たっくんとゆうちゃん

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第二章

たっくんの経済事情について

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仇討ちと戦ったちょっとだけ後。

「あー、たっくんとゆうちゃん。今日の任務なんやけどね」
「あ、はい。御堂さん」

御堂さんは俺達の上司の青年だ。
管理職なので基本戦わず事務所で待機しているが、相当な実力者と聞いた。
確かに相当に強い霊力を感じる。
ただ、俺達みたいな境遇の者にとても優しく、常日頃可愛がられている。

「で、今回はあるお屋敷の悪霊さんなんやけど。まあそいつ相当な守銭奴で、儲けるためなら何でもえげつない事やったんよ」
「あー、なるほど」
「最悪ですねー」

「そんな訳でその内天罰下って死んだんやけど、死んだ後も地縛霊として残って暴れてるんよ」

「わかりました。早速行って来ます」

「まあ、今回はそんなに強くないと思うんで、気軽に行って来てな」


そうして、俺達は少し距離のある趣味の悪い屋敷にやって来た。

今は無人になったその屋敷を管理している人に案内してもらい。俺達はそいつの部屋に入った。


「何や貴様ら。ワシの屋敷に入るんやない」
「この屋敷も、財産も、ワシのもんや。指一本でも触れる奴は地獄に落としたる」

「あーはいはい、地獄に落ちるのはお前だっての」
「うん、本当に大した事なさそうだから、さっさと片づけちゃおう」

そうして、黒ずんだ硬貨をばら撒き攻撃してくるでっぷり太った醜悪な男に、俺達は攻撃を叩き込む。

「い、いややあああ。死にとうないいいい」
「いやもうとっくに死んでるっての」
「あの世でひどい目に遭わせた人達にたっぷり謝るんだね」

そうして俺達は、管理人さんに無事終わったことを告げ、屋敷を後にした。

「やー、ほんと楽勝だったね」
「うん。完全無傷だったもんね」

「あーあのさ、たっくん」
「ん、何?」
「ほら、ちょっと悪い事聞いちゃうんだけど、たっくん仕事するまではあんまり良い義肢貰えてなかったって言ったじゃん。保険とか下りるだろうし、その世間からの支援とかあったと思うけど、それでも駄目だったの?」

「あー、うん。うちの親さ、決して毒って訳じゃ無いんだけど相当残念な人でさ。しょっちゅう失業したり、借金こさえたりしててさ。何度か生保受けた事もあるし、良く電気とか止められてたの」
「あー、なるほどね」
「うんだから、本当フックとか棒レベルの物しか貰えなくて、しんどいからすぐ外してたの」
「そういう事ね。しんどい事聞いちゃってごめんね」
「ううん、良いよ。今はこの義肢最高だし、仕事初めてからはかなり生活安定したし、もう最高でさ」
「そっか、良かった」

「うん。だから俺、本当にゆうちゃんや職場の人達には感謝してるんだ。もう何があっても絶対仕事辞めないよ」
「うん、そう言ってくれると、本当に嬉しい!」

「じゃーさ、最近安定してるついでに、帰りにちょっと良いもの食べに行こうよ!」
「うん、良いね!焼肉行こうか!」
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