28 / 163
ヨウルプッキと空の旅
4.ヨウルプッキ
しおりを挟む
サンタクロース村に着いたトゥーリとヌーッティは、北極圏の境界線のある場所へと向かった。そこには何本かの柱が立っていた。
トゥーリはきょろきょろと柱の上を見回す。すると目の前の柱の上に小さな影を捉えた。その影は柱からジャンプし、雪で覆われた地面に降り立った。
「モイ! ひさしぶり、トゥーリ!」
トゥーリとヌーッティの前に降り立った女の子の姿をした小人カティが元気よく挨拶をした。
「ひさしぶり、カティ」
トゥーリは素っ気なく答えた。
その横でヌーッティは目を輝かせながらカティを見つめていた。
「早くヨウルプッキのところに行きたいヌー! どこにいるヌー?」
ヌーッティは落ち着かない様子でカティに尋ねた。
「あー、はいはい。ヨウルプッキね。もうすぐお昼休みだから会えるよ。事務所のほうへ案内するよ。ついて来て」
カティはくるっと向きを変えて、サンタクロース村で1番大きな建物の方へ歩き出した。
トゥーリとヌーッティはカティの後ろに続いた。
入り口のドアの前に着くと、3人は人間の出入りに混じってするりと中へ入り込む。建物の中へ入るとカティの手招きでヨウルプッキのいる部屋へと案内された。写真撮影をする人間のスタッフがちょうど出払っていた。
部屋の中央に置かれた椅子に、大柄な老年の男性が1人座っていた。くるっと癖毛の真っ白な長い髭と頭髪に、赤色を基調とした洋服を着ていた。
「ヨウルプッキ!」
カティが男性の名前を呼んで、老人のもとへ駆け寄った。
ヨウルプッキと呼ばれた男性は当たりを見渡すと、足元のカティに気が付いた。
「カティ! どうしたんだい? 君がここへ来るなんて珍しいね」
言いながらヨウルプッキは椅子から立ち上がり、屈んで足元にいるカティを腕に乗せた。
「今日は特別なゲストがいるんだよ。なんと、あのトゥーリと例のヌーッティが来てるんだ!」
カティは少し離れた場所にいるトゥーリとヌーッティを指で指し示した。
ヨウルプッキはトゥーリたちに視線を移すと、
「おお! トゥーリ! ひさしぶりじゃないか! 元気にしていたかい?」
立ち上がり、大股で歩いてトゥーリとヌーッティのところへやって来てしゃがみ込んだ。
「ふつう。今日はヌーッティのことでここへ来たの」
あまり気乗りのしない様子でトゥーリはヨウルプッキに答えた。
「ヌーッティのこと? 小熊の妖精がどうしたんだい?」
「ヌーッティはクリスマスプレゼントをヨウルプッキからもらいたいヌー! カティがトゥーリと一緒にヨウルプッキのお手伝いをすればもらえるって言ったヌー!」
トゥーリが答えるより早く、ヌーッティが事情を話した。
ヨウルプッキは長い髭を手で撫でながら困った表情をした。
「残念だが、私にはもうどうにもできないんだよ、ヌーッティ。リストはできてしまっているし、困ったなぁ」
カティがヨウルプッキの髭をちょいちょいと引っ張った。
「ヤロとイロのお手伝いをすればいいんだよ。だって、今あの2人の部署って1番忙しいんでしょ?」
カティの言葉にヨウルプッキはなるほどといった様子で頷き、ヌーッティは眉をひそめて首を傾げた。
「なにを言ってるヌー? ヌーッティたちはそんな知らない人たちのお手伝いをしに来たんじゃないヌー。ヨウルプッキのお手伝いがしたいヌー」
それを聞いたカティはけらけらと笑い、トゥーリは溜め息を吐いた。
「この小熊は知らないのかい?」
ヨウルプッキはカティに尋ねた。
「知らないよ」
カティは簡潔に答えた。
ヌーッティはトゥーリに視線を移し、
「よくわからないヌー」
困惑した面持ちでトゥーリをじっと見つめる。
トゥーリはヌーッティに目を向ける。
「あのね、ヨウルプッキは3人いるんだよ」
その言葉にヌーッティの思考はさらに混線した。
トゥーリはきょろきょろと柱の上を見回す。すると目の前の柱の上に小さな影を捉えた。その影は柱からジャンプし、雪で覆われた地面に降り立った。
「モイ! ひさしぶり、トゥーリ!」
トゥーリとヌーッティの前に降り立った女の子の姿をした小人カティが元気よく挨拶をした。
「ひさしぶり、カティ」
トゥーリは素っ気なく答えた。
その横でヌーッティは目を輝かせながらカティを見つめていた。
「早くヨウルプッキのところに行きたいヌー! どこにいるヌー?」
ヌーッティは落ち着かない様子でカティに尋ねた。
「あー、はいはい。ヨウルプッキね。もうすぐお昼休みだから会えるよ。事務所のほうへ案内するよ。ついて来て」
カティはくるっと向きを変えて、サンタクロース村で1番大きな建物の方へ歩き出した。
トゥーリとヌーッティはカティの後ろに続いた。
入り口のドアの前に着くと、3人は人間の出入りに混じってするりと中へ入り込む。建物の中へ入るとカティの手招きでヨウルプッキのいる部屋へと案内された。写真撮影をする人間のスタッフがちょうど出払っていた。
部屋の中央に置かれた椅子に、大柄な老年の男性が1人座っていた。くるっと癖毛の真っ白な長い髭と頭髪に、赤色を基調とした洋服を着ていた。
「ヨウルプッキ!」
カティが男性の名前を呼んで、老人のもとへ駆け寄った。
ヨウルプッキと呼ばれた男性は当たりを見渡すと、足元のカティに気が付いた。
「カティ! どうしたんだい? 君がここへ来るなんて珍しいね」
言いながらヨウルプッキは椅子から立ち上がり、屈んで足元にいるカティを腕に乗せた。
「今日は特別なゲストがいるんだよ。なんと、あのトゥーリと例のヌーッティが来てるんだ!」
カティは少し離れた場所にいるトゥーリとヌーッティを指で指し示した。
ヨウルプッキはトゥーリたちに視線を移すと、
「おお! トゥーリ! ひさしぶりじゃないか! 元気にしていたかい?」
立ち上がり、大股で歩いてトゥーリとヌーッティのところへやって来てしゃがみ込んだ。
「ふつう。今日はヌーッティのことでここへ来たの」
あまり気乗りのしない様子でトゥーリはヨウルプッキに答えた。
「ヌーッティのこと? 小熊の妖精がどうしたんだい?」
「ヌーッティはクリスマスプレゼントをヨウルプッキからもらいたいヌー! カティがトゥーリと一緒にヨウルプッキのお手伝いをすればもらえるって言ったヌー!」
トゥーリが答えるより早く、ヌーッティが事情を話した。
ヨウルプッキは長い髭を手で撫でながら困った表情をした。
「残念だが、私にはもうどうにもできないんだよ、ヌーッティ。リストはできてしまっているし、困ったなぁ」
カティがヨウルプッキの髭をちょいちょいと引っ張った。
「ヤロとイロのお手伝いをすればいいんだよ。だって、今あの2人の部署って1番忙しいんでしょ?」
カティの言葉にヨウルプッキはなるほどといった様子で頷き、ヌーッティは眉をひそめて首を傾げた。
「なにを言ってるヌー? ヌーッティたちはそんな知らない人たちのお手伝いをしに来たんじゃないヌー。ヨウルプッキのお手伝いがしたいヌー」
それを聞いたカティはけらけらと笑い、トゥーリは溜め息を吐いた。
「この小熊は知らないのかい?」
ヨウルプッキはカティに尋ねた。
「知らないよ」
カティは簡潔に答えた。
ヌーッティはトゥーリに視線を移し、
「よくわからないヌー」
困惑した面持ちでトゥーリをじっと見つめる。
トゥーリはヌーッティに目を向ける。
「あのね、ヨウルプッキは3人いるんだよ」
その言葉にヌーッティの思考はさらに混線した。
0
あなたにおすすめの小説
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
ナナの初めてのお料理
いぬぬっこ
児童書・童話
ナナは七歳の女の子。
ある日、ナナはお母さんが仕事から帰ってくるのを待っていました。
けれど、お母さんが帰ってくる前に、ナナのお腹はペコペコになってしまいました。
もう我慢できそうにありません。
だというのに、冷蔵庫の中には、すぐ食べれるものがありません。
ーーそうだ、お母さんのマネをして、自分で作ろう!
ナナは、初めて自分一人で料理をすることを決めたのでした。
これは、ある日のナナのお留守番の様子です。
かつて聖女は悪女と呼ばれていた
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「別に計算していたわけではないのよ」
この聖女、悪女よりもタチが悪い!?
悪魔の力で聖女に成り代わった悪女は、思い知ることになる。聖女がいかに優秀であったのかを――!!
聖女が華麗にざまぁします♪
※ エブリスタさんの妄コン『変身』にて、大賞をいただきました……!!✨
※ 悪女視点と聖女視点があります。
※ 表紙絵は親友の朝美智晴さまに描いていただきました♪
稀代の悪女は死してなお
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「めでたく、また首をはねられてしまったわ」
稀代の悪女は処刑されました。
しかし、彼女には思惑があるようで……?
悪女聖女物語、第2弾♪
タイトルには2通りの意味を込めましたが、他にもあるかも……?
※ イラストは、親友の朝美智晴さまに描いていただきました。
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる