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第一部 転生編
第17話 後衛職は模擬戦は不要ですよね?
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冒険者A 「一体どんな武器なんだよォ? 見たところ何も持っていないように見えるがァ?」
クレイ 「それは…」
ニヤリと笑うクレイ。
冒険者A 「それは…?」
クレイ 「秘密だよ」
ずっこける冒険者A。
冒険者A 「てめぇ、ふざけた野郎だなおい?」
クレイ 「冒険者はそう簡単に手の内を明かさない。そんなの常識だろう?」
『まあ、それはそうだが、実力が分からないなら合格も出せんぞ』
クレイの背後にヌッと現れた大男がそう言った。
受付嬢 「マスター、おかえりなさい、早かったですね」
ギルマス 「俺は仕事が速いんでな。え~っと、クレイ、か」
クレイの提出した書類を確認すると、ギルマスはクレイに向き直って言った。
ギルマス 「俺はここのギルドのマスター、サイモンだ。よろしくな」
クレイ 「まだよろしくは早いんじゃないか? 試験に落ちたら冒険者にはなれないんだろう?」
サイモン 「何か強力な武器を持っているそうじゃないか」
冒険者A 「ハッタリだよ、魔剣とかならまだしも、魔導具がそんな強いわけがない。模擬戦をしたくないから誤魔化そうとしてるんだろ」
そう言った冒険者をジロリと睨むサイモン。さすがに冒険者もギルマスに睨まれて少しばつが悪そうである。
サイモン 「魔剣など、特殊な武器を持っている奴は、その武器込みで実力が評価される事もある。まぁ、どんな武器なのか分からんのでは評価しようがないがな?」
クレイは肩を竦め、マジックポーチから魔導ライフルを出して見せた。
サイモン 「……妙な形の槍だな?」
実は、クレイはライフルの銃身の先に短剣を取り付けたのだ。いわゆる銃剣というものである。最悪弾切れになったときに剣を使って攻撃できるし、弱い魔物相手なら弾丸の節約になるかと考えたのだ。(弾を作るのも結構手間なのである。)それに、今のように槍と勘違いさせて油断させる効果もある。
クレイ 「槍ではない、まぁそういう使い方もできるけどな。これは弾丸を…と言っても分からんか。弓の魔導具みたいなものだと思ってくれればいい。魔導具なので矢を射出するのに弦が必要ないのさ」
サイモン 「なるほど、遠隔攻撃がメインの後衛職というわけか」
クレイ 「弓士とか、魔術士とか、近接戦闘が得意でない冒険者も居るはずだ、そういう者も試験で近接戦闘やらせるのか?」
サイモン 「そうだな、弓士などは、また違う試験の仕方をする。的を射てもらうとかな」
クレイ 「じゃぁ俺もそれで頼むよ」
冒険者A 「後衛職だってある程度近接戦闘能力は必要だろォがァ? ギルマスだっていつも言ってるじゃァねェカ?」
サイモン 「うむ、そうだな、冒険者Aのいう事も一理はある……。今回はやはり、近接戦闘の模擬戦もやってもらう事にしようか! という事で、ピカキン、お前が試験官やれ!」
クレイ 「マジかよ、そりゃないだろう…」
サイモン 「悪いが、魔力量の測定結果を見たら、試験は厳しくせざるを得ない。簡単に死なれてもこちらも困るんでな。
なに、勝てとは言わん。ハンデもつけてやる。ある程度戦える事を見せてくれればいい。いくら後衛だと言っても、魔物に攻撃されて瞬殺されてしまうレベルでは、冒険者はできんぞ?」
クレイ 「まぁそりゃあな……」
ピカキン 「ハンデってなんだよォ?」
サイモン 「ピカキンは木剣のみ、攻撃系の魔法は禁止。クレイは自分の武器を使っていいし、魔法など、何を使ってもいい。それでどうだ?」
ピカキン 「ちょっ、それは酷いんじゃないか?」
サイモン 「お前だってDランクの冒険者だろう。初心者相手に余裕で捌けないようでは引退を考えたほうがいいんじゃないか?」
ピカキン 「ぐぅ……身体強化は使っていいのか?」
サイモン 「そうだな、身体強化と防御系魔法は使ってもいい」
ピカキン 「それなら、まぁ…やってもいいかァ」
サイモン 「言っておくが相手を殺したり、回復不能な怪我をさせたりするのは禁止だぞ? 多少の怪我なら、ギルドが回復薬を出してやる」
ピカキン 「へっへっへっ、多少ね…」
クレイ 「おい、勝手に決めるなよ。俺はそんな条件じゃ受ける気はないぞ?」
サイモン 「受けないなら不合格として、冒険者登録は認めん」
クレイ 「言ったろ? 俺の武器は強い、そいつが死ぬ事になるぞ?」
サイモン 「まぁ模擬戦の前に、その武器の威力を見せてもらおうか。射的の試験だ。模擬戦をするかどうかはそれを見てから考えよう」
・
・
・
サイモンとクレイ、ピカキンと受付嬢は裏手にある訓練場に移動した。
後からパラパラと野次馬も数人入ってくる。ギルド併設の酒場で昼間から仕事もせずに酒を飲んでいた冒険者達である。
訓練場に向かいながら、クレイはちょっと失敗したと思っていた。試験があると知っていたら、それ用の武器を作ってくればよかった。今更その時間はないので、手持ちの武器で、模擬戦に使えそうな物を思い浮かべてみる。
もちろんライフルはダメだ。改良を重ね、今ではジャクリンと戦った時より遥かに強力になっている。これまでのクレイの研究成果の粋を詰め込んで作り上げたのだ。そんな物を使えば間違いなく相手を殺してしまう。
そういえば、初期の頃に作った、相手を殺さずに封じる方向の武器があった事を思い出した。(ジャクリンに通用しなかったのでその方向の開発はあまりしていなかったので、大した進歩はしていない。)だが、それらの武器が冒険者相手に通用するかどうかは分からない。ジャクリン同様、通用しない可能性も十分ある。
まぁ、まずは射的である。これは、最強の武器を使っても問題ないだろう。
それに、銃の威力を見せれば模擬戦を思いとどまってくれるかも知れないとクレイは考えた。
クレイ 「それは…」
ニヤリと笑うクレイ。
冒険者A 「それは…?」
クレイ 「秘密だよ」
ずっこける冒険者A。
冒険者A 「てめぇ、ふざけた野郎だなおい?」
クレイ 「冒険者はそう簡単に手の内を明かさない。そんなの常識だろう?」
『まあ、それはそうだが、実力が分からないなら合格も出せんぞ』
クレイの背後にヌッと現れた大男がそう言った。
受付嬢 「マスター、おかえりなさい、早かったですね」
ギルマス 「俺は仕事が速いんでな。え~っと、クレイ、か」
クレイの提出した書類を確認すると、ギルマスはクレイに向き直って言った。
ギルマス 「俺はここのギルドのマスター、サイモンだ。よろしくな」
クレイ 「まだよろしくは早いんじゃないか? 試験に落ちたら冒険者にはなれないんだろう?」
サイモン 「何か強力な武器を持っているそうじゃないか」
冒険者A 「ハッタリだよ、魔剣とかならまだしも、魔導具がそんな強いわけがない。模擬戦をしたくないから誤魔化そうとしてるんだろ」
そう言った冒険者をジロリと睨むサイモン。さすがに冒険者もギルマスに睨まれて少しばつが悪そうである。
サイモン 「魔剣など、特殊な武器を持っている奴は、その武器込みで実力が評価される事もある。まぁ、どんな武器なのか分からんのでは評価しようがないがな?」
クレイは肩を竦め、マジックポーチから魔導ライフルを出して見せた。
サイモン 「……妙な形の槍だな?」
実は、クレイはライフルの銃身の先に短剣を取り付けたのだ。いわゆる銃剣というものである。最悪弾切れになったときに剣を使って攻撃できるし、弱い魔物相手なら弾丸の節約になるかと考えたのだ。(弾を作るのも結構手間なのである。)それに、今のように槍と勘違いさせて油断させる効果もある。
クレイ 「槍ではない、まぁそういう使い方もできるけどな。これは弾丸を…と言っても分からんか。弓の魔導具みたいなものだと思ってくれればいい。魔導具なので矢を射出するのに弦が必要ないのさ」
サイモン 「なるほど、遠隔攻撃がメインの後衛職というわけか」
クレイ 「弓士とか、魔術士とか、近接戦闘が得意でない冒険者も居るはずだ、そういう者も試験で近接戦闘やらせるのか?」
サイモン 「そうだな、弓士などは、また違う試験の仕方をする。的を射てもらうとかな」
クレイ 「じゃぁ俺もそれで頼むよ」
冒険者A 「後衛職だってある程度近接戦闘能力は必要だろォがァ? ギルマスだっていつも言ってるじゃァねェカ?」
サイモン 「うむ、そうだな、冒険者Aのいう事も一理はある……。今回はやはり、近接戦闘の模擬戦もやってもらう事にしようか! という事で、ピカキン、お前が試験官やれ!」
クレイ 「マジかよ、そりゃないだろう…」
サイモン 「悪いが、魔力量の測定結果を見たら、試験は厳しくせざるを得ない。簡単に死なれてもこちらも困るんでな。
なに、勝てとは言わん。ハンデもつけてやる。ある程度戦える事を見せてくれればいい。いくら後衛だと言っても、魔物に攻撃されて瞬殺されてしまうレベルでは、冒険者はできんぞ?」
クレイ 「まぁそりゃあな……」
ピカキン 「ハンデってなんだよォ?」
サイモン 「ピカキンは木剣のみ、攻撃系の魔法は禁止。クレイは自分の武器を使っていいし、魔法など、何を使ってもいい。それでどうだ?」
ピカキン 「ちょっ、それは酷いんじゃないか?」
サイモン 「お前だってDランクの冒険者だろう。初心者相手に余裕で捌けないようでは引退を考えたほうがいいんじゃないか?」
ピカキン 「ぐぅ……身体強化は使っていいのか?」
サイモン 「そうだな、身体強化と防御系魔法は使ってもいい」
ピカキン 「それなら、まぁ…やってもいいかァ」
サイモン 「言っておくが相手を殺したり、回復不能な怪我をさせたりするのは禁止だぞ? 多少の怪我なら、ギルドが回復薬を出してやる」
ピカキン 「へっへっへっ、多少ね…」
クレイ 「おい、勝手に決めるなよ。俺はそんな条件じゃ受ける気はないぞ?」
サイモン 「受けないなら不合格として、冒険者登録は認めん」
クレイ 「言ったろ? 俺の武器は強い、そいつが死ぬ事になるぞ?」
サイモン 「まぁ模擬戦の前に、その武器の威力を見せてもらおうか。射的の試験だ。模擬戦をするかどうかはそれを見てから考えよう」
・
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サイモンとクレイ、ピカキンと受付嬢は裏手にある訓練場に移動した。
後からパラパラと野次馬も数人入ってくる。ギルド併設の酒場で昼間から仕事もせずに酒を飲んでいた冒険者達である。
訓練場に向かいながら、クレイはちょっと失敗したと思っていた。試験があると知っていたら、それ用の武器を作ってくればよかった。今更その時間はないので、手持ちの武器で、模擬戦に使えそうな物を思い浮かべてみる。
もちろんライフルはダメだ。改良を重ね、今ではジャクリンと戦った時より遥かに強力になっている。これまでのクレイの研究成果の粋を詰め込んで作り上げたのだ。そんな物を使えば間違いなく相手を殺してしまう。
そういえば、初期の頃に作った、相手を殺さずに封じる方向の武器があった事を思い出した。(ジャクリンに通用しなかったのでその方向の開発はあまりしていなかったので、大した進歩はしていない。)だが、それらの武器が冒険者相手に通用するかどうかは分からない。ジャクリン同様、通用しない可能性も十分ある。
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それに、銃の威力を見せれば模擬戦を思いとどまってくれるかも知れないとクレイは考えた。
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