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一章
21、初めての【5】
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驚いたなんてもんやない。
あんなにも脅えとったのに、絲さんは俺に好きにしていいと申し出てきた。
何が彼女の心を動かしたのか、俺には分からへん。
彼女の細い胴にまわした俺の手に、絲さんがそっと手を添える。
けど、その指は震えとった。
「優しくする。傷つけたりせぇへんから」
「……はい」
膝頭に手を置いて、再び足を開かせる。膝から腿へ、そして腿の内側へと手を滑らせていく。
俺は雲に触れたことはないが。雲を連想させるくらい、ほわほわとした触り心地やった。
もちろん、雨雲やない。れんげ草や白詰草が咲き誇る野原の上に浮かんでいる、春の雲だ。
「絲さんは柔らかいな」
返事はない。
「こんなにも細いのに。どこもかしこも真珠麿みたいや」
鏡に映る絲さんは、頬を染めて下を向いている。
だが、すぐに顔を上げた。
俺の指が、彼女の秘された部分を左右に広げたからだろう。
うつむけば、触れられているのがじかに目に入る。顔を上げれば、鏡にそれが映る。
そして瞼を閉じれば、俺に「目を開けろ」と命じられる。
絲さんは困ったように眉を下げて、俺の腕にしがみついた。
まぁ、その腕の先にある手が、あんたの大事な部分を弄っているわけやけど。
俺の指が、絲さんの花芯をそっと撫でる。すぐに絲さんの体が跳ねた。
「初めてやな」
「は……はい」
触れるか触れないかの優しさで触れ続けていると、微かに水音がしはじめた。
俺の指も濡れ、そのせいで撫で方が滑らかになる。
「ふ……っ、あぁ……ぁ」
絲さんの息遣いが短く、粗くなる。胸の尖りが硬くなり、白い肌がしだいに桃色に染まっていく。
この甘い香りは絲さんのもんやろか。
床の間の牡丹とは、また違う匂いだ。
「見てみ。絲さん。とても綺麗や」
鏡を見るように促すと、絲さんは素直に顔を上げた。
上気した頬、うっとりとした眼差し。なのに眉根を寄せた表情は、この上もなく官能的だ。
清らかなお嬢さんである絲さんから、こんな表情を引き出したのが自分だと思うと、ぞくぞくする。
たっぷりと指を濡らして、ひと際強く快楽を感じる部分に指を這わせた。
それだけで、絲さんは悲鳴を上げた。
「や……っ、ああっ! あ、ああっ」
背中をのけぞらせ、絲さんは俺の腕の中で簡単に達した。
喘ぐ声は止まらず、しかもそれが耳の近くで聞こえるもんやから。
いっそこのまま犯してしまいたい衝動に駆られる。
組員の中には、処女は面倒だから嫌だとか、慣れた女がええとか下世話なことを話す奴もおるが。
そういう基準で女を選ぶ感覚が、俺には分からへん。
惚れた女だけを抱きたいなどと言ったら、きっと「組長は青い」と嗤われるんやろな。
そういう話が心底苦手で、一人きりで森で過ごすことが多いんだが。
多分、絲さんが相手なら何時間でも……下手をすれば一日中でも抱いていられる気がする。
白い肌にうっすらと汗を滲ませて、絲さんは肩を上下させている。
俺は彼女にくちづけながら、再び指先で秘所に触れた。
「ん、んん……ぅ」
いったばかりの体は敏感で、絲さんは俺の腕の中で身悶えた。喘ぎ声は全部、俺の口の中へと消えていく。
悪いな。俺はしつこいんだ。
ずっと待ち続けた許嫁が、自分から俺の元へとやってきたんやからな。
あんなにも脅えとったのに、絲さんは俺に好きにしていいと申し出てきた。
何が彼女の心を動かしたのか、俺には分からへん。
彼女の細い胴にまわした俺の手に、絲さんがそっと手を添える。
けど、その指は震えとった。
「優しくする。傷つけたりせぇへんから」
「……はい」
膝頭に手を置いて、再び足を開かせる。膝から腿へ、そして腿の内側へと手を滑らせていく。
俺は雲に触れたことはないが。雲を連想させるくらい、ほわほわとした触り心地やった。
もちろん、雨雲やない。れんげ草や白詰草が咲き誇る野原の上に浮かんでいる、春の雲だ。
「絲さんは柔らかいな」
返事はない。
「こんなにも細いのに。どこもかしこも真珠麿みたいや」
鏡に映る絲さんは、頬を染めて下を向いている。
だが、すぐに顔を上げた。
俺の指が、彼女の秘された部分を左右に広げたからだろう。
うつむけば、触れられているのがじかに目に入る。顔を上げれば、鏡にそれが映る。
そして瞼を閉じれば、俺に「目を開けろ」と命じられる。
絲さんは困ったように眉を下げて、俺の腕にしがみついた。
まぁ、その腕の先にある手が、あんたの大事な部分を弄っているわけやけど。
俺の指が、絲さんの花芯をそっと撫でる。すぐに絲さんの体が跳ねた。
「初めてやな」
「は……はい」
触れるか触れないかの優しさで触れ続けていると、微かに水音がしはじめた。
俺の指も濡れ、そのせいで撫で方が滑らかになる。
「ふ……っ、あぁ……ぁ」
絲さんの息遣いが短く、粗くなる。胸の尖りが硬くなり、白い肌がしだいに桃色に染まっていく。
この甘い香りは絲さんのもんやろか。
床の間の牡丹とは、また違う匂いだ。
「見てみ。絲さん。とても綺麗や」
鏡を見るように促すと、絲さんは素直に顔を上げた。
上気した頬、うっとりとした眼差し。なのに眉根を寄せた表情は、この上もなく官能的だ。
清らかなお嬢さんである絲さんから、こんな表情を引き出したのが自分だと思うと、ぞくぞくする。
たっぷりと指を濡らして、ひと際強く快楽を感じる部分に指を這わせた。
それだけで、絲さんは悲鳴を上げた。
「や……っ、ああっ! あ、ああっ」
背中をのけぞらせ、絲さんは俺の腕の中で簡単に達した。
喘ぐ声は止まらず、しかもそれが耳の近くで聞こえるもんやから。
いっそこのまま犯してしまいたい衝動に駆られる。
組員の中には、処女は面倒だから嫌だとか、慣れた女がええとか下世話なことを話す奴もおるが。
そういう基準で女を選ぶ感覚が、俺には分からへん。
惚れた女だけを抱きたいなどと言ったら、きっと「組長は青い」と嗤われるんやろな。
そういう話が心底苦手で、一人きりで森で過ごすことが多いんだが。
多分、絲さんが相手なら何時間でも……下手をすれば一日中でも抱いていられる気がする。
白い肌にうっすらと汗を滲ませて、絲さんは肩を上下させている。
俺は彼女にくちづけながら、再び指先で秘所に触れた。
「ん、んん……ぅ」
いったばかりの体は敏感で、絲さんは俺の腕の中で身悶えた。喘ぎ声は全部、俺の口の中へと消えていく。
悪いな。俺はしつこいんだ。
ずっと待ち続けた許嫁が、自分から俺の元へとやってきたんやからな。
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