よもやまメモ噺

寿司2貫噺

　回転ずしにしろカウンターのお寿司屋さんにしろ、寿司は基本的に2貫ずつ提供される。

　なぜ2貫ずつなのであろうか、その起源は幕末にあった。

　現在のような握り寿司が考案されたのは江戸時代の文政年間のことで、お客が注文してから握るのではなく、街角の屋台に出来上がった寿司が並んでおり、そこから好みの寿司を選ぶというスタイルであった。

　さらに当時の寿司は現在の物よりもかなりサイズが大きく、小ぶりのおにぎりくらいあったのだ。

　シャリに載せるネタも当然大きいのだが、生魚の中には簡単に噛み切れないものも多く、この大きさだと食べにくいということもあり、幕末から明治初めの頃になると、食べやすいように寿司を半分に切って出す店が出始めるようになり、それが2貫提供というかたちで現在まで続いているのである。

　では、今回はこの辺で失礼をば。