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34.口でってどういう意味…?

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  チュ…ピチャ……

「ふ…んっ……」

  声が漏れてしまう。

  キスをされながら、ブラ越しに両手で胸を揉まれる。
  
  浅井さんが興奮しているのが分かる。
  鼻息が顔にかかるからだ。

  初日の嫌悪感は無いものの、恐い感情だけは消えない。
  
「あ……」
「あんまり声、出しちゃダメだよ」

  ブラウスを完全に引き上げられた所でブラがずらされて、頂が露わになる。

  それを彼はまじまじと見つめて荒く口にした後、片方の胸を吸い始めた。
  
「っ……!」

  まるで、母親にでもなった気分だ。
  もう片方を揉まれつつも、強く吸われる痛みに耐える。

  ジンジンと痛むそれを、彼はペロペロと舐めた。
  熱い吐息が、身体に何度も吹きかけられる。

  これが終わったら、最後までシてしまうのだろうか?

  この、誰もいない空き教室で。

  茜色だった夕焼けはいつの間にか紅に染まり、心にも冷静さが落ち始める。

  痛みだったものは段々と快感に変わる。
  その状況を淡々と客観視できるほど、頭が冷え切っていた。

  彼の両手が私の両手を繋ぐ。

  胸に顔を埋める彼を、ただ見下ろした。

  私は、彼を好きでは無い。

  子作りの相手に、選んだだけだ。

  それが正しい答え。
  ただのように、彼に任せて、セックスをして、妊娠させてもらう。

  気持ち良さとか、そういうものは、元々関係無かった。
  必要じゃ無かった。

  私は、気持ちいい“セックス”を望んでいたんじゃない。

  今のような、を求めていたんだ。

  根本からして、間違えてしまった。
  シンさんのセックスが、あまりにも良すぎて。

  私は、欲張りになってしまった。

「はぁはぁ…結奈ちゃん」
「ん……」
 
  キスされる。

  ネチョ、っと、口の中に昨日のような感覚が襲って、ゾワゾワと背中を寒気が走った。

  彼の手が腰に回って、グッと引き寄せられれば、ズボン越しに彼の硬いものが股にぶつかり、ゆるゆるとした動きで前後に揺れる。

  恐い。

  でも大丈夫。
  今日は、逃げない。

  彼の求めることをしてあげよう。

  それで私が彼に許されるなら。

  交尾をして、それで、終わり。

  別れ話は、それからだ。

「結奈ちゃん…」

  視線を合わせながらも、カチャカチャ、とベルトを外す音が聞こえる。
  手早くズボンを下ろした彼は、既に色気に満ちている。

  もう、入れれば終わりなんだ。

  彼が満たされ、私も条件をクリアすれば…

「結奈ちゃん…触って?」
「え……っ?」

  手を移動させられたと思えば、硬く熱い何かに触れた。

  これは、何?

「俺の、もうこんなに硬くなっちゃった」

  握らされたそれは、今まで触ったことのない、生き物の部位だった。
  部分的に柔らかく、それでいて芯がカチカチに固まっていて、手のひらに触れると脈を打つのも伝わってくる。
 
  これを握って、どうすればいいの…?

  そう思っていると、彼は私の肩を床に落とすように抑えた。

結奈ちゃん」
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