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35.見たことない男の人の身体の一部

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  口で、……?
  どういう意味?
  どうやって…っ!

  訳もわからず屈まされると、目の前に赤黒い何かがそびえ立っていた。

  見たことない形。
  それが彼の股間から伸びている。

  これが男の人の性器。

  ダヴィデ像の写真でくらい見たことがあるが、それとはまた形状が異なっているように感じた。
  何より、あれは真っ白だが、これには酷くグロテスクな色がついているのだ。

  ただでさえ周りが紅いからか、やけに生々しく、まるでエイリアンの襲撃に遭ったかのような衝撃だった。
  お風呂場で男性が腰にタオルを巻くのがマナーだと聞いたことがあるが、理由が分かった気すらしてくる。

  肌の色に対してこれは、内臓に近いのではないだろうか?

  これを、どうしろというのだろう?

「…口に咥えて?」

  痺れを切らしたらしい彼は、私の頭を掴んで口元にそれを近づけた。

  油断した私はそのままそれを唇に触れさせたが、言われたままに口を開く。

  それでも、大き過ぎて、入りきらず、先端に触れただけだった。
  無意識に呼吸してしまい、後悔する。
  凄く…汚れたトイレのような臭いがする。

「歯を立てないように、大きく開けて」
「んぐっ…!」

  顎を割るように、隙間にねじ込むように、強く押され、抵抗出来ぬまま口を開かされる。

  大きなソレが喉の奥まで突き刺さる。

  思わず、頭を掴む彼の手を掴んだ。

「そう…いい子だね」

  彼は私の心境を知ってか知らずか、頭をサワサワと撫でた。

  器官を塞がれて、息ができない。
  それでも逃してくれるわけがない。
  自然と目に涙が溜まる。

「このまま口の中を出し入れして?
こういう感じで」
「むっ…んん……っ」

  両手で頭を挟まれ、引き抜かれ、また奥まで挿し込まれる。
  それを何度か繰り返されて、頭がクラクラすると共に、押し込まれる苦しさから解放されたいが為に、彼の手に頼らずとも自分から頭を動かした。

「そうそう、上手だね…はぁ…気持ちい」

  彼の手が、私の髪を撫で、耳にかける。
  無理矢理やらされるよりは苦しくないけど…これをいつまでやればいいのだろうか?

  口の中の唾液がグチュグチュと音を立てて、気持ちが悪い。

「舌を使って、先っぽも舐めて?」
「ん……」

  また両手で引き抜かされ、舐めろと動作を促される。
  アイスを舐めるようにペロペロと舌を出すと、先端から白い汁が出てきた。

  それをまた舐め取ると、少し苦く、そしてしょっぱい。

  これは、何なのだろう?
  この行為は、なんなのだろう?

  シンさんと昨日シた時は、こんなことしなかった。
  こんな行為、要求されなかった。

  思えば、シンさんは始めから、ライトを暗くしていた。
  裸で覆い被さっていたのに、こういうものに触れなかった。

  あれは、コレを見せない為だったのだろうか?

  あの時の萎えるから、とは、そういう意味も込められてたのだろうか?
  
  恐がる私に、不安を与えない為だったのだろうか?

  なんで気づけなかったんだろう?
  
  シンさんはずっと……

 
  ピコン……

  音がして、口に含んだままハッと顔を上げた。
  赤ランプのついたケータイが、浅井さんと共にこちらを見ていた。

「いいよこのまま、続けて?」
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