17 / 45
17 飯炊き女は先生になる3★
しおりを挟む「っあぁ、ネロ、待って待って……!」
「もう三日目だぞ。時間にして四十八時間以上は待ったことになる。そんな格好をして誘っておいて今更だろう、」
「これは陛下の趣味ですがっ!?」
「陛下じゃない、名を呼べ」
「んや、あっ、ネロ……ッ!」
「あー………良いな、とても良い。最高だ」
我が君主は嬉しそうに喉を鳴らしてオリヴィアを抱き締めるけれど、彼の性癖にクリティカルヒットしたところでそれは困るだけ。
グイグイと肉壁を押し除けながらより深みへと進んでくる暴君に恐怖を感じていたら、上にまたがるネロが短く息を吐いた。
「…………挿入った、」
「ひっ!?」
「やっとだ。あと少しで全部だから尻を上げろ」
「え…?あっ、え、んぉ……!??」
ばちゅんっと肉と肉がぶつかる音がして、オリヴィアは自分の身体の中に何かとんでもないものが蠢いていることを身をもって知った。
恐々とその持ち主を見上げる。
額から落ちた汗を拭ってネロもまたこちらを見た。
「オリヴィア……力を抜け、持ってかれそうだ」
「ど、どど、どうやって……?」
「手が掛かる先生だな」
もはや完全に今のオリヴィアに女教師の要素はカケラもないので、まだネロがその妙な設定にこだわっていることに感心した。
しかしそれも束の間の話で、おもむろに近付いてきた唇が重なると、もう何がなんだかよく分からなくなった。身体も頭も自分のものではなくなっていく感じ。
キスを落としながら、ゆっくりと抽挿を繰り返されると繋がったところから徐々に溶けていきそうだ。
知らなかった。
冷徹と呼ばれる彼は、こんな風に女に触れる。
「………っ、ネロ、」
名前を呼べばお腹の奥がぎゅっとなる。
「おい、締めるな……!」
「ごっ…ごめんなさい、わざとじゃ……ッ」
切なさを増す腹部にそろりと手を当てると、ボコッと大きな異物が浮き上がるように胎内を抉っているのが分かった。うっかり驚きの声を上げる。
「んあ、すごいっ、ネロのここに入ってる……っ、おなかの中、いっぱい………っひぁ!?」
「今のはお前が煽った」
「っあ、あ、ごめんなしゃッ……いぁ、あんっ」
「あぁー、可愛い」
大きな手がオリヴィアの双丘を寄せて乱暴に揉みしだく。
激しさを増した腰の動きに翻弄されながら、もう考え事をする余裕はなくなっていた。ネロ自身も限界が近いのか、垂れる汗を気にすることなくオリヴィアの身体を掻き抱く。
「オリヴィア……ッ、」
「んあぁっ!」
トンッと最奥を突かれてオリヴィアが絶頂した瞬間に、剛直はずるりと引き抜かれた。
呆然とする腹の上に白濁した小さな水溜りが出来ている。まだ小さく脈打つネロの分身が最後の一滴を出し切るのを見届けて、オリヴィアはベッドの上に伸びた。
(………とうとう、)
致してしまった。
契約なのだからと頭の中では理解している一方で、君主と家臣という上下関係がある手前、なんとも気不味い。一抹の期待を込めて、シーツを抱き寄せながらオリヴィアは口を開いた。
「あの、陛下は今まで使用人とこのような関係を持ったことが……」
「ない。お前だけだ」
「………なるほど」
いったい全体どうしてこうも特殊な性癖を持つ彼に気に入られてしまったのか。いや、確かに顔は良い。身体も良い。ついでに言うと慣れているのか扱い方も分かっている。いきなりバスバス勝手な挿入が始まるわけでもなければ、なんならキスまでしてくれる。
しかし、皇帝。
相手は我が君主。エーデルフィア帝国の未来を担う彼は来週には婚約者との面会を控えている。
(こうなれば私とソフィア王女は穴姉妹……!?)
そんな高貴な方と一人の男を共有することに申し訳なさを抱いたものの、婚約の話が本当であれば時期が来たらネロの方から手を引くだろうと考えた。
もともと彼が提案したことなのだ。
きっと終わりもネロから伝えられるはず。
そんな風に納得して、本日分の手当をもらうとオリヴィアは皇帝の私室を後にした。
322
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる