6 / 169
逃亡~ピタゴラスイッチ~
しおりを挟む
そんなこんなで俺のギルドに登録するための承認試験が終わったのだった。
「お疲れ様でしたーっス!」
「……こんな簡単でいいのか?」
道中予期せぬハプニングやら、草原で魔物に襲われたりやら何かしら起きてもよさそうな気もしたが、本当に何事もなく試験が終わったので不安になる。
「いいんスよ!この試験は『依頼内容を把握しているか』と『決められた指定時間以内に終わらせる意思』と『仲間がいる場合連携をうまく取れるか』の三つを見るための物っスから!」
それってごく当たり前のことなんじゃないのか?
「シューイチさんの思ってることはわかるっスよ?でもこの世の中シューイチさんの思ってる以上に、この程度のことも出来ないうすらトンカチの多いこと多いこと……」
俺の疑問を見透かしたように、受付嬢が遠い目をしながら疲れたように吐き捨てた。
まあ世の中色んな人がいるよね?うん!
「ごほん!シューイチさんが試験に行ってる間にギルドカードを作っておいたんでお渡ししちゃいますね!どうぞっス!」
「あっどうも」
受付嬢からキャッシュカードサイズのカードを受け取る。
なんかすごくツルツルスベスベしてて触り心地がいいなこれ……何でできてるんだろ?
「これで名実ともにシューイチさんはギルドの冒険者っスね!これからも世のため人の為、ひいてはのギルドの発展の為ますますのご活躍お願いいたしまっス!」
こうして俺は何事もなく……本当に何事もなく冒険者ギルドに登録を済ませることができたのだった。
あまりにも簡単すぎて、この後なにかしら帳尻合わせするかのような面倒くさい事件でも起きるのではないかと勘ぐってしまう。
ぶっちゃけると俺のその予想は見事に現実のものとなる。
「お疲れ様でした!どうですか?冒険者になった感想は?」
ギルドから宿へと向かう道すがら、エナが何やら嬉しそうに聞いてきた。
「どうですかもなにもなぁ」
全然実感が湧かないので、ウキウキしながら感想を求めてきたエナが期待するような返答をすることができない。
まあでもこれからは俺もギルドで依頼を受けて、それでお金稼ぐことができるようになったのは良いことだよな……とここまで考えてふと気が付く。
「そういやエナはいつまで付いてきてくれるんだ?」
「え?もしかして私邪魔ですか?」
邪魔なわけあるかい。
「いやそういう意味合いで言ったわけじゃなくて……ほら?エナは今まで冒険者として活動してたわけだろ?それなのに俺の世話ばっか焼いてるせいで自分の活動できなくなるんじゃないかって思ってさ」
付いてきてくれるのは物凄くありがたいし助かるんだが、俺がエナの邪魔してるんじゃないかとちょっと不安に思ってしまった。
たしかに魔物から助けたり、俺たちの事情にがっつり関わらせてしまったこともあるけども、俺的にはもうそれらの恩みたいなものは充分すぎるほど返してもらったと思ったわけで。
「そんな水臭いこと言わないでください!私とシューイチさんの仲じゃないですか!……なんて言えるほど長い時間を共に過ごしたわけじゃありませんけど、もうここまで関わってしまったんですから私の気の済むまでお付き合いさせてください」
つくづく思う、この世界にきて一番最初に出会ったのがエナで良かったな……と。
俺みたいなわけのわからん奴にここまで言ってくれるなんて……不覚にもちょっとうるっときた。
自分の高いテンションのせいでもしかしたら気が付いてなかったのかもしれないが、この世界に一人で放り込まれて思っていたよりも不安だったのかもしれないな……俺は。
「そっか……それじゃこれからもよろしく―――」
ドンッ!!
そこまで言いかけた途端、後ろから腰に衝撃が走った。
何事かと思い首を向けるもなにも見えない。
視線を下に向けていくと、肩で息をしながら青い髪の少女が俺の腰に抱き着いていた。
「たっ……たす……けて!」
あまりに急なことであっけに取られたが、なにやらこちらに向かってくる慌ただしい複数の足音で我に返る。
視線をそちらに向けると、ローブを頭からすっぽりと被った見るからに怪しい三人組が俺たちに……この少女に向けて猛接近してきていた。
(あれ絶対やばい奴だ!!)
そう思ったものの、そんな瞬間的に逃げるという選択なんて取れるはずもなく、あっという間に怪しい三人組が俺たちの前にやってきた。
それを見るなり腰にしがみ付いていた少女が、背中に隠れるように俺の後ろに回り込んだ。
「おいお前ら、そのガキをこちらに渡せ」
「素直に渡せば何もしない」
「痛い目に遭いたくないなら大人しく渡せ!」
出会い頭にいきなり失礼な連中だな。こんにちわの一言くらい言えないのか?
しかしこんな如何にも悪い奴らですみたいな連中を見ることができるなんて……さすが異世界だと変なところで感心してしまった。
変な感心をしてる俺とは反対に、少女は怯えた表情でより一層俺の腰にしがみ付く力を強くし、エナの表情には緊張が走っていた。
「こんな小さな女の子を大の大人が三人がかりで追い回すなんて、情けないなぁおい」
「つべこべ言ってんじゃねぇ!さっさとそのガキ渡せっつてんだろが!」
エナが「何で煽ってるですか!?」みたいな顔でこちらを見てくる。
「なんなの?アンタらロリコンなの?うわぁ~引くわ~」
「わけわかんねーことベラベラと!いいからそのガキをこっちに―――」
「あ――――――!!!!!!」
突然遠くを指さし叫び出した俺につられて、その場にいる全員が俺の指した方に顔を向ける。
その隙を見逃さず、俺は少女とエナの手を取り全力で走りだした。
エナはあっけに取られていたが、俺の意図に気が付いたらしく全力で走る体制に移行する。
「あっこら!待ちやがれ!!!」
逃げだした俺たちの後をワンテンポ遅れて追いかけてくる怪しい三人組。
距離は稼いだけどこれすぐに追いつかれるだろうなぁ……エナはまだいいけどこの子を連れたまま逃げ切るのはおそらく不可能だろう。
どうしたものかと思考を巡らせるも、結局今ここで取れる最善の選択肢なんて限られている。
目についたわき道に入り、入り組んだ建物の間を縫うように走り抜ける。
そうしてる間にもじりじりと三人組に距離を詰められていく。
「エナ!この子を連れて宿屋まで逃げてくれ!」
人通りが完全になくなったのを見計らいエナに告げる。
「そっそんな!?シューイチさんを置いてなんて!」
「大丈夫!むしろ一人のほうが都合がいいから!わかるだろ?」
俺がそういうとエナがはっとなり顔を赤らめる。
うん、瞬間湯沸かし器みたいだな、この世界にあるかどうか知らないけど。
「いいか?今からあのお姉ちゃんと一緒に逃げてくれ?」
「うっ……うん……!」
走りながら俺から手を離し、少女がエナの手を取りともに走り始める。
両手が開いた俺はすかさずマントの留め具を外し、後ろの三人組に向かて投げつけた。
「なっ!?てめえ!!」
「悪あがきしてんじゃねーぞ!!」
さらに逃げながらグローブを外し投げつけ、もう一つおまけにと胸当ても外し投げつけた。
胸当てが先頭を走っていた奴の顔面にヒットしたらしく、顔を抑えてうずくまる。
突然うずくまったローブの男をかわそうと無理な体制になってしまったらしく、後ろを走っていたもう一人のローブの男が盛大にすっころんだ。
さらにその転んだ男に躓き足を取られて、最後の一人も面白いようにすっころぶ。
「ピタゴラスイッチかよ」
思わず突っ込む。
妨害目的で投げつけたわけじゃなかったんだけど、思った以上の成果を得られてラッキーだった。
少し距離を取ったところで俺は立ち止まる。
突然走りを止めた俺に驚いて、エナが一瞬立ち止まるが目配せで俺の意図を伝える。
ちゃんと伝わったらしく、頷いたエナが少女を連れて建物の曲がり角に消えていった。
さて、ここからが本番だ。
「いつつ……てめえよくもやりやがったな―――」
「舐めた真似しやがって……もう許さねえぞ―――」
「覚悟はできてるんだろうな―――」
「「「―――って何脱ぎだしてんだてめーはっっっ!!!???」」」
おもむろに服を脱ぎだした俺を見て、三人組が一斉にツッコミを入れてきた。
愉快な連中だなおい。
「まあまあそう言わずに」
「なにがまあまあだ!?」
「変態か!?」
あっけに取られている連中を宥めながら、次々と服を脱いでいく。
上着を脱ぎ、そして下着ごとズボンに手をかける。
「こんなアホにかまってる暇はねえぞ」
「とにかくあのガキ捕まえないと……おいっ、こいつらは俺たちで始末しとくからお前はあの二人追いかけろ!」
「わかった!」
アホとか……つくづく失礼な連中だな。
そんなことを思いつつも、俺は無事に全裸になることに成功した。
必要なこととはいえ、やっぱり抵抗あるし恥ずかしいわこれ。
「もういい……早く行け!!」
三人組の一人がエナたちを追いかけるべく、俺を無視して横を通り抜けようとした。
「悪いけどそういうわけにはいかないんだよね」
通り抜けようとしたローブの男の肩を横から軽く押してやると、たったそれだけでローブの男が勢いよくすっ飛んで壁に激突して動かなくなった。
……死んでないよな?気絶してるだけだよな?
「なっ……!?」
「お……おい!?大丈夫か!?」
壁に突っ込んだローブの男がかろうじて立ち上がるのを見て、俺はほっと胸をなでおろす。
「てめぇ……何しやがった!?」
驚愕した表情で壁に激突したローブの男が懐から短刀を取り出し、俺に向けてくる。
それにつられるように、残りの二人も懐から武器を取り出し、一気に場に緊張が走る。
「大げさだなぁ?ちょっと肩を押し出しただけじゃんか?」
「ちょっと押しただけであんなに勢いよくすっ飛ぶわけねえだろ!?」
もっともな意見だけど、わざわざこいつらに全裸パワーのことを説明してやる義理なんてない。
思わず使ってしまった全裸パワーという単語に、脳内シエルが「ほら!やっぱり全裸パワーって言いました!」としてやったりな表情でのたまってきたが、当然ごとく無視する。
「さてと……悪いけどエナたちのところに行かせるわけにはいかないんで、ここで俺と遊んでもらうぜ?」
「お疲れ様でしたーっス!」
「……こんな簡単でいいのか?」
道中予期せぬハプニングやら、草原で魔物に襲われたりやら何かしら起きてもよさそうな気もしたが、本当に何事もなく試験が終わったので不安になる。
「いいんスよ!この試験は『依頼内容を把握しているか』と『決められた指定時間以内に終わらせる意思』と『仲間がいる場合連携をうまく取れるか』の三つを見るための物っスから!」
それってごく当たり前のことなんじゃないのか?
「シューイチさんの思ってることはわかるっスよ?でもこの世の中シューイチさんの思ってる以上に、この程度のことも出来ないうすらトンカチの多いこと多いこと……」
俺の疑問を見透かしたように、受付嬢が遠い目をしながら疲れたように吐き捨てた。
まあ世の中色んな人がいるよね?うん!
「ごほん!シューイチさんが試験に行ってる間にギルドカードを作っておいたんでお渡ししちゃいますね!どうぞっス!」
「あっどうも」
受付嬢からキャッシュカードサイズのカードを受け取る。
なんかすごくツルツルスベスベしてて触り心地がいいなこれ……何でできてるんだろ?
「これで名実ともにシューイチさんはギルドの冒険者っスね!これからも世のため人の為、ひいてはのギルドの発展の為ますますのご活躍お願いいたしまっス!」
こうして俺は何事もなく……本当に何事もなく冒険者ギルドに登録を済ませることができたのだった。
あまりにも簡単すぎて、この後なにかしら帳尻合わせするかのような面倒くさい事件でも起きるのではないかと勘ぐってしまう。
ぶっちゃけると俺のその予想は見事に現実のものとなる。
「お疲れ様でした!どうですか?冒険者になった感想は?」
ギルドから宿へと向かう道すがら、エナが何やら嬉しそうに聞いてきた。
「どうですかもなにもなぁ」
全然実感が湧かないので、ウキウキしながら感想を求めてきたエナが期待するような返答をすることができない。
まあでもこれからは俺もギルドで依頼を受けて、それでお金稼ぐことができるようになったのは良いことだよな……とここまで考えてふと気が付く。
「そういやエナはいつまで付いてきてくれるんだ?」
「え?もしかして私邪魔ですか?」
邪魔なわけあるかい。
「いやそういう意味合いで言ったわけじゃなくて……ほら?エナは今まで冒険者として活動してたわけだろ?それなのに俺の世話ばっか焼いてるせいで自分の活動できなくなるんじゃないかって思ってさ」
付いてきてくれるのは物凄くありがたいし助かるんだが、俺がエナの邪魔してるんじゃないかとちょっと不安に思ってしまった。
たしかに魔物から助けたり、俺たちの事情にがっつり関わらせてしまったこともあるけども、俺的にはもうそれらの恩みたいなものは充分すぎるほど返してもらったと思ったわけで。
「そんな水臭いこと言わないでください!私とシューイチさんの仲じゃないですか!……なんて言えるほど長い時間を共に過ごしたわけじゃありませんけど、もうここまで関わってしまったんですから私の気の済むまでお付き合いさせてください」
つくづく思う、この世界にきて一番最初に出会ったのがエナで良かったな……と。
俺みたいなわけのわからん奴にここまで言ってくれるなんて……不覚にもちょっとうるっときた。
自分の高いテンションのせいでもしかしたら気が付いてなかったのかもしれないが、この世界に一人で放り込まれて思っていたよりも不安だったのかもしれないな……俺は。
「そっか……それじゃこれからもよろしく―――」
ドンッ!!
そこまで言いかけた途端、後ろから腰に衝撃が走った。
何事かと思い首を向けるもなにも見えない。
視線を下に向けていくと、肩で息をしながら青い髪の少女が俺の腰に抱き着いていた。
「たっ……たす……けて!」
あまりに急なことであっけに取られたが、なにやらこちらに向かってくる慌ただしい複数の足音で我に返る。
視線をそちらに向けると、ローブを頭からすっぽりと被った見るからに怪しい三人組が俺たちに……この少女に向けて猛接近してきていた。
(あれ絶対やばい奴だ!!)
そう思ったものの、そんな瞬間的に逃げるという選択なんて取れるはずもなく、あっという間に怪しい三人組が俺たちの前にやってきた。
それを見るなり腰にしがみ付いていた少女が、背中に隠れるように俺の後ろに回り込んだ。
「おいお前ら、そのガキをこちらに渡せ」
「素直に渡せば何もしない」
「痛い目に遭いたくないなら大人しく渡せ!」
出会い頭にいきなり失礼な連中だな。こんにちわの一言くらい言えないのか?
しかしこんな如何にも悪い奴らですみたいな連中を見ることができるなんて……さすが異世界だと変なところで感心してしまった。
変な感心をしてる俺とは反対に、少女は怯えた表情でより一層俺の腰にしがみ付く力を強くし、エナの表情には緊張が走っていた。
「こんな小さな女の子を大の大人が三人がかりで追い回すなんて、情けないなぁおい」
「つべこべ言ってんじゃねぇ!さっさとそのガキ渡せっつてんだろが!」
エナが「何で煽ってるですか!?」みたいな顔でこちらを見てくる。
「なんなの?アンタらロリコンなの?うわぁ~引くわ~」
「わけわかんねーことベラベラと!いいからそのガキをこっちに―――」
「あ――――――!!!!!!」
突然遠くを指さし叫び出した俺につられて、その場にいる全員が俺の指した方に顔を向ける。
その隙を見逃さず、俺は少女とエナの手を取り全力で走りだした。
エナはあっけに取られていたが、俺の意図に気が付いたらしく全力で走る体制に移行する。
「あっこら!待ちやがれ!!!」
逃げだした俺たちの後をワンテンポ遅れて追いかけてくる怪しい三人組。
距離は稼いだけどこれすぐに追いつかれるだろうなぁ……エナはまだいいけどこの子を連れたまま逃げ切るのはおそらく不可能だろう。
どうしたものかと思考を巡らせるも、結局今ここで取れる最善の選択肢なんて限られている。
目についたわき道に入り、入り組んだ建物の間を縫うように走り抜ける。
そうしてる間にもじりじりと三人組に距離を詰められていく。
「エナ!この子を連れて宿屋まで逃げてくれ!」
人通りが完全になくなったのを見計らいエナに告げる。
「そっそんな!?シューイチさんを置いてなんて!」
「大丈夫!むしろ一人のほうが都合がいいから!わかるだろ?」
俺がそういうとエナがはっとなり顔を赤らめる。
うん、瞬間湯沸かし器みたいだな、この世界にあるかどうか知らないけど。
「いいか?今からあのお姉ちゃんと一緒に逃げてくれ?」
「うっ……うん……!」
走りながら俺から手を離し、少女がエナの手を取りともに走り始める。
両手が開いた俺はすかさずマントの留め具を外し、後ろの三人組に向かて投げつけた。
「なっ!?てめえ!!」
「悪あがきしてんじゃねーぞ!!」
さらに逃げながらグローブを外し投げつけ、もう一つおまけにと胸当ても外し投げつけた。
胸当てが先頭を走っていた奴の顔面にヒットしたらしく、顔を抑えてうずくまる。
突然うずくまったローブの男をかわそうと無理な体制になってしまったらしく、後ろを走っていたもう一人のローブの男が盛大にすっころんだ。
さらにその転んだ男に躓き足を取られて、最後の一人も面白いようにすっころぶ。
「ピタゴラスイッチかよ」
思わず突っ込む。
妨害目的で投げつけたわけじゃなかったんだけど、思った以上の成果を得られてラッキーだった。
少し距離を取ったところで俺は立ち止まる。
突然走りを止めた俺に驚いて、エナが一瞬立ち止まるが目配せで俺の意図を伝える。
ちゃんと伝わったらしく、頷いたエナが少女を連れて建物の曲がり角に消えていった。
さて、ここからが本番だ。
「いつつ……てめえよくもやりやがったな―――」
「舐めた真似しやがって……もう許さねえぞ―――」
「覚悟はできてるんだろうな―――」
「「「―――って何脱ぎだしてんだてめーはっっっ!!!???」」」
おもむろに服を脱ぎだした俺を見て、三人組が一斉にツッコミを入れてきた。
愉快な連中だなおい。
「まあまあそう言わずに」
「なにがまあまあだ!?」
「変態か!?」
あっけに取られている連中を宥めながら、次々と服を脱いでいく。
上着を脱ぎ、そして下着ごとズボンに手をかける。
「こんなアホにかまってる暇はねえぞ」
「とにかくあのガキ捕まえないと……おいっ、こいつらは俺たちで始末しとくからお前はあの二人追いかけろ!」
「わかった!」
アホとか……つくづく失礼な連中だな。
そんなことを思いつつも、俺は無事に全裸になることに成功した。
必要なこととはいえ、やっぱり抵抗あるし恥ずかしいわこれ。
「もういい……早く行け!!」
三人組の一人がエナたちを追いかけるべく、俺を無視して横を通り抜けようとした。
「悪いけどそういうわけにはいかないんだよね」
通り抜けようとしたローブの男の肩を横から軽く押してやると、たったそれだけでローブの男が勢いよくすっ飛んで壁に激突して動かなくなった。
……死んでないよな?気絶してるだけだよな?
「なっ……!?」
「お……おい!?大丈夫か!?」
壁に突っ込んだローブの男がかろうじて立ち上がるのを見て、俺はほっと胸をなでおろす。
「てめぇ……何しやがった!?」
驚愕した表情で壁に激突したローブの男が懐から短刀を取り出し、俺に向けてくる。
それにつられるように、残りの二人も懐から武器を取り出し、一気に場に緊張が走る。
「大げさだなぁ?ちょっと肩を押し出しただけじゃんか?」
「ちょっと押しただけであんなに勢いよくすっ飛ぶわけねえだろ!?」
もっともな意見だけど、わざわざこいつらに全裸パワーのことを説明してやる義理なんてない。
思わず使ってしまった全裸パワーという単語に、脳内シエルが「ほら!やっぱり全裸パワーって言いました!」としてやったりな表情でのたまってきたが、当然ごとく無視する。
「さてと……悪いけどエナたちのところに行かせるわけにはいかないんで、ここで俺と遊んでもらうぜ?」
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
悪役令嬢の騎士
コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。
異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。
少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。
そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。
少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる