【完】大きな俺は小さな彼に、今宵もアブノーマルに抱かれる

唯月漣

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7)偽りの愛の言葉*

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 由岐の薄ピンク色の唇が、俺の胸板の上を這う。ふにふにと柔らかなその唇は、時折ツンとした痛みと共に肌に朱い吸い跡を残した。
 それがいわゆるキスマークという物であることに気がついた時には、俺の体は由岐の付けた印だらけだった。


「キスマーク、付けるの好きなのか?」
「ああ、すみません。お嫌でしたか?」


 由岐は思わせぶりに俺の乳首の周りを舐めて、流し目で俺の方を見ながらそう答える。


「いや、別に。ただ、服の外から見える所は勘弁な」
「ふふっ、翔李さんのそういうところ、とても好きです」


 由岐はそう言って、ようやく乳首に舌を這わせた。
 ぬるりと温かな感触の後、僅かに尖りを噛まれる。痛みを感じる直前で歯を弛めたと思うと、今度は唇で挟まれたまま、舌で擦るように先端ばかりを執拗に舐められた。


「っあ、んんっ……」


 俺が喉の奥で僅かに漏らした甘い声に、由岐は再びチラリと俺を見た。そのまま反対の胸の飾りに吸い付いて、固くした舌の先でチロチロとそれを弾く。


「ーーーーっふ、ぁ」


 僅かなくすぐったさに混じって、舌で弾かれる度に腹のあたりに甘い疼きが生まれる。それが緩やかな波になって、俺の内側を騒がせた。


「だいぶ緊張が解けたんじゃありませんか?」


 由岐は唇を離してそう言うと、すっかり敏感になってしまった胸の先端を指で摘むように揉む。長らくそこばかりを刺激された俺は、気持ちいいが決して達することのできないその刺激に、身悶えた。


「う、あ……」
「そろそろ素直になりませんか? 僕達は所詮、セフレ関係なんですから」


 ああ、だから焦らされていたのか。俺は由岐の言わんとすることを何となく悟って、理性の霞む脳に悟られぬように恥ずかしい言葉を紡いだ。


「由岐。それ、気持ちいいけどイケなくてやだ……。もっと気持ちいいこと、して……」


 相手はただのセフレだ。そう割り切ってしまえば、自分でもびっくりするほど素直で大胆な言葉が出た。俺の言葉に由岐は満足げな表情を見せる。


「ふふ、良いですよ」


 そう答えるや否や由岐は俺の足の間に手を伸ばし、中心にあったモノをそっと握り込んだ。
 反応し始めていたその部分を、皮ごとゆるゆると扱かれる。
 自分でするのとは明らかに違う、他人の手。


「あぁ……っ、ぁ、気持ちい……っ」


 由岐のリズムが、体温が、感触が、与えられる快楽が。
 自分でするのとは違う全ての由岐の感覚が、何故だかたまらなく心地よかった。


「気持ちいいですか? イク前に教えて下さいね」

 
 あっという間に固くそそり立ってしまった俺のそれを、由岐はゆるゆると扱き続けた。

 途切れ途切れに漏れる己の喘ぎが恥ずかしくて、俺は思わず手の甲で口を押さえる。けれどもその手はあっさりと由岐に剥がされて、代わりにキスで唇を塞がれた。
 重ねられた唇が離れたとき、俺は由岐の呼吸が僅かに乱れていることに気が付く。

 彼も自分に興奮してくれているのだ。
 そう思ったら嬉しくなって、俺は離れゆく由岐の頭を捕まえる。
 唾液でてらりと光る由岐の唇に再び唇を重ねると、舌を出してぺろりとその唇を舐めた。

 俺がキスに夢中になっていると、由岐が不意に握りこんでいた俺のペニスを手の中で激しく上下させた。


「んん……っ、ちょ、ああっ……ッ!」


 驚いた俺は唇を離して、とっさに由岐にしがみつく。


「他人の手にイカされるのと、自分でするの。どちらが気持ちいいですか?」


 他人の手……。
 俺はそのワードにまたもやユウキを思い出してしまい、慌てて目を開いて由岐の顔を見つめた。

 由岐は真っ直ぐに俺の顔を覗き込んでいたようで、すぐに目が合った。
 初めて出会ったとき、俺は由岐の事を可愛らしい華奢な少年だと思っていた。
 けれども目の前に映る由岐の表情は、僅かに雄を思わせる色っぽさがあった。一瞬見惚れかけた俺を現実に引き戻したのは、他ならぬ由岐だった。


「はぁ……。翔李さんのエッチな顔を見ていたら、すぐにでもめちゃくちゃに犯してしまいそうです。優しくするって、約束したのに」
「うあっ……!?」


 不意にペニスが開放されると、そのまま両足の間に由岐の手が滑り込んだ。中指と薬指の腹が、俺の後ろの中心をなぞるように揉む。
 まだ誰にも触られたことの無い窄まりの中心は、緊張と恐怖も相まってなかなか緩まない。


「い、痛っ……ちょっ、っ……」


 一度手を離した由岐が、ローションのチューブを片手に取る。指先にその粘度のある液体を絡めて、俺の窄まりを再びつついた。
 不意につるりと指の先端が中に潜り込む感触があって、入り口付近をヌプヌプと浅く抜き挿しされた。
 窄まりのひだにローションを馴染ませるように指の腹で擦られると、俺は異物感に耐えながら浅く呼吸を繰り返した。


「硬いですね……。翔李さん、本当に処女なんですね……」
「っ……たり前、だっ……!」


 俺がそう答えると、由岐は嬉しそうに笑った。


「じゃあ、いつか翔李さんのココを僕のでトロトロにして、翔李さんの初恋の人を僕が忘れさせてあげます」
「は……!? な、それは……ああっ」


 俺が答えかけた途端、指を二本に増やされる。
 深いところまで指二本を挿し込まれると、ローションのぬめりでぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てた。
 体への刺激が増えると、途端にそちらへ意識が向いて思考がまとまらなくなる。


「『ユウキさん』でしょ? 初めて会ったとき、酔った翔李さんに聞きました」
「いっ、いきなりあんま動かすな……」
「ああ、すみません。前にも欲しいですか?」
「ち、ちが……」


 由岐は楽しそうに目を細めて、可愛らしく小首を傾げた。


「じゃあ、せっかくですから前にはコレを使いましょうか」


 そう言って由岐が取り出したのは、先程の小さなローターだ。


「中に挿れられると思って小さいのを選んだんですか? だとしたら、残念」


 俺の戸惑う表情に対してクスクスと笑った由岐は、おもむろにローターの先を俺の昂ぶったペニスの先端にあてがった。


「うああっ、んっ、やめっ……ッ」


 それは感じたことのない、不思議な感覚だった。
 俺の選んだ小ぶりのローターは、小ぶりなだけに中のモーターと皮膚の距離が近い。

 先端のくびれにダイレクトに伝わる振動。それは昂ぶる芯を小刻みに揺らして、くすぐったさの交じる甘い痺れを俺に与える。


「あっ、あっ、あっ……だっ、ダメっ、由岐ぃ、それやだ……っ!」


 確かにそこに快楽はあるのに、その振動では達することが出来ない。先端から裏側の筋にグリグリと振動をあてがわれて、俺は思わず腰を揺らした。
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