44 / 48
44話 ミラーネ視点。
しおりを挟む
「アイシャ様は相変わらずで、魂は変わらないわね?頭がお花畑なのか自分のことしか見えていないのか、でも、そんなあなたが羨ましくもあるわ。あなたのことは今も昔も大っ嫌いだけどね?
シルヴァにされたことは知らないでいるのね?夢の中で見ることはなかったのかしら?それとも精霊達……?
まぁいいわ。忘れてしまえるならそれが一番だもの。過去に囚われたまま生まれ変わり何度も生きるわたしは、今度こそ処刑されればもう生き返ることはないわ。
だから安心して暮らしなさいな」
「え?」
「何を驚いているの。わたしは黒魔法に手を出してしまったのよ?もう魂まで真っ黒よ。次生まれ変わることはないわ。でも別に後悔はない。あなた達に復讐できたし、二人がわたしと言う存在を忘れなければそれでいいの。自己満足でしかないけどね?」
ーーわたしはそんないい人なんかじゃないわ。あなたを苦しめ続けたかっただけ。まあ、殿下との結婚はやめた方がいいと思うわ。
あの男は人が良さそうにしているけど、自己陶酔しやすい男だもの。
それにまたいつアイシャを簡単に裏切るかわからないだろうし。
シルヴァの時、ミランダに惑わされたのかもしれないけど死ぬまでミランダを愛し続けた男だもの。魔法の効力なんてとうに解けていたはずなの。
でも彼は一度としてアーシャのことを懐かしんだり寂しそうにしたりはしなかった。
そう正常に戻っているはずなのに、自分がしたことを後悔することもなかったわ。
男達に自分の愛する女を強姦させて殺しておいて。ミランダと幸せに生きたんだもの。
シルヴィオに愛情なんてなかったわ。苦しめて傷つけて愉しみたかっただけ。
でも結局虚しさしか残らない。
「ねぇ、もう帰ってくれないかしら?あなたと仲良しこよしをするつもりはないし、謝るつもりもないわ。ジルを奪ったアリシャ、ミネルバを不幸のどん底に陥れたアリシャ。わたしにとってはあなたは疫病神で悪魔でしかないの。あなたにとってはわたしがそうなんでしょうけどね」
アイシャはまだ何か言いたそうにしていたけど、「もう面会の時間はとっくに過ぎてるわよ!この女をさっさとわたしの目の前から消してちょうだい!」
看守を呼んでアイシャを連れて行ってもらった。
わたしは全ての身分を剥奪され、ただの平民になった。
魔法を使うこともできないし、貴族でもない。
あとは処刑されるのを待つだけ。
でももう生き返らなくてすむ。
もうあんな苦しかった思いを引き摺りながら生きなくていい。
わたしは処刑された………
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎アイシャ
ミラーネ様の死に顔は、とても穏やかで幸せそうな顔をしていたと死刑執行人が驚いていた。
青い空の下、ミラーネ様の遺体は捨て置かれていたのに何故か光輝いて見えたらしい。
誰にも引き取られることなく、誰にも悲しまれることなく処刑されたミラーネ様の体を守るように光っていた。
精霊達はミラーネ様の死をとても悲しんでいた。
共同墓地に入れられたミラーネ様はもう苦しむことなく安らかに永遠の眠りについた。
ミラーネ様……どうぞ安らかにお眠りください。
シルヴァにされたことは知らないでいるのね?夢の中で見ることはなかったのかしら?それとも精霊達……?
まぁいいわ。忘れてしまえるならそれが一番だもの。過去に囚われたまま生まれ変わり何度も生きるわたしは、今度こそ処刑されればもう生き返ることはないわ。
だから安心して暮らしなさいな」
「え?」
「何を驚いているの。わたしは黒魔法に手を出してしまったのよ?もう魂まで真っ黒よ。次生まれ変わることはないわ。でも別に後悔はない。あなた達に復讐できたし、二人がわたしと言う存在を忘れなければそれでいいの。自己満足でしかないけどね?」
ーーわたしはそんないい人なんかじゃないわ。あなたを苦しめ続けたかっただけ。まあ、殿下との結婚はやめた方がいいと思うわ。
あの男は人が良さそうにしているけど、自己陶酔しやすい男だもの。
それにまたいつアイシャを簡単に裏切るかわからないだろうし。
シルヴァの時、ミランダに惑わされたのかもしれないけど死ぬまでミランダを愛し続けた男だもの。魔法の効力なんてとうに解けていたはずなの。
でも彼は一度としてアーシャのことを懐かしんだり寂しそうにしたりはしなかった。
そう正常に戻っているはずなのに、自分がしたことを後悔することもなかったわ。
男達に自分の愛する女を強姦させて殺しておいて。ミランダと幸せに生きたんだもの。
シルヴィオに愛情なんてなかったわ。苦しめて傷つけて愉しみたかっただけ。
でも結局虚しさしか残らない。
「ねぇ、もう帰ってくれないかしら?あなたと仲良しこよしをするつもりはないし、謝るつもりもないわ。ジルを奪ったアリシャ、ミネルバを不幸のどん底に陥れたアリシャ。わたしにとってはあなたは疫病神で悪魔でしかないの。あなたにとってはわたしがそうなんでしょうけどね」
アイシャはまだ何か言いたそうにしていたけど、「もう面会の時間はとっくに過ぎてるわよ!この女をさっさとわたしの目の前から消してちょうだい!」
看守を呼んでアイシャを連れて行ってもらった。
わたしは全ての身分を剥奪され、ただの平民になった。
魔法を使うこともできないし、貴族でもない。
あとは処刑されるのを待つだけ。
でももう生き返らなくてすむ。
もうあんな苦しかった思いを引き摺りながら生きなくていい。
わたしは処刑された………
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎アイシャ
ミラーネ様の死に顔は、とても穏やかで幸せそうな顔をしていたと死刑執行人が驚いていた。
青い空の下、ミラーネ様の遺体は捨て置かれていたのに何故か光輝いて見えたらしい。
誰にも引き取られることなく、誰にも悲しまれることなく処刑されたミラーネ様の体を守るように光っていた。
精霊達はミラーネ様の死をとても悲しんでいた。
共同墓地に入れられたミラーネ様はもう苦しむことなく安らかに永遠の眠りについた。
ミラーネ様……どうぞ安らかにお眠りください。
1,102
あなたにおすすめの小説
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。
和泉鷹央
恋愛
雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。
女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。
聖女の健康が、その犠牲となっていた。
そんな生活をして十年近く。
カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。
その理由はカトリーナを救うためだという。
だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。
他の投稿サイトでも投稿しています。
ご安心を、2度とその手を求める事はありません
ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・
それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望
初恋だったお兄様から好きだと言われ失恋した私の出会いがあるまでの日
クロユキ
恋愛
隣に住む私より一つ年上のお兄さんは、優しくて肩まで伸ばした金色の髪の毛を結ぶその姿は王子様のようで私には初恋の人でもあった。
いつも学園が休みの日には、お茶をしてお喋りをして…勉強を教えてくれるお兄さんから好きだと言われて信じられない私は泣きながら喜んだ…でもその好きは恋人の好きではなかった……
誤字脱字がありますが、読んでもらえたら嬉しいです。
更新が不定期ですが、よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる