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第一章 異世界転生ってやつですよね!?
午後 頑張りを聞いて欲しい
しおりを挟む自室で一人ソフィアはため息をつく。
「…いらないっていってるのに」
いるものはすべて親が買ってくれるから必要なものはない。ただ、一つ言うなれば…
「魔法が使えるようになりたい!」
魔法の練習がしたいのだ。身体中に廻る魔力の動かし方を怠った日はあの頃から一度もない。
地道な努力をやり続けてたのだ。
ソフィアは感情的になり、椅子から立ち上がり拳をにぎっていた。
端から見ると一人言をいっぱいいっているためヤバい奴と思われるような行動をしているがソフィアは気にしない。
それよりも頑張りを聞いて欲しいのだ。
魔力の廻りを探すのに半年。
魔力がぎこちなく身体中をすごーくものすごーく遅く廻るようになったので一年と半年。
魔力が身体中を廻るスムーズさ、スピードをあげて頑張ってやったのが二年と半年。
半年+一年半+二年半=四年半!
私凄くない!?忍耐力高くない!?だって初めなにも起きなかったんだよ?そこからここまできたのはすごいと思うの!
鼻息を荒くして(脳内で)解説するソフィアの頭は「すごくない!?」の自画自賛の嵐なため自分の酷い顔には気づいてないだろう。
これを見てしまったら誰も天使のように思えなくなるような顔だった。
しかし、またもやため息をつく。
魔力の扱い方に長けていたとしても魔法が使えなくては意味がない。
魔法のことや魔力のことは赤ちゃんのころぐらいしか聞いてない。その為『魔法』などと発言したらどうなるかわからない。
赤ちゃんの頃聞いたからと言えば嫌われるかもしれない。
もしもこの話題がタブーならばメイドに聞いたと言えばメイドが罰せられるかもしれない。
怖いのだ。ソフィアは嫌われるのが嫌なのだ。
ただそれ以上にメイド達が罰せられるのも嫌なのだ。
約五年をかけてメイド達と一緒におしゃべりや御菓子を食べていっぱい一緒に過ごしてきたのだ。みんなとても性格が良くてとても良い子なのだ。
私が魔力をぎこちなく廻せるようになった日に泣いてしまったらぎこちなくだが抱き締めてくれたり、涙をハンカチでふいてくれたメイドさんをそんなことにさせたくない。
はぁ、とため息をつき今日も時間が流れていく。
そんな日からなんやかんやで時は流れていき私の五歳の誕生日がやってきた。
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