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「あれぇ、また妹尾さんじゃん!」
「…え?」
スーパーの出口付近にさし掛かった所だった。
イチゴバラさんと一緒に家に行ってお手伝いしましょうかと言いかけた時、後ろから名前を呼ばれたので振り返って見た。
「…あぁ!」
「またここで買い物?
よく会うねー」
そう言って私たちの前にまで駆け寄ってきたのは、昨日もここのスーパーでバッタリ出会った元クラスメイトの同級生だ。
押してるベビーカーのサイドには、スーパーで買い物した後を物語るエコバッグがぶら下がっている。
昨日はもう1人いたのに、今日は1人みたいだ。
「てゆーか、昨夜はめっちゃ盛り上がったよ?
妹尾さんも来れば良かったのにぃ」
「えっ…あぁ、同窓会の話だね。
うん、でも昨日は仕事だったから…」
盛り上がった、かぁ。
それはさぞきっと、子どもの事やら旦那さんの事やらを、お酒を交えながら愚痴のように話したりしたんだろうなぁ。
なのに実際に見ていなくても、こうやって頭の中で鮮明にイメージできちゃうのが虚しいって言うか。
「楽しかったみたいで、よかったね」
仕方ないからとりあえずそう返してみたけど、本当、行かなくてよかったよぉ…。
「…あの、妹尾さん。
それじゃあ僕は、この辺で失礼しますね」
「えっ、あ…っ」
元クラスメイトの彼女と丁度会話が途切れた所で、イチゴバラさんはそう言ってペコリ私に頭を下げた。
「あの、ごめんなさい…っ」
「いえいえ、折角お友だちに会えたのでしょう?ゆっくりお話されたらいいですよ。
僕は、今から頑張らなきゃなので。
それじゃあ、ありがとうございました」
「あ……」
ニコリ優しい笑みを見せたイチゴバラさんは隣の彼女にも軽く会釈をすると、レジ袋を両手に抱えてスーパーの自動ドアを出て行った。
…悪い事、しちゃったかな。
却って気を遣わせちゃったのかもしれない。
「…………………っ」
ガッカリ…ではないんだけど、ちょっぴりやり残した感を感じながら、私はイチゴバラさんの背中を黙って見送ってしまった。
「…てゆーか。
妹尾さん、今の誰?
お父さんじゃないよねぇ」
「お お父…っ!?
違う違う!
えっと…ちょっとしたお知り合いなのっ」
とんだ誤解をされてしまった。
本人に聞かれなかったからよかったけど、まさか同級生にイチゴバラさんをお父さん扱いされるなんてぇ!
いくら私が年相応に見えないからって、私とイチゴバラさんが並んでたら親子に見えちゃうの??
それってなんか、ショックかも…。
「…え?」
スーパーの出口付近にさし掛かった所だった。
イチゴバラさんと一緒に家に行ってお手伝いしましょうかと言いかけた時、後ろから名前を呼ばれたので振り返って見た。
「…あぁ!」
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よく会うねー」
そう言って私たちの前にまで駆け寄ってきたのは、昨日もここのスーパーでバッタリ出会った元クラスメイトの同級生だ。
押してるベビーカーのサイドには、スーパーで買い物した後を物語るエコバッグがぶら下がっている。
昨日はもう1人いたのに、今日は1人みたいだ。
「てゆーか、昨夜はめっちゃ盛り上がったよ?
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「楽しかったみたいで、よかったね」
仕方ないからとりあえずそう返してみたけど、本当、行かなくてよかったよぉ…。
「…あの、妹尾さん。
それじゃあ僕は、この辺で失礼しますね」
「えっ、あ…っ」
元クラスメイトの彼女と丁度会話が途切れた所で、イチゴバラさんはそう言ってペコリ私に頭を下げた。
「あの、ごめんなさい…っ」
「いえいえ、折角お友だちに会えたのでしょう?ゆっくりお話されたらいいですよ。
僕は、今から頑張らなきゃなので。
それじゃあ、ありがとうございました」
「あ……」
ニコリ優しい笑みを見せたイチゴバラさんは隣の彼女にも軽く会釈をすると、レジ袋を両手に抱えてスーパーの自動ドアを出て行った。
…悪い事、しちゃったかな。
却って気を遣わせちゃったのかもしれない。
「…………………っ」
ガッカリ…ではないんだけど、ちょっぴりやり残した感を感じながら、私はイチゴバラさんの背中を黙って見送ってしまった。
「…てゆーか。
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「お お父…っ!?
違う違う!
えっと…ちょっとしたお知り合いなのっ」
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