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

エロゲーの悪役に転生した俺、なぜか正ヒロインに溺愛されてしまった件。そのヒロインがヤンデレストーカー化したんだが⁉

菊池 快晴
ファンタジー
入学式当日、学園の表札を見た瞬間、前世の記憶を取り戻した藤堂充《とうどうみつる》。 自分が好きだったゲームの中に転生していたことに気づくが、それも自身は超がつくほどの悪役だった。 さらに主人公とヒロインが初めて出会うイベントも無自覚に壊してしまう。 その後、破滅を回避しようと奮闘するが、その結果、ヒロインから溺愛されてしまうことに。 更にはモブ、先生、妹、校長先生!? ヤンデレ正ヒロインストーカー、不良ヤンキーギャル、限界女子オタク、個性あるキャラクターが登場。 これは悪役としてゲーム世界に転生した俺が、前世の知識と経験を生かして破滅の運命を回避し、幸せな青春を送る為に奮闘する物語である。

大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について

ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに…… しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。 NTRは始まりでしか、なかったのだ……

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...