47 / 111
白銀ハルと鋼の蝗虫
5-5 害虫駆除
しおりを挟む
「流石に丸腰じゃあねえかぁ!! なあ!! バレットウィッチ"octo"さんよぉ!!」
着地した男はハルに向き直って構える。
「今は情報屋octoよ」
ズガァン
言いながらまたハルは銃を撃つ。その弾道は正確に男の眉間へと向かう。
「ハッハァ!!」
それと同時に男は異形の足で上空へ飛んだ。
「んなオモチャ! 当たらなきゃなんの意味もないんだよ!!」
高くまで張り巡らされた鉄骨に男は着地してそこからまた一瞬で跳躍する。高速でそれを繰り返し、その姿を目で追うのは困難な速度だった。
ハルの上からガギンガギンと男が跳ねる音が鳴り続ける。
「そうね、当てりゃいいのよ」
ズガァン ズガァン
ハルは2発、鉄のジャングルジムへ発泡する。
「当たるかよ! そんなもん!」
しっかりと男の脚をつくタイミングで放たれた弾丸は一瞬でその場から跳躍で移動した男にかわされ、鉄骨に当たってガギィンと音を立てた。
「当たるわよ、外さない」
「ヘヘッ あと2発だな? リロードしようとしたらお前の最後だぜぇ? 一瞬の隙も見逃さねえ!」
そして男が一度鉄骨に止まりまた跳躍しようとしたその一瞬。
ガギッ ガギッ
男の足から不快なノイズと衝撃。
鋼鉄の足の関節、その隙間に銃弾が挟まり可動が阻まれ軋んで動かなくなっていた。
「なん・・・だぁ?」
唐突に訪れた脚の不具合に男は対応出来ず、勢いのままバランスを崩して地面まで落ちていく。
「ガアああああああ!」
ドォンと響く衝撃音。
「"リコシェクリティカル"、跳弾を経由して狙った所へ確実にヒットさせる私の18番よ」
指でクルクルと銃を回転させながらハルは落ちた蝗虫に近づく。
「ま、威力は跳弾した分落ちちゃうけどね、こうやって弱い所狙えば十分よ」
バシッ
回転を掌で止めて銃口を男にむける。
「それとリロード? 笑わせないで、始めからする気なんてないから 貴方を殺すのに6発でも贅沢だわ」
「この・・このクソアマがぁ!」
男は痛みに堪えて立ち上がる。落下の衝撃で関節の弾丸は外れている。
「ふふふ、あと1発にしておきましょうか」
「死ねオラァ!」
冷静さを失った男はハルに真っ直ぐ飛びかかる。
そしてハルもまた男の眉間へ最後の1発を放った。
しかしハルの弾道は確実に眉間を狙う事はバレている。男は首だけを大きく捻りそれを躱す。そしてハルの顔面目掛けて回し蹴りを放った。
「おっとっと」
咄嗟に1歩距離とるハル。凛々奈達とは違い身体能力は普通の人間。僅かにバランスを崩した。
「貰ったぁ!」
男、番場亮平はそこへ踏み込んで最後の一撃を放とうとする。
男が最後に見たのは不敵な笑みを浮かべるハルの顔、そしてハルがその首を大きく横へ捻るとハルの顔があった位置から迫りくる銃弾の弾頭・・・
「え?」
ドチュ
驚いた表情の男の眉間から紅い花が咲いた。
「とっとっとっと」
ハルはドサッと尻餅をつく。
ハルの最後の弾丸は躱されたあと、鉄骨の反射を繰り返し、ハルの後頭部から真っ直ぐ飛んでくる軌道となって男へ到達した。
「うん、腕は鈍ってないわね」
立ち上がりパンパンと砂埃を払う。
「この脚の鎧殻、噂のモドキよね・・・ 私が無傷で勝てる位だし・・ 少し話を聞いておけば良かったかな」
「とりあえず鎧殻だけ回収してくか、あとは・・・」
ハルは最初に見つけた男達の死体へ向かう。そして見知った顔の死体の懐を探る。内ポケットから血に濡れたUSBメモリを取り出す。
「ごめんなさい貰っていくわ、報酬は貴方の奥さんの口座に・・・ こんなことになるなんて残念だわ・・・・」
ハルは少し表情を曇らせると自身の車へ向かいながら電話をかける。相手は裏の世界の掃除屋。この建設現場の凄惨な現状を処理しなければならない。
「ええ、後は頼んだわよ 黒服の男達は丁重にお願いね、頭に1発貰ってるタンクトップは好きにしていいわ」
死体の処理を頼んでハルは車に回収した鎧殻を積み込んで走りだす。
着地した男はハルに向き直って構える。
「今は情報屋octoよ」
ズガァン
言いながらまたハルは銃を撃つ。その弾道は正確に男の眉間へと向かう。
「ハッハァ!!」
それと同時に男は異形の足で上空へ飛んだ。
「んなオモチャ! 当たらなきゃなんの意味もないんだよ!!」
高くまで張り巡らされた鉄骨に男は着地してそこからまた一瞬で跳躍する。高速でそれを繰り返し、その姿を目で追うのは困難な速度だった。
ハルの上からガギンガギンと男が跳ねる音が鳴り続ける。
「そうね、当てりゃいいのよ」
ズガァン ズガァン
ハルは2発、鉄のジャングルジムへ発泡する。
「当たるかよ! そんなもん!」
しっかりと男の脚をつくタイミングで放たれた弾丸は一瞬でその場から跳躍で移動した男にかわされ、鉄骨に当たってガギィンと音を立てた。
「当たるわよ、外さない」
「ヘヘッ あと2発だな? リロードしようとしたらお前の最後だぜぇ? 一瞬の隙も見逃さねえ!」
そして男が一度鉄骨に止まりまた跳躍しようとしたその一瞬。
ガギッ ガギッ
男の足から不快なノイズと衝撃。
鋼鉄の足の関節、その隙間に銃弾が挟まり可動が阻まれ軋んで動かなくなっていた。
「なん・・・だぁ?」
唐突に訪れた脚の不具合に男は対応出来ず、勢いのままバランスを崩して地面まで落ちていく。
「ガアああああああ!」
ドォンと響く衝撃音。
「"リコシェクリティカル"、跳弾を経由して狙った所へ確実にヒットさせる私の18番よ」
指でクルクルと銃を回転させながらハルは落ちた蝗虫に近づく。
「ま、威力は跳弾した分落ちちゃうけどね、こうやって弱い所狙えば十分よ」
バシッ
回転を掌で止めて銃口を男にむける。
「それとリロード? 笑わせないで、始めからする気なんてないから 貴方を殺すのに6発でも贅沢だわ」
「この・・このクソアマがぁ!」
男は痛みに堪えて立ち上がる。落下の衝撃で関節の弾丸は外れている。
「ふふふ、あと1発にしておきましょうか」
「死ねオラァ!」
冷静さを失った男はハルに真っ直ぐ飛びかかる。
そしてハルもまた男の眉間へ最後の1発を放った。
しかしハルの弾道は確実に眉間を狙う事はバレている。男は首だけを大きく捻りそれを躱す。そしてハルの顔面目掛けて回し蹴りを放った。
「おっとっと」
咄嗟に1歩距離とるハル。凛々奈達とは違い身体能力は普通の人間。僅かにバランスを崩した。
「貰ったぁ!」
男、番場亮平はそこへ踏み込んで最後の一撃を放とうとする。
男が最後に見たのは不敵な笑みを浮かべるハルの顔、そしてハルがその首を大きく横へ捻るとハルの顔があった位置から迫りくる銃弾の弾頭・・・
「え?」
ドチュ
驚いた表情の男の眉間から紅い花が咲いた。
「とっとっとっと」
ハルはドサッと尻餅をつく。
ハルの最後の弾丸は躱されたあと、鉄骨の反射を繰り返し、ハルの後頭部から真っ直ぐ飛んでくる軌道となって男へ到達した。
「うん、腕は鈍ってないわね」
立ち上がりパンパンと砂埃を払う。
「この脚の鎧殻、噂のモドキよね・・・ 私が無傷で勝てる位だし・・ 少し話を聞いておけば良かったかな」
「とりあえず鎧殻だけ回収してくか、あとは・・・」
ハルは最初に見つけた男達の死体へ向かう。そして見知った顔の死体の懐を探る。内ポケットから血に濡れたUSBメモリを取り出す。
「ごめんなさい貰っていくわ、報酬は貴方の奥さんの口座に・・・ こんなことになるなんて残念だわ・・・・」
ハルは少し表情を曇らせると自身の車へ向かいながら電話をかける。相手は裏の世界の掃除屋。この建設現場の凄惨な現状を処理しなければならない。
「ええ、後は頼んだわよ 黒服の男達は丁重にお願いね、頭に1発貰ってるタンクトップは好きにしていいわ」
死体の処理を頼んでハルは車に回収した鎧殻を積み込んで走りだす。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる