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4.ラブロマンスとか、聞いてない
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●●●
「おはようございます」
「おはようございます~。みんな準備ありがとう、僕も手伝うよ」
旧校舎三階にある、第二アリーナ。ここが演劇部の部室となっている。部員は二七人。その全員がグループごとに分かれ、広がって練習しても余裕があるほど広く、空調設備も整っている。
開き戸を押して挨拶を投げれば、まばらに準備をし始めていた一年生や二年生が姿勢を正して元気な挨拶を返してくれた。
……やはり、どこかの生意気な猫被りとは違って演劇部の後輩たちは良い子で可愛らしい。癒し、とでも言うべきか。ここは俺にとって寮の自室に次いで、二つ目の安息の地だった。
まあ、それもあと数ヶ月で手放すことになるけど。
「あれ、部長は?」
「部長ならあちらです!」
「はーい、ありがとう」
桎月の問いにアーモンドアイが特徴的な二年生の子が答えてくれた。彼が指したのは小道具などをしまっている倉庫だ。おそらく、栄冠祭のための台本が刷れたのだろう。
マメな性格をしたあいつのことだし、早めにチェックしているに違いない。
二年の子にお礼だけ告げれば桎月のことは無視して倉庫へ向かう。
「蓮斗、ちょっといい」
ノックをして倉庫の扉を開けると、予想通り。まず目に入ったのはしゃがみこんでこちらに向けられた広い背中。新しい台本をダンボールから出し、整理していた。
「ん? ああ、絆くんか。どうした?」
「部長~、僕もいるからね」
「え、桎月くん?」
俺が桎月といることによほど驚いたのだろう。立ち上がって目を見張ったのは菓志築蓮斗。演劇部の部長で、俺とも親繋がりで交流のある、桎月以外では唯一プライベートでの付き合いがある男だ。
面倒見が良いし、何より必要以上に踏み込んでこない……こともなかった。だが、許せる距離感を察してくれるから好感を持てる。勤勉で真面目なところも評価が高い。
あと、俺より背が低いのも。こう見比べると桎月よりも少し低いらしい。体格が良いから一八〇あるように見えていたけど。
「二人してどうしたんだ?」
どこかの生意気な猫被りと違って、温かみがあり包容力を感じさせる声。一時期「お父さん」なるあだ名がついたこともあるほどだ。こちらを伺う声色にも意地悪げな色は全く混じっていない。
本当に、どこかの桎月にも見習ってほしい。
「栄冠祭のことなんだけど。ダブル主演の脚本だったじゃん。もう配役決めてると思うけど、あれ、俺と桎月で主演に立候補してもいい?」
「もちろんいい……って、桎月くんと?」
「だめ?」
「いいや、立候補は大歓迎だ。にしても驚いたな。二人に嫌がられるかなって考えたけど、できれば主演には絆くんと桎月くんをあてたいと思ってたんだ」
今度は俺が目を見開く番だった。まさか、部員の中で、それも蓮斗が俺と桎月を組ませることを良しとするなんて思ってもいなかったから。
でも、本心なのだろう。蓮斗は気が抜けたのか、安堵したと言わんばかりに大きく息を吐いた。そのうえ、どことなく浮き立った雰囲気だとか、喜色が溢れるのを抑えられていない。
蓮斗がこれほど楽しそうなのは久しぶりに見た気がする。それこそ、小学生以来か? まだ、俺が無知で阿呆だった頃にはころころと忙しなく表情を変えていた。その頃みたいで。
「えー! すごい偶然だね、ちょうど良かった。ね、絆」
蓮斗と俺の間にぬっと割って入ってきた桎月の、底がなくどこまでも闇が続くような、妙な目に見つめられぞわりと寒気が肌を這った。
……偶然。そんな言葉の割に俺を覗き込んでくる桎月の表情はいつも通り胡散臭く、動揺は感じられない。
肝が据わっているのか、はたまた予想していたのか。
今回の劇は物理的に崩壊寸前であるお菓子の国が舞台だ。
その国の孤高な王と、革命を起こした民の一人が対立の末に手を取り合い、最終的には国民が一丸となって国を建て直す夢物語。
「ふうん……。蓮斗にしては珍しい配役だね。まあ、栄冠祭だから後々立候補してくる人もいると思うけど。ねえ、桎月。役はちゃんと実力で勝ち取ってよ」
「うん、もちろん」
それが俺に与えられる役ならこなすしかない。
牽制のつもりで桎月を睨めば、返ってくるのはやはり貼り付けられた読めない笑顔だった。
●●●
「は? 聞いてないんだけど」
「まあまあ、絆。僕らならできるって。ね? 頑張ろ?」
役決めはあっさりと終わり。発声やストレッチを終えて練習に移れば、手渡された台本を読んで気分は地の底に叩きつけられた。
配役は俺がお菓子の国の高慢な王子、桎月が飄々とした平民の好青年だった。
そこまではいい。予想通りだから。問題はここから。
「ねえ、今回はラブロマンス入れないって言ってたよね? それに、王じゃなくて女王や姫ならまだ分かるけど、わざわざ王と民でやること? 入れなくたって問題ないんじゃないの」
輪になってそれぞれで台本を読み進めていく内に、嫌な予感がしたかと思えば告白シーンだとか痴話喧嘩だとかが始まった。台本の隅には「愛のパワー♡」だのとふざけた単語までメモされている。
顔が引き攣る。思わず台本を強く握れば、まだ新しく汚れのないページに深いシワが刻まれた。
「絆、そこは私から説明させて欲しい」
「そう。蓮斗自ら説明してくれるんだ」
台本から顔を上げて蓮斗を見れば焦った素振りも特になく、大きく頷かれた。ひとまず腕を組んで聞く姿勢を取る。
「まず——」
しばらく蓮斗と口論を続け、折れたのは俺だった。
「はあ……。分かった。説明どうもありがとう。与えられた役だし、理解もできた。ちゃんとやるから。桎月も、やるならふざけずちゃんと合わせて」
「もちろん。絆がエスコートしてくれるなら合わせるよ?」
「……」
無駄口ばかりの桎月は置いておいて。
蓮斗曰く、例年の栄冠祭で演じた劇を調べたところ、恋愛もののほうが来校者や生徒からの反応が良かったらしい。さらに、今年はファンタジーやラブロマンスが異常なほど好きな劇作家も来校するという。
その劇作家は、俺を贔屓している舞台監督と仲が良い人物だ。やたらとベタベタひっついてくるから俺としては好みの人間ではないけど、確かに業界でも名を馳せている有名作家の一人。彼好みのジャンルとなると見る目も厳しくなるだろうが、アピールになると考えればメリットのほうが大きいのだろう、というのも事実。
あの人、こだわりが強いくせに一度気に入れば途端に評価の目緩くなるし。
一、二年の後輩たちには演劇や芸能の道を目指している子も多い。その手助けとなれるなら、まあ、俺としては多少の無茶でもしてみたいし。
そして、何よりも。
「悔し~! 来年は絶対主役取る! 今回は技術全部盗むつもりでやんないと」
「やった~! 最後に絆先輩と恋愛ものの舞台に立てるとか嬉しすぎる、夢? ちょっとほっぺつねって!」
「身分差っていいよね~! ロマンチックで大好き」
「これ、お話でも現実でも激しく敵対してる二人だし、配役完全解釈一致っ!」
「確かに、先輩たちに近いキャラクターだから普段よりもさらにリアリティ出そうですね」
いつもより楽しげな後輩たちを見たら……まあ。蓮斗にも、恩があるし。
「よっし、それならさっそく読み合わせしようよ。絆」
可愛い後輩たちに頬を緩めていたら、ちっとも可愛くない重みが肩に乗っかってきた。
桎月は背後霊か何かの役のほうが向いてそうじゃない?
「近い。重い。離れてくれる」
「んー、ごめんごめん。ほら、始めよ? 二人が絡むところからでいい?」
「だから……! はあ、じゃあそっち行って」
遠ざけようと桎月の腹を肘で押すも、離れるどころか肩に回された腕に込められる力が増したことで諦めた。練習場所を確保するためにアリーナの前方を指して輪から抜けると、各々練習を始めたのを横目に桎月の顔を盗み見る。
やはり、何を考えているのかは分からない。「ダブル主演をやりたい」なんて願いがどんな意図から来ているのか、ひとまず脳から放り出して目を瞑る。
一つ、深呼吸をして目を開ければ大きく息を吸い込んだ。
「それじゃあ、始めるから。練習だからって足、引っ張らないで。いい?」
○
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「おはようございます~。みんな準備ありがとう、僕も手伝うよ」
旧校舎三階にある、第二アリーナ。ここが演劇部の部室となっている。部員は二七人。その全員がグループごとに分かれ、広がって練習しても余裕があるほど広く、空調設備も整っている。
開き戸を押して挨拶を投げれば、まばらに準備をし始めていた一年生や二年生が姿勢を正して元気な挨拶を返してくれた。
……やはり、どこかの生意気な猫被りとは違って演劇部の後輩たちは良い子で可愛らしい。癒し、とでも言うべきか。ここは俺にとって寮の自室に次いで、二つ目の安息の地だった。
まあ、それもあと数ヶ月で手放すことになるけど。
「あれ、部長は?」
「部長ならあちらです!」
「はーい、ありがとう」
桎月の問いにアーモンドアイが特徴的な二年生の子が答えてくれた。彼が指したのは小道具などをしまっている倉庫だ。おそらく、栄冠祭のための台本が刷れたのだろう。
マメな性格をしたあいつのことだし、早めにチェックしているに違いない。
二年の子にお礼だけ告げれば桎月のことは無視して倉庫へ向かう。
「蓮斗、ちょっといい」
ノックをして倉庫の扉を開けると、予想通り。まず目に入ったのはしゃがみこんでこちらに向けられた広い背中。新しい台本をダンボールから出し、整理していた。
「ん? ああ、絆くんか。どうした?」
「部長~、僕もいるからね」
「え、桎月くん?」
俺が桎月といることによほど驚いたのだろう。立ち上がって目を見張ったのは菓志築蓮斗。演劇部の部長で、俺とも親繋がりで交流のある、桎月以外では唯一プライベートでの付き合いがある男だ。
面倒見が良いし、何より必要以上に踏み込んでこない……こともなかった。だが、許せる距離感を察してくれるから好感を持てる。勤勉で真面目なところも評価が高い。
あと、俺より背が低いのも。こう見比べると桎月よりも少し低いらしい。体格が良いから一八〇あるように見えていたけど。
「二人してどうしたんだ?」
どこかの生意気な猫被りと違って、温かみがあり包容力を感じさせる声。一時期「お父さん」なるあだ名がついたこともあるほどだ。こちらを伺う声色にも意地悪げな色は全く混じっていない。
本当に、どこかの桎月にも見習ってほしい。
「栄冠祭のことなんだけど。ダブル主演の脚本だったじゃん。もう配役決めてると思うけど、あれ、俺と桎月で主演に立候補してもいい?」
「もちろんいい……って、桎月くんと?」
「だめ?」
「いいや、立候補は大歓迎だ。にしても驚いたな。二人に嫌がられるかなって考えたけど、できれば主演には絆くんと桎月くんをあてたいと思ってたんだ」
今度は俺が目を見開く番だった。まさか、部員の中で、それも蓮斗が俺と桎月を組ませることを良しとするなんて思ってもいなかったから。
でも、本心なのだろう。蓮斗は気が抜けたのか、安堵したと言わんばかりに大きく息を吐いた。そのうえ、どことなく浮き立った雰囲気だとか、喜色が溢れるのを抑えられていない。
蓮斗がこれほど楽しそうなのは久しぶりに見た気がする。それこそ、小学生以来か? まだ、俺が無知で阿呆だった頃にはころころと忙しなく表情を変えていた。その頃みたいで。
「えー! すごい偶然だね、ちょうど良かった。ね、絆」
蓮斗と俺の間にぬっと割って入ってきた桎月の、底がなくどこまでも闇が続くような、妙な目に見つめられぞわりと寒気が肌を這った。
……偶然。そんな言葉の割に俺を覗き込んでくる桎月の表情はいつも通り胡散臭く、動揺は感じられない。
肝が据わっているのか、はたまた予想していたのか。
今回の劇は物理的に崩壊寸前であるお菓子の国が舞台だ。
その国の孤高な王と、革命を起こした民の一人が対立の末に手を取り合い、最終的には国民が一丸となって国を建て直す夢物語。
「ふうん……。蓮斗にしては珍しい配役だね。まあ、栄冠祭だから後々立候補してくる人もいると思うけど。ねえ、桎月。役はちゃんと実力で勝ち取ってよ」
「うん、もちろん」
それが俺に与えられる役ならこなすしかない。
牽制のつもりで桎月を睨めば、返ってくるのはやはり貼り付けられた読めない笑顔だった。
●●●
「は? 聞いてないんだけど」
「まあまあ、絆。僕らならできるって。ね? 頑張ろ?」
役決めはあっさりと終わり。発声やストレッチを終えて練習に移れば、手渡された台本を読んで気分は地の底に叩きつけられた。
配役は俺がお菓子の国の高慢な王子、桎月が飄々とした平民の好青年だった。
そこまではいい。予想通りだから。問題はここから。
「ねえ、今回はラブロマンス入れないって言ってたよね? それに、王じゃなくて女王や姫ならまだ分かるけど、わざわざ王と民でやること? 入れなくたって問題ないんじゃないの」
輪になってそれぞれで台本を読み進めていく内に、嫌な予感がしたかと思えば告白シーンだとか痴話喧嘩だとかが始まった。台本の隅には「愛のパワー♡」だのとふざけた単語までメモされている。
顔が引き攣る。思わず台本を強く握れば、まだ新しく汚れのないページに深いシワが刻まれた。
「絆、そこは私から説明させて欲しい」
「そう。蓮斗自ら説明してくれるんだ」
台本から顔を上げて蓮斗を見れば焦った素振りも特になく、大きく頷かれた。ひとまず腕を組んで聞く姿勢を取る。
「まず——」
しばらく蓮斗と口論を続け、折れたのは俺だった。
「はあ……。分かった。説明どうもありがとう。与えられた役だし、理解もできた。ちゃんとやるから。桎月も、やるならふざけずちゃんと合わせて」
「もちろん。絆がエスコートしてくれるなら合わせるよ?」
「……」
無駄口ばかりの桎月は置いておいて。
蓮斗曰く、例年の栄冠祭で演じた劇を調べたところ、恋愛もののほうが来校者や生徒からの反応が良かったらしい。さらに、今年はファンタジーやラブロマンスが異常なほど好きな劇作家も来校するという。
その劇作家は、俺を贔屓している舞台監督と仲が良い人物だ。やたらとベタベタひっついてくるから俺としては好みの人間ではないけど、確かに業界でも名を馳せている有名作家の一人。彼好みのジャンルとなると見る目も厳しくなるだろうが、アピールになると考えればメリットのほうが大きいのだろう、というのも事実。
あの人、こだわりが強いくせに一度気に入れば途端に評価の目緩くなるし。
一、二年の後輩たちには演劇や芸能の道を目指している子も多い。その手助けとなれるなら、まあ、俺としては多少の無茶でもしてみたいし。
そして、何よりも。
「悔し~! 来年は絶対主役取る! 今回は技術全部盗むつもりでやんないと」
「やった~! 最後に絆先輩と恋愛ものの舞台に立てるとか嬉しすぎる、夢? ちょっとほっぺつねって!」
「身分差っていいよね~! ロマンチックで大好き」
「これ、お話でも現実でも激しく敵対してる二人だし、配役完全解釈一致っ!」
「確かに、先輩たちに近いキャラクターだから普段よりもさらにリアリティ出そうですね」
いつもより楽しげな後輩たちを見たら……まあ。蓮斗にも、恩があるし。
「よっし、それならさっそく読み合わせしようよ。絆」
可愛い後輩たちに頬を緩めていたら、ちっとも可愛くない重みが肩に乗っかってきた。
桎月は背後霊か何かの役のほうが向いてそうじゃない?
「近い。重い。離れてくれる」
「んー、ごめんごめん。ほら、始めよ? 二人が絡むところからでいい?」
「だから……! はあ、じゃあそっち行って」
遠ざけようと桎月の腹を肘で押すも、離れるどころか肩に回された腕に込められる力が増したことで諦めた。練習場所を確保するためにアリーナの前方を指して輪から抜けると、各々練習を始めたのを横目に桎月の顔を盗み見る。
やはり、何を考えているのかは分からない。「ダブル主演をやりたい」なんて願いがどんな意図から来ているのか、ひとまず脳から放り出して目を瞑る。
一つ、深呼吸をして目を開ければ大きく息を吸い込んだ。
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