もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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スカイランへ⑩

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 ノータから出発し、ノワールの馬車はブヒヒンと特急のように進む。
 そして無事にスカイランに到着する。並んでいると、どうぞどうぞとコントのように促され、先に並んでいる人達にペコペコしながら進む。
 1年ぶりのスカイランだ。うう、風が寒さが厳しくなってきた。
 まずは到着報告、晃太は搬送物を納めにいく。
 受付の女性は、赤髪の若い上品な人だ。
「はい、確認しました」
「ありがとうございます」
『ユイ、ダンジョンなのです』
『明日、行くの?』
「今、到着報告したばっかり」
 ふごー、と鼻息荒かね、もう。
「わんわんっ」
「がうがうっ」
『ねぇね~、るりも~』
『くりちゅも~』
『ねえね~、ひすいもいきたい~』
「準備しようね~」
 大型になってもかわいか仔達のおねだり。はいはい、聞きますよ~。
『私達と対応が違うのですっ』
『ひどいわっ』
「いやいや、あんた達がすると色々大変なんやけど」
 確かに生活は支えて貰っているけどさ。ダンジョンに行くと、朝御飯して、片付け最中にちゅどんドカン。ドロップ品回収して、掃除して、2回目。ドロップ品回収して、ご飯準備して、3回目、もしくは移動。御昼御飯して、ちゅどんドカン。この間も御飯の準備や、仔達の世話。結構忙しいのよ。
『『ぶーぶー』』
「はいはい。せめて何日間か準備させて」
 何日間ダンジョンに滞在するかで、両親達の食料品の準備もあるしね。宿を三日間取り、チェックインする。
 さて、行動計画立てよう。
 一軒家タイプの宿。ノワールも誘導して、私達もルームで寛ぐ。久しぶりにさくら庵のケーキセットにした。私とエマちゃん、マデリーンさんはホット柚子蜜ティーと和三盆のロールケーキと季節の果物添え。晃太はほうじ茶と抹茶のロールケーキ。ホークさんとテオ君はホットジンジャーと抹茶のティラミス。チュアンさんはホット柚子蜜ティーとブルーベリーソースのレアチーズケーキ。ミゲル君は柘榴酢のサイダーとチーズケーキと季節の果物添えだ。
 ビアンカとルージュや仔達にもね、ロールケーキだ。
『足りないのですう』
『もう1つ欲しいわあ』
 きゅるん。
「ダメよ、そんな顔しても」
 ふーふーしてホット柚子蜜ティーを1口。
 お茶しながら、今回の軍隊ダンジョンをどうするかだ。
 30階への転移石があるし、ワイバーンの革さえ手に入ったらいいかな。はい、ビアンカとルージュからブーイングが飛ぶ。
 晃太のスキルアップもあったねえ。でも、出来れば年末年始は家族揃いたい。ビアンカとルージュから仔達の訓練もしたいとあり、まずは中堅層に1週間挑み、一旦脱出。休息して転移石で30階から再開してワイバーンの革ゲットや、あ、お肉もね。年末には終了して、年越しはゆっくりしよう。いつマーファに帰るかだけど、雪に降られたら嫌だしね。うーん。それに年末年始に宿が空いているかだ。よし、明日確認して、もし空いてなければ、年越し前にスカイランを出よう。マーファに帰る途中で年越しだ。ダンジョン内では、サブ・ドアが開かないしね。そうしよう。

 次の日はまず宿の確認。できればいまだに借りている宿がいいけど、残念、年末年始は予約あり。だけど、中堅層チャレンジ後は空いていたので予約する。別の宿も空いていないか確認すると、少し高額な宿なら空いているそうだ。考えて予約した。ダンジョンでてすぐに街をでるのもきついからね。それからマルシェで買い物してまわる。帰りにティム君のいる、孤児院に向かった。古びた建物だったけど、あちこち修繕されている。屋根とか窓枠、ドアなんて新品みたい。
「あ、テイマーのお姉ちゃんだーっ」
「「「「わーっ」」」」
『だから、なんで私が怖くないのですかーっ』
『好奇心の塊ねえ』
 子供達がビアンカとルージュに群がる。仔達も大歓迎だ。人見知りのルリとクリスだが、以前訪ねたことがあるから、落ち着いてペロペロしている。ただ、元気だけは相変わらずなので、諦めのビアンカにリードを持ってもらう。
 私は晃太、ホークさんに付き添われて牧師さんとお話しする。
「ああ、テイマー様、お久しぶりです」
「お久しぶりです」
「どうぞこちらに」
「はい」
 私達は応接室に案内される。
「あのティム君は?」
「ええ、あれから元気に走り回っています。あの頃が嘘のようです」
「良かったです」
 良かった良かった。
 以前私がした寄付は、ほぼ建物の改修に使用された。危なかった床も張り替え、ロフトもあったが綺麗に改修されて勉強部屋になってると。3つあったシャワーブースの改修とぼろぼろだったテーブルとベッド、椅子を修繕と買い換えもした。500万程残ったが、すべて子供達の食費や生活品に回し、お風呂がないから、近くの公衆浴場に通う為の資金にしたと。
「すべてテイマー様のおかげ。それに新しい領主もここに予算を回してくれるようになって」
 なんでも前領主が、持病が悪化したとかで引退。息子さん夫婦が引き継いだ。それからお妃レースに参加していた娘さん3人は、全員諦めて、それぞれの道を進みだしたと。長女はミーミル学園の教師、次女はどこかの男爵にトントン拍子で話が進んで、先月結婚。三女は首都の教会の事務の傍ら無料教室の講師を務めている。娘さん達にかかる費用がなくなり、新しい領主も質素倹約していて、あちこち街の壁の改修が進んでいる。
「今年の冬は憂いなく過ごせそうです」
 そうなんや。でも、どうしよう、持って来ちゃったよ、寄付と温かいブランケット。渡してみたら大喜びしてくれた。あ、そうだ、薪。冬に向けて、いや、料理にいまだ釜戸率が高いから、薪を手に入れよう。軍隊ダンジョンでもおそらく、冷蔵庫ダンジョンのように切り株にすれば、一週間で戻るはず。それから林や森で果物植えてみよう。
 よし、手に入れるリスト項目に、薪が追加された。ビアンカにお願いしよう。
 牧師さんに挨拶して、子供達をぶら下げたビアンカとルージュの元に戻る。薪の説明をしたら、リクエストが飛ぶ。
『してもいいのですけど、油淋鶏が食べたいのですう』
『ずるいわ、私も。木くらい、魔法で斬り倒せるわよ』
「分かった。今日は中華にしようかね」
『早く帰るのですっ』
『エビエビエビ』
 ふんがふんがいいながら、私に迫るビアンカとルージュ。もう、かわいかね。
「はいはい」
 アルコールも解禁にするかね。
 それからギルドに向かい、無料教室の寄付を申し出る。対応してくれたのは、綺麗なお姉さんアステリさんだった。新しい領主が色々してくれているそうだけど、給食の件もあるしね。小銭入れに白金貨2枚。
 アステリさんに相談したら、ここでも給食に似た事をしていた。ただ、月に一回パンの支給だ。中にはその支給の日だけ、通わせる親がいるそうで、頭を悩ませていると。真面目に通わせている親や、通っている子供達にしたら、思うところあるよね。それに通っている子供を対象に渡しているんだから、そんな子供には渡すわけない。だが、パンを渡さなければ、質の悪い親は怒鳴り込んで来ると。まあ、そんなことしたら、警備の要注意人物のリストに上がっていて、2度と来れなくなる。ただ、可愛そうなのはその子供だ。中にはそれを理由にいじめをされている。無料教室の教師が間に入ったりして色々対応している。それから出来れば週2回通って欲しいがなかなか上手く行ってないみたい。
 私の寄付は、給食費用に宛てられる。
 調理場や人員の確保、材料の購入をして、出来れば最低月に2~3回行い、持ち帰りではなく、みんなで一緒に食べてから帰るスタイルに変えていくと。前から考えられていたことのようで、案外スムーズに行きそう。給食が出たら、通わせるいいきっかけになるからね。
「お願いします」
「必ず、実現させます」
 アステリさん、綺麗やけど、カッコいい。女の私が惚れ惚れする礼をした。
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