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第1章 ボクの新しい名前
006 研修2日目 不合格者の声、朝食、個別面接
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アリム:
「オルアさんと一緒なら頑張れそう。」
オルア:
「自分の分の家事は自分でしてくださいね。
わたしも自分の分は自分でします。
料理は、どちらが作るにしても2人分作りましょう。
お互いが好きな食事を紹介できますから。」
アリム:
「水回りは文句が出ないように別々にしますか?」
オルア:
「お互いの部屋に交互に泊まることで好みを確かめ合いましょう。」
◇
司会は、面接の手配をしていた。
42名の一次合格者を出したということは、差し引き157名の不合格者も出したということだ。
その者たちが、eks というSNSに悪評を書き込んでいる。
その悪評と応募者の情報をリンクされたものを確認していた。
司会:
「まあ、予想通りか。」
はっきり言って、司会というよりは総司令というか総責任者のような業務をしている。
容姿が売りの若い女性を演じた方が、相手を油断させやすいから司会として、応募者たちの前に出ている。
ちやほやしてきた連中の本性、利益をもたらさない相手や格下の相手に対する本音を知って、うんざりしている。
司会:
「二の句が継げない。
あきれてものが言えないとは正にこの状況を言うのだろうな。」
eks というSNSへの書き込みについて身元特定するためには、匿名性が有り、法的な手続きを済ませて、3ヵ月以上の日数が掛かる。
そう思い込んでいる連中が多いようだ。
カセイダード王国の技術力をもってすれば、簡単に確認できる。
ただ、できることを公表していないだけだ。
つまり、すべてバレている。
医師:
「逆バリアフリーに気付いたひとは、アリムさんだけでしたね。」
司会:
「ほかにも気付いたものがいたはずだが、声をあげなかったようだな。」
医師:
「そうでしょうか? なにか根拠でも?」
司会:
「この束にある応募者は、色覚に対する配慮が無かったと文句を書き込んでいる。
そして、もう1つの束にある応募者は、聴覚情報処理を苦手とするものの書き込みだ。
さらに、この束が、一気にこれだけの量を覚えられるか、ふざけんな!という書き込みだ。」
医師:
「おやまあ、アリムさんのあとで、『わたしもそう思います。』と言えば良かったのに。」
司会:
「自分の弱みや欠点を知られたくなかったのだろうな。 気位を捨てるべきだったな。」
医師:
「面接をアリムさんを含む43名に行うのですか?」
司会:
「アリムさんを除く42名に行う。
アリムさんはオルアが最も厳しい面接をするから不要だ。」
医師:
「24時間一緒という観察下に置かれるから、ボロが出るでしょうね。」
司会:
「オルアの参照パラメータはクラスターの見本のようなものだからな。
でも、昨日の会話を聞く限り、合格しているな。
わざと怒らせて、おちょくって、人柄を試したようだ。」
医師:
「アリムさんを気に入ったかもしれませんね。」
司会:
「目に涙を浮かべて反応を見ていたからな。
他人のこころに寄り添えるかどうかまで、調べたかったようだ。」
医師:
「そして、現時点で、合格している。」
司会:
「仲良く朝食を食べていたから、そうだろうな。」
司会と医師:
「はあー、うらやましい。」
◇
オルア:
「朝食は、パン派ですか? ごはん派ですか?」
アリム:
「ごはん派です。」
オルア:
「では、ごはんを食べに行きましょう。」
ふたりが着いた食堂は、バイキング形式だった。
アリム:
「すべての料理が小さい皿に分けてあるから、良いですね。」
オルア:
「そうですか? 皿洗いが大変そうですが。」
アリム:
「それでも、食べ物をぐちゃぐちゃにされるよりはマシです。
一番わかりやすいのが小さいケーキですが、トングではさんで取るときに周囲のケーキの形が崩されて、誰も食べなくなってしまいます。
他のメニューでも、大きなお皿の中がかき回されて、不味そうに見えて残ります。」
オルア:
「経営者視点ですか?」
アリム:
「いいえ、わたしは多分、飢えて死ぬ気がしているので、食べ物で遊ぶ人が大嫌いです。」
オルア:
「たとえば?」
アリム:
「いろいろなドリンクを混ぜて、不味い味にして、飲めなくなって捨てるとか。
一度に多くの食べ物を取って、食べられずに残すとか。
払うお金は同じだから、なにも問題ないとか。
そういう考えが嫌いです。」
オルア:
「みんなが、あなたのように考えるなら、良い世界になりますね。
でも、これからは食べることを心配しなくてよいのでは?」
アリム:
「明日の保証なんて無いです。
食べることが出来るときに食べないと不安です。
それでも、必要以上に食べて太ることも間違っています。」
オルア:
「わたしに気を許してくれていることは嬉しく思います。
でも、他の人に言うと正義感ぶって、嫌な奴となるかもしれません。
こころの中を見せるひとは十分に選んでくださいね。」
アリム:
「そうですね。」
席についてからは、
「これ美味しいね。」
とか感想を言いあった。
お互いの顔を見ながら色々な料理を楽しんだ。
オルア:
「ふたりで食べるといつもより美味しく感じるね。」
アリム:
「うん。」
『久しぶりに笑顔になれた気がする。』
と幸せを感じた。
ふたりなら幸せ
そんな歌が有りましたね。
◇
一次試験合格者42名の部屋を訪問して、個別に面接が実施された。
面接を実施したものは、司会でも医師でもない、応募者にとって初めて会う2人組の美しい女性だった。
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「オルアさんと一緒なら頑張れそう。」
オルア:
「自分の分の家事は自分でしてくださいね。
わたしも自分の分は自分でします。
料理は、どちらが作るにしても2人分作りましょう。
お互いが好きな食事を紹介できますから。」
アリム:
「水回りは文句が出ないように別々にしますか?」
オルア:
「お互いの部屋に交互に泊まることで好みを確かめ合いましょう。」
◇
司会は、面接の手配をしていた。
42名の一次合格者を出したということは、差し引き157名の不合格者も出したということだ。
その者たちが、eks というSNSに悪評を書き込んでいる。
その悪評と応募者の情報をリンクされたものを確認していた。
司会:
「まあ、予想通りか。」
はっきり言って、司会というよりは総司令というか総責任者のような業務をしている。
容姿が売りの若い女性を演じた方が、相手を油断させやすいから司会として、応募者たちの前に出ている。
ちやほやしてきた連中の本性、利益をもたらさない相手や格下の相手に対する本音を知って、うんざりしている。
司会:
「二の句が継げない。
あきれてものが言えないとは正にこの状況を言うのだろうな。」
eks というSNSへの書き込みについて身元特定するためには、匿名性が有り、法的な手続きを済ませて、3ヵ月以上の日数が掛かる。
そう思い込んでいる連中が多いようだ。
カセイダード王国の技術力をもってすれば、簡単に確認できる。
ただ、できることを公表していないだけだ。
つまり、すべてバレている。
医師:
「逆バリアフリーに気付いたひとは、アリムさんだけでしたね。」
司会:
「ほかにも気付いたものがいたはずだが、声をあげなかったようだな。」
医師:
「そうでしょうか? なにか根拠でも?」
司会:
「この束にある応募者は、色覚に対する配慮が無かったと文句を書き込んでいる。
そして、もう1つの束にある応募者は、聴覚情報処理を苦手とするものの書き込みだ。
さらに、この束が、一気にこれだけの量を覚えられるか、ふざけんな!という書き込みだ。」
医師:
「おやまあ、アリムさんのあとで、『わたしもそう思います。』と言えば良かったのに。」
司会:
「自分の弱みや欠点を知られたくなかったのだろうな。 気位を捨てるべきだったな。」
医師:
「面接をアリムさんを含む43名に行うのですか?」
司会:
「アリムさんを除く42名に行う。
アリムさんはオルアが最も厳しい面接をするから不要だ。」
医師:
「24時間一緒という観察下に置かれるから、ボロが出るでしょうね。」
司会:
「オルアの参照パラメータはクラスターの見本のようなものだからな。
でも、昨日の会話を聞く限り、合格しているな。
わざと怒らせて、おちょくって、人柄を試したようだ。」
医師:
「アリムさんを気に入ったかもしれませんね。」
司会:
「目に涙を浮かべて反応を見ていたからな。
他人のこころに寄り添えるかどうかまで、調べたかったようだ。」
医師:
「そして、現時点で、合格している。」
司会:
「仲良く朝食を食べていたから、そうだろうな。」
司会と医師:
「はあー、うらやましい。」
◇
オルア:
「朝食は、パン派ですか? ごはん派ですか?」
アリム:
「ごはん派です。」
オルア:
「では、ごはんを食べに行きましょう。」
ふたりが着いた食堂は、バイキング形式だった。
アリム:
「すべての料理が小さい皿に分けてあるから、良いですね。」
オルア:
「そうですか? 皿洗いが大変そうですが。」
アリム:
「それでも、食べ物をぐちゃぐちゃにされるよりはマシです。
一番わかりやすいのが小さいケーキですが、トングではさんで取るときに周囲のケーキの形が崩されて、誰も食べなくなってしまいます。
他のメニューでも、大きなお皿の中がかき回されて、不味そうに見えて残ります。」
オルア:
「経営者視点ですか?」
アリム:
「いいえ、わたしは多分、飢えて死ぬ気がしているので、食べ物で遊ぶ人が大嫌いです。」
オルア:
「たとえば?」
アリム:
「いろいろなドリンクを混ぜて、不味い味にして、飲めなくなって捨てるとか。
一度に多くの食べ物を取って、食べられずに残すとか。
払うお金は同じだから、なにも問題ないとか。
そういう考えが嫌いです。」
オルア:
「みんなが、あなたのように考えるなら、良い世界になりますね。
でも、これからは食べることを心配しなくてよいのでは?」
アリム:
「明日の保証なんて無いです。
食べることが出来るときに食べないと不安です。
それでも、必要以上に食べて太ることも間違っています。」
オルア:
「わたしに気を許してくれていることは嬉しく思います。
でも、他の人に言うと正義感ぶって、嫌な奴となるかもしれません。
こころの中を見せるひとは十分に選んでくださいね。」
アリム:
「そうですね。」
席についてからは、
「これ美味しいね。」
とか感想を言いあった。
お互いの顔を見ながら色々な料理を楽しんだ。
オルア:
「ふたりで食べるといつもより美味しく感じるね。」
アリム:
「うん。」
『久しぶりに笑顔になれた気がする。』
と幸せを感じた。
ふたりなら幸せ
そんな歌が有りましたね。
◇
一次試験合格者42名の部屋を訪問して、個別に面接が実施された。
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