たっくんとゆうちゃん

kromin

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第一章

ライバル登場

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俺がすっかり仕事に馴染み、毎日楽しく任務していた頃。



「よーっし、今日もお仕事完了!」
「たっくん今日は全然怪我してないね、良かった!」

「うん、俺かなり慣れたし最近さらに霊力上がった気がするし、もう余裕!」
「じゃ、さっさと帰ってお給料もらお!」

そう、うきうきと現場の廃神社を後にしようとした、その時。

「…本組み、やっと見つけた」
「…あ、お前、仇討ち」
「ん、知り合い?」

「うん。こいつ僕と同時期に造られて、まあ僕とほぼ同じくらいの力持ってるんだけど、何かにつけて僕の事目の敵にしてくるの」
「ふーん、面倒だね」

「お前のような軽佻浮薄な者が世から認められるのは、実に腹立たしい」
「えー、別にゆうちゃん明るいからいいじゃん」

「貴様も肩入れするなら同じだ。今日という今日は決着を付ける」

「この、《御礼参り》の錆にしてくれる」

そう言って細剣を抜く、黒髪の美少年。

「往くぞ、本組み」
「もー、だから僕最近その名前あんまり好きじゃないのに。たっくんこいつ強いから気を付けてね」
「う、うん」

すぐに抜刀し、お札などを構える俺達。

「二人とも、死ね」


本当にそいつは強かった。間違いなく今までの相手で一番強かった。

目にも止まらない速さで細剣を突き出し、俺は何度か突き刺された。

「い、いてててて」

「…もう、たっくんいじめないで。ぶっ殺すよ」
「望むところだ。やってみろ」
「ってか、同士討ちすんなっての」
「ほんとだよね。バレたら処刑ものだよ」

「隠蔽工作は得意だ。どうとでもなる」

「もー、本当お前顔は良い癖に性格終わってるよなー」

そう、一際強烈な斬撃を叩き込むゆうちゃん。

「…ちっ」

「よし、怯んだ。今だよたっくん」
「うん、任せて」

呪符よりこちらの方が効くだろう、と判断し仇討ちの顔面に強烈な拳を叩き込んだ。

「…この」

口から一筋の血を吐き、よろめきそいつは御礼参りを取り落とした。

「もー。今回は僕達の勝ちだね。ってか互角なんだから二対一じゃ勝てるわけないじゃんばーか」
「うん、俺もゆうちゃんも最強だし」

「…貴様達、この借りは必ず返す」

そう言い捨て、身を翻しふっとそいつは消えて行った。

「…わ、消えちゃった」
「うん。僕たっくんと一緒にいたいからしないけど、僕達そういう事も出来るから」
「へー、そうなんだ」

「…ごめんね。あいつ強いから、結構怪我させちゃって。本当に、これからしんどかったら辞めてもいいんだからね」

「…ううん。大した事無いし、ゆうちゃんと仕事して怪我するのなんか嬉しいし、絶対辞めたりしないよ」

「…うん、ありがとね。とりあえず、霊力で応急処置するから傷見せて」
「へー、ゆうちゃんそういう事も出来るんだ」
「うん、僕達全体的に色々出来るから」

「…よし、大体塞いだ。帰ろっか!」
「うん!あー、お腹空いてきたから、何か食べてかない?」
「いいね。僕、スパゲティが食べたい!」
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