偏食王子は食用奴隷を師匠にしました

白い靴下の猫

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47☆かみさま

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僕に、ボロボロにされたユオは、ひどい顔色で、縮こまって、意識がないまま涙を流した。

彼女に触れると、頭も体も沸騰したようになる。
魔物なんかより、僕の方がずっとひどい。
自分が甚振っている彼女が、加害者ではなく被害者だと言うことすらわからなくなって。

焼孔は、ユオが僕と過ごしてくれた結果で、僕を捨てた証拠で、超える事のできない現実だ。その焼孔が、彼女にあって、間違いなく彼女はなぜそれができたか知っている。

いわれのない苦痛にあえぎ、泣き叫び、懇願するユオの悲鳴に欲情しながら、その原因が中央の奴らなんかに作られたものであることが許せなくて。
焼孔に嫉妬でもしているようだった。

彼女に触れたいという気持ちが、こんなにも汚らわしくて自分勝手な、独占欲と支配欲でできていたなんて知らなかった。

それでも。
焼孔で脅して、苛んでおきながら、言い訳にもならないけれど。

本当に焼孔を抉る気なんて、欠片もなかった。
脅すだけのつもりだった。

彼女が、急にひきつけたように、突然手や足を突っ張って、飲みものが置いてあったサイドボードに激突しそうになったから。
あわてて抱きとめようとして、指先の集中がそれて。心臓裏の焼孔に、指が触れた。

苦悶しながらも、どうか触れないでくれと彼女が懇願していた傷の場所だった。

彼女は、苦しんで、苦しんで。
意識がなくても、苦痛を押し付けたのが僕だと言うことは、感じるのだろう。

僕の手から、逃げようと、必死に体を丸め、かすれ切った声で、たすけて、『だれか』、とささやいた。

僕のせいで苦しんだから、彼女は、いまもサフラではない『だれか』に助けを求めている。
僕と居たせいで焼孔を穿たれたから、ユオは、サフラではない『だれか』に助けを求めた。

真っ白になる程力を入れて、シーツに爪を立てたせいだと思う。血行が戻りはじめた爪の色はいつもより紫がかっていて、未だに震えている彼女を、とても寒そうにみせた。

さふら・・・

弱々しく呟かれた彼女の声は、夢の中で、ユオがあいつらに殺されるたびに紡がれる声にあまりに似ていて。
彼女がどうかなってしまうのではないかという恐怖が、心臓も頭も鷲づかみにして揺さぶる。

じっとして居るなど不可能で、我を忘れて治癒の力を注ぎ込んだ。

彼女に受け入れてもらえない力が、とめどなくこぼれていく。

かみさま、ユオを助けてください。僕から、ユオを助けて。
幼児期まで退行したように呆けた頭で、幼児期から一度もしたことのない祈りを捧げながら、何度も何度も彼女に口づけた。
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