39 / 869
連載
マーファ②
しおりを挟む
「お久しぶりですシュタインさん」
「マーファに来てくれたんですね」
そう言ってシュタインさんは嬉しそうに言う。晃太も挨拶する。
「ウルフが見えたから、まさかと思っていましたけど」
「さっき到着したばかりなんですよ」
邪魔にならないように馬車を路肩に止める。
「今日は鎧は着てないんですね」
そう、シュタインさんは軽装だ。シャツとズボン、ごつめのベルトとブーツのみ。ベルトには小型のナイフとポーチ。
「昨日までダンジョンに潜っていたんです。リーダーが明日まで休みにしてくれて」
ダンジョンの言葉に、ルージュが反応。
『ユイ、ユイ、ダンジョンの事を聞いて』
「はいはい、ちょっと待ってん」
私が言うと、ルージュはシュタインさんに近づいて行く。引くシュタインさん。
『ダンジョン、ダンジョン』
「ルージュストップストップ」
『ダンジョン、ダンジョン』
「やめてってば、もう。すみません」
「いえ、いいですけど。なんと言っているんですか?」
「ダンジョンの事を聞いて、と」
「ダンジョン? 冷蔵庫ダンジョンですか?」
それから、両親も馬車から降りて挨拶。シュタインさんが宿の案内所まで一緒に移動しながら話をする。私が手綱を持ち歩く。
「ルージュがダンジョンに行きたいって聞かなくて」
「そうですか。ダンジョンなら、俺のわかる範囲でよければ教えますよ」
『聞いてッ、ダンジョン聞いてッ』
『私も潜りたいのです』
迫らんでって。
「お願いできます? ビアンカ、ルージュ、言っとくけど、今日はダンジョンの説明を聞くだけよ。行かんけんね」
『『ぶーぶー』』
「夕御飯、削るよ」
『我慢するのです』
『我慢するわ』
現金やね。
宿の案内所で一軒家タイプの宿を聞く。
入口で覗き込むビアンカとルージュに、案内所の人がひきつった顔をした。
「ええ、と。少々お待ちを。今は中型の庭付きなら空きがございます。1泊85000ですが、1週間後に予約がありますので、それ以降はまた別の宿を探して頂くことになります」
「それで構いません。あのまたこちらに伺っても宜しいですか?」
「はい、お待ちしております。こちらの木札をお持ちください。今、案内の者を」
「はい」
若い男性が案内してくれる。シュタインさんも一緒に移動。ビアンカとルージュが聞きたい聞きたいと連呼するので。
一軒家を管理する宿の人とバトンタッチ。料金を前払い。案内してくれたのは、こちらも若い男性、ビアンカとルージュに引いている。
まずまず広い庭付きの平屋に案内される。
「何かありましたら、宿までお越しください」
「ありがとうございます」
元気達が庭を走り回る。ノワールものんびりしている。馬車は晃太のアイテムボックスへ。
平屋の中は広い居間と、ダイニングにミニキッチン。奥に広めの寝室が2つ。一回り小さな寝室2つ。洗面所にシャワーブース、ちゃんと浴室もあり。庭にはテーブルと椅子が二脚。魔道具も揃っている。
「すみませんシュタインさん、お休みなのに」
「構いませんよ」
シュタインさんに、居間のソファーで待ってもらい、私は寝室でルームのドアを開ける。
液晶画面を操作。
よし、CAFE&sandwich蒼空にしよう。ナッツとキャラメルのケーキ。セットのドリンクは、コーヒーが美味しいのだけど、こちらでは見たことない。ちょっと暑いからアイスティーにしよう。
タップ。ポワン、とケーキセットがダイニングテーブルの上に出る。異世界のメニューの良いところは、器を出して洗わなくてもいいことだ。ケーキとアイスティーのグラスをお盆に載せる。私達は麦茶だ。溢さないようにルームを出る。
「お待たせしました。どうぞシュタインさん」
「あ、ありがとうございます。これ氷ですよねいいんですか? 頂いても」
氷はこの時期は貴重品だが、私達はルームに冷蔵庫あるので普通に手に入る。
「はい、どうぞどうぞ」
ビアンカとルージュが迫りそうなので、ダメよ、と牽制。ただ、花だけは、シュタインさんの膝にすがり付く。
「おわっ、と」
「すみません」
母が花を抱えて、庭に出る。父も元気達のおもちゃを持ち続く。
「騒がしくてすみません」
「いいえ、いただきます」
シュタインさんがアイスティーを一口。
「んっ、この紅茶、凄く冷えていて美味しいですね。香りもすごくいいです」
「そ、そうです?」
私が淹れてないけどね。シュタインさんはケーキも一口。
「これ、凄く旨いです。甘いのにちょっとほろ苦くて。ふふ、マアデンとハジェルが聞いたら、羨ましがるだろうな」
「皆さん、お元気ですか?」
「ええ、とっても。あの2人、ミズサワさんの飯がまた食べたいっていつも言ってます」
「母が聞いたら喜びます」
よく見たら、シュタインさん、結構イケメンさんだね。時空神様ほどではないけど。あの人はイッケメンだからね。
楽しいおしゃべりしていると、私の頬にルージュが鼻面を押し付ける。
『ユイ、ユイ、ダンジョンダンジョン』
「はいはい。シュタインさん、すみませんがダンジョンについて教えて頂けます?」
「あ、そうでしたね」
ダンジョン。それは生きた魔物。心臓部のコアを破壊しなければ、ずっと生き続ける魔物。ただ、マーファの冷蔵庫ダンジョンのように、人と共存しているダンジョンが多く、ダンジョンの側には街があることが多い。
ダンジョンにもレベルがある、初心者向けや、冷蔵庫ダンジョンのように中堅~上級者向けあり。中には悪質なものもあり、そういったダンジョンは入口を封鎖。そうすると、ダンジョンは餓死する。ダンジョンの栄養は外から来た生き物、つまり冒険者だが、その死体や自身の中で生まれた魔物の死骸までも栄養にするため、ものによっては何百年も共存しているものもある。ちなみに野良のダンジョンはあまりない、生まれてすぐのダンジョンは弱く、大きくいくつもの階層ができる前に殆どが餓死し、ただの洞穴になる。ダンジョンは冒険者に来てもらわないと生きていけないため、おびき寄せるのが宝箱だ。
ほとんどのダンジョンの中は外見とは異なり、何倍にも広い。穴蔵や草原、岩山、砂漠、遺跡、火山、森林、海、沼地など様々なフィールドがある。大体は階層で異なるフィールドを持つ複合タイプらしい。各階に安全地帯がある。複数あれば、たまにないこともあり。
そして、ダンジョンの最大の目玉は、ボス部屋だ。各階にあったりなかったりだが、ボス部屋に入ると、中の魔物を殲滅しなければ、前にも後ろにも進めない。ボスを殲滅すると、復活するまで時間がかかり、その間は素通り可能。先に進みたいパーティーは素通りする。ボス部屋が復活するまで順番待ちをして挑むのがほとんどだが、いくつかの決まり事がある。まず、戦闘中に横槍を入れない、ボス部屋の宝箱を殲滅したパーティーの了承を得ず持っていかない、並んでいるのに無視して先にボス部屋に入らない。
ボス部屋は殲滅したあと必ず宝箱が出る。ボスのレベルや出てきた数によって変わるが、かなりいいのが入っており、ほとんどの冒険者はこれを狙う。ボス部屋の不思議は、下の階層から入ると空な事だ。
ダンジョンに挑む際に大切なのは食糧。マーファの冷蔵庫ダンジョンの様に、一階は子供でも入れるのは珍しい。基本的には日数を決めて挑む、これをダンジョンに潜るという。中には安全地帯、セーフティーゾーンで水が湧き出ている所がある。だがある程度稼ぎたいなら一定期間潜るのが一般的なため、食糧が重要になる。
「とにかく、食糧が重要です。あと、命は1人1つしかありませんからね」
「なるほど」
ルームがあるから、私達は大丈夫だけど、冒険者の皆さん大変だ。
「冷蔵庫ダンジョンは24階です。2階から10階までは初心者や中堅が挑みます。11階からは中堅以上ですね。18階からは上級者向けになります。各階にセーフティーゾーンとボス部屋があります。脱出用の魔法陣も10階、15階、20階、24階にあります」
ふむふむ。
『ユイ、ユイ、明日からダンジョン?』
ルージュが爛々とした赤い目で訴える。
「なんば言いようと。ダメよ、何日潜るか決めて食糧準備せんといかんやろ?」
『ルームがあるわ』
「お母さん達のたい。それにあの蛇だって、冒険者ギルドに出さんと」
私達の会話を聞いて、シュタインさんが首を傾げる。
「蛇?」
「はい、昨日、ルージュが狩って来て。晃太のアイテムボックスの中に入れてあるんです」
「なら、今からギルドに行きましょうか? 案内しますよ」
「マーファに来てくれたんですね」
そう言ってシュタインさんは嬉しそうに言う。晃太も挨拶する。
「ウルフが見えたから、まさかと思っていましたけど」
「さっき到着したばかりなんですよ」
邪魔にならないように馬車を路肩に止める。
「今日は鎧は着てないんですね」
そう、シュタインさんは軽装だ。シャツとズボン、ごつめのベルトとブーツのみ。ベルトには小型のナイフとポーチ。
「昨日までダンジョンに潜っていたんです。リーダーが明日まで休みにしてくれて」
ダンジョンの言葉に、ルージュが反応。
『ユイ、ユイ、ダンジョンの事を聞いて』
「はいはい、ちょっと待ってん」
私が言うと、ルージュはシュタインさんに近づいて行く。引くシュタインさん。
『ダンジョン、ダンジョン』
「ルージュストップストップ」
『ダンジョン、ダンジョン』
「やめてってば、もう。すみません」
「いえ、いいですけど。なんと言っているんですか?」
「ダンジョンの事を聞いて、と」
「ダンジョン? 冷蔵庫ダンジョンですか?」
それから、両親も馬車から降りて挨拶。シュタインさんが宿の案内所まで一緒に移動しながら話をする。私が手綱を持ち歩く。
「ルージュがダンジョンに行きたいって聞かなくて」
「そうですか。ダンジョンなら、俺のわかる範囲でよければ教えますよ」
『聞いてッ、ダンジョン聞いてッ』
『私も潜りたいのです』
迫らんでって。
「お願いできます? ビアンカ、ルージュ、言っとくけど、今日はダンジョンの説明を聞くだけよ。行かんけんね」
『『ぶーぶー』』
「夕御飯、削るよ」
『我慢するのです』
『我慢するわ』
現金やね。
宿の案内所で一軒家タイプの宿を聞く。
入口で覗き込むビアンカとルージュに、案内所の人がひきつった顔をした。
「ええ、と。少々お待ちを。今は中型の庭付きなら空きがございます。1泊85000ですが、1週間後に予約がありますので、それ以降はまた別の宿を探して頂くことになります」
「それで構いません。あのまたこちらに伺っても宜しいですか?」
「はい、お待ちしております。こちらの木札をお持ちください。今、案内の者を」
「はい」
若い男性が案内してくれる。シュタインさんも一緒に移動。ビアンカとルージュが聞きたい聞きたいと連呼するので。
一軒家を管理する宿の人とバトンタッチ。料金を前払い。案内してくれたのは、こちらも若い男性、ビアンカとルージュに引いている。
まずまず広い庭付きの平屋に案内される。
「何かありましたら、宿までお越しください」
「ありがとうございます」
元気達が庭を走り回る。ノワールものんびりしている。馬車は晃太のアイテムボックスへ。
平屋の中は広い居間と、ダイニングにミニキッチン。奥に広めの寝室が2つ。一回り小さな寝室2つ。洗面所にシャワーブース、ちゃんと浴室もあり。庭にはテーブルと椅子が二脚。魔道具も揃っている。
「すみませんシュタインさん、お休みなのに」
「構いませんよ」
シュタインさんに、居間のソファーで待ってもらい、私は寝室でルームのドアを開ける。
液晶画面を操作。
よし、CAFE&sandwich蒼空にしよう。ナッツとキャラメルのケーキ。セットのドリンクは、コーヒーが美味しいのだけど、こちらでは見たことない。ちょっと暑いからアイスティーにしよう。
タップ。ポワン、とケーキセットがダイニングテーブルの上に出る。異世界のメニューの良いところは、器を出して洗わなくてもいいことだ。ケーキとアイスティーのグラスをお盆に載せる。私達は麦茶だ。溢さないようにルームを出る。
「お待たせしました。どうぞシュタインさん」
「あ、ありがとうございます。これ氷ですよねいいんですか? 頂いても」
氷はこの時期は貴重品だが、私達はルームに冷蔵庫あるので普通に手に入る。
「はい、どうぞどうぞ」
ビアンカとルージュが迫りそうなので、ダメよ、と牽制。ただ、花だけは、シュタインさんの膝にすがり付く。
「おわっ、と」
「すみません」
母が花を抱えて、庭に出る。父も元気達のおもちゃを持ち続く。
「騒がしくてすみません」
「いいえ、いただきます」
シュタインさんがアイスティーを一口。
「んっ、この紅茶、凄く冷えていて美味しいですね。香りもすごくいいです」
「そ、そうです?」
私が淹れてないけどね。シュタインさんはケーキも一口。
「これ、凄く旨いです。甘いのにちょっとほろ苦くて。ふふ、マアデンとハジェルが聞いたら、羨ましがるだろうな」
「皆さん、お元気ですか?」
「ええ、とっても。あの2人、ミズサワさんの飯がまた食べたいっていつも言ってます」
「母が聞いたら喜びます」
よく見たら、シュタインさん、結構イケメンさんだね。時空神様ほどではないけど。あの人はイッケメンだからね。
楽しいおしゃべりしていると、私の頬にルージュが鼻面を押し付ける。
『ユイ、ユイ、ダンジョンダンジョン』
「はいはい。シュタインさん、すみませんがダンジョンについて教えて頂けます?」
「あ、そうでしたね」
ダンジョン。それは生きた魔物。心臓部のコアを破壊しなければ、ずっと生き続ける魔物。ただ、マーファの冷蔵庫ダンジョンのように、人と共存しているダンジョンが多く、ダンジョンの側には街があることが多い。
ダンジョンにもレベルがある、初心者向けや、冷蔵庫ダンジョンのように中堅~上級者向けあり。中には悪質なものもあり、そういったダンジョンは入口を封鎖。そうすると、ダンジョンは餓死する。ダンジョンの栄養は外から来た生き物、つまり冒険者だが、その死体や自身の中で生まれた魔物の死骸までも栄養にするため、ものによっては何百年も共存しているものもある。ちなみに野良のダンジョンはあまりない、生まれてすぐのダンジョンは弱く、大きくいくつもの階層ができる前に殆どが餓死し、ただの洞穴になる。ダンジョンは冒険者に来てもらわないと生きていけないため、おびき寄せるのが宝箱だ。
ほとんどのダンジョンの中は外見とは異なり、何倍にも広い。穴蔵や草原、岩山、砂漠、遺跡、火山、森林、海、沼地など様々なフィールドがある。大体は階層で異なるフィールドを持つ複合タイプらしい。各階に安全地帯がある。複数あれば、たまにないこともあり。
そして、ダンジョンの最大の目玉は、ボス部屋だ。各階にあったりなかったりだが、ボス部屋に入ると、中の魔物を殲滅しなければ、前にも後ろにも進めない。ボスを殲滅すると、復活するまで時間がかかり、その間は素通り可能。先に進みたいパーティーは素通りする。ボス部屋が復活するまで順番待ちをして挑むのがほとんどだが、いくつかの決まり事がある。まず、戦闘中に横槍を入れない、ボス部屋の宝箱を殲滅したパーティーの了承を得ず持っていかない、並んでいるのに無視して先にボス部屋に入らない。
ボス部屋は殲滅したあと必ず宝箱が出る。ボスのレベルや出てきた数によって変わるが、かなりいいのが入っており、ほとんどの冒険者はこれを狙う。ボス部屋の不思議は、下の階層から入ると空な事だ。
ダンジョンに挑む際に大切なのは食糧。マーファの冷蔵庫ダンジョンの様に、一階は子供でも入れるのは珍しい。基本的には日数を決めて挑む、これをダンジョンに潜るという。中には安全地帯、セーフティーゾーンで水が湧き出ている所がある。だがある程度稼ぎたいなら一定期間潜るのが一般的なため、食糧が重要になる。
「とにかく、食糧が重要です。あと、命は1人1つしかありませんからね」
「なるほど」
ルームがあるから、私達は大丈夫だけど、冒険者の皆さん大変だ。
「冷蔵庫ダンジョンは24階です。2階から10階までは初心者や中堅が挑みます。11階からは中堅以上ですね。18階からは上級者向けになります。各階にセーフティーゾーンとボス部屋があります。脱出用の魔法陣も10階、15階、20階、24階にあります」
ふむふむ。
『ユイ、ユイ、明日からダンジョン?』
ルージュが爛々とした赤い目で訴える。
「なんば言いようと。ダメよ、何日潜るか決めて食糧準備せんといかんやろ?」
『ルームがあるわ』
「お母さん達のたい。それにあの蛇だって、冒険者ギルドに出さんと」
私達の会話を聞いて、シュタインさんが首を傾げる。
「蛇?」
「はい、昨日、ルージュが狩って来て。晃太のアイテムボックスの中に入れてあるんです」
「なら、今からギルドに行きましょうか? 案内しますよ」
3,256
あなたにおすすめの小説
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
恋は、母をやめてから始まる――正体を隠したまま、仮の婚約者になりました
あい
恋愛
両親を失ったあの日、
赤子の弟を抱いて家を出た少女がいた。
それが、アリア。
世間からは「若い母」と呼ばれながらも、
彼女は否定しなかった。
十六年間、弟を守るためだけに生きてきたから。
恋も未来も、すべて後回し。
けれど弟は成長し、ついに巣立つ。
「今度は、自分の人生を生きて」
その一言が、
止まっていた時間を動かした。
役目を終えた夜。
アリアは初めて、自分のために扉を開く。
向かった先は、婚姻仲介所。
愛を求めたわけではない。
ただ、このまま立ち止まりたくなかった。
――けれどその名前は、
結婚を急かされていた若き当主のもとへと届く。
これは、
十六年“母”だった女性が、
もう一度“ひとりの女”として歩き出す物語。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で一人の騎士と運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。