たっくんとゆうちゃん

kromin

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番外編 組織の皆の様々な日常

ゆうちゃんとプリクラを撮った日

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眷属との戦いに追われながらも、仕事や副業で充実した生活を送っていたある日の夜。


「あー、無限ループする駅の怪異に閉じ込められた時は焦ったけど最後は無事脱出できてよかったね」
「一緒に巻き込まれたと思ってた、あのおじさんが怪異の本体だったとはね。まあ面倒だったけど僕とたっくん二人でどうにか除霊出来てよかったね」

「うん、俺達もう最強だよね!あ、プリクラだ」

見るとすっかり日も落ちた商店街の少し寂れたゲーセンの入り口近くに、やや旧型のプリクラの筐体があった。

「俺さ、お察しだろうけどこの仕事するまでド貧乏だったから、プリクラ撮った事無いんだよね。まあ今はスマホ支給されてるから、いくらでも自撮りできるしいいけどさ」
「そっか、貧乏だとそうなっちゃうよね。たっくんゲーセンでも遊べなかっただろうし可哀想だね。じゃあ、僕も必要無いから撮った事ないし、二人で初プリクラ撮らない?」
「あー、いいね。でも俺達未成年だけど夜のゲーセン入って大丈夫かな」
「まあ入口すぐの所だし、まだ深夜って程じゃないし大丈夫じゃない?じゃ、お金は割り勘で早速撮ろうよ」


そうしてゆうちゃんと半額ずつ小銭を筐体に投入し、画面の指示に従って写真を撮影した。

「…あれ、これって」

すると撮影した画像を加工する画面で、俺とゆうちゃんの間や背後に寂しそうな少女や男性の顔が数名写り込んでいた。

「…これ、幽霊だよね。でも雰囲気的に悪い霊って感じではないけど」
「そうだね。…声は聞こえないけど、たぶんプリクラ撮る相手がいなくて寂しいまま死んじゃった人達の霊じゃないかな。僕等と一緒に写りたかったんじゃない?」
「…あー、そんな感じするね。…じゃ、折角だし皆楽しんでもらいたいし、もっかい笑顔で撮り直ししよっか」
「うん、そうだね!じゃーほら皆、そんな顔してないで笑って笑って!」

そうして撮り直し機能を使いもう一度撮影すると、撮影画像には少し戸惑いながらも笑顔の霊たちが写っていた。

「うんうん、絶対こっちの方が良いよ!じゃ、時間一杯までデコろうか」
「うん、そうしよ!」


そしてフレームや様々なエフェクト、落書き機能を使い思いっきりデコって印刷した。

「あー、初めて撮ったけどプリ楽しいね!」
「うん、スマホでも似たような事出来るけど、また違った面白さがあるねー」

そうして印刷が終わり出て来たシールには、やはり少しぎこちないが嬉しそうな霊たちが写っていたが、しばらく眺めていたら霊はすべて消えて行った。

「あ、消えた。成仏できたのかな」
「うん、何となくだけどありがとうって聞こえた気がしたし、きっともう大丈夫だと思う」

「そっか、良かった。…あのさ。俺プリクラは初めてだったけど、こういう霊感体質だから昔から写真とか撮ると心霊写真になったり、さっきみたいに色々写り込んじゃったりして、昔は怖いしひたすら鬱陶しくて嫌だったんだけどさ」
「うん、そう思っちゃうよね」

「でもこの仕事始めていろんな霊や人と関わってたら、そういう写り込んだ霊も寂しかったり、何か言いたい事あったのかな、って思えるようになったんだ」
「うん、良い事だと思うよ」

「たぶん、仕事して視野が広がったり、心に余裕が出来たのかもね」
「きっとそうだよ。たっくん大人ですごく優しいもん!」

「へへー、ありがと。…で、俺は別にこのままでいいけど折角だしプリクラ、もっかい撮り直す?」
「いや、霊の人達消えたし僕もたっくんも良い笑顔してるし、このままで良いよ!半分こして記念にとっとこ」
「うん、そうだね!」

そうして生まれて初めて撮ったプリクラは、定期入れや日記、スマホの裏などに貼っている。
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