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第三章 魔力無し転生者はランクを上げていく

第六十五話 あれからのスヴェルニ王国 ①

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 時は遡り、公暦1327年1月8日月曜日12時20分。
 私の名前はフェリシティー・バルボア。
 ブラック・ハウンドの事件以来約1ヶ月ぶりに学び舎であるスヴェルニ学園に戻ってきました。
 もしもあの時、ジンさんに助けていただけなければ一生戻ってこれなかったかもしれません。戻って来れたとしてもこんなに早く学園に通う事は叶わなかったかもしれません。これも全てジンさんたちのおかげです。本当にありがとうございます。
 そんな感謝の気持ちを胸に私はエミリーたちと一緒に食堂で昼食を取っていた。

「またフェリと一緒にご飯が食べれるなんて幸せだな」
「私もですよ」
 私の右隣で嬉しそうに言いながら食事をするエミリーに同じ気持ちだと伝えた。
 現在この場にはいつものメンバーが集まっていて、私、エミリー、レオリオ君、ジュリアスさんの4人が居ます。
 約4カ月前まではここにもう1人――ジンさんがいましたが今はいませんが、仲良く元気に過ごしています。それでもジンさんが居た時に比べればやはり空気が暗くなった感じがします。

「ほんと無事で良かったぜ。冬休み前に急に学園に来なくなったから風邪で休んでるのかと思ったけどよ、まさかあんな犯罪組織連中に目を付けられていたなんてな」
「本当だよ!なのに事情説明どころか一切連絡もしないなんて!」
「それは仕方がないだろう。命を狙われてるんだ。大切な友人を巻き込むわけにはいかない」
 どうにかしてエミリーを弁解しようと考えている私の代わりにジュリアスさんが説明してくれる。

「そ、それはそうだけど……でも連絡もしないのは納得いかないな」
「敵に盗聴されている恐れがありましたから、全てが解決するまでは連絡出来なかったんです。ごめんさい」
「そう言う事なら仕方がないよね……」
 どうにか納得してくれた事に私は安堵しつつ食事を続ける。

「そうだな。それにしても俺たちのチームは事件に巻き込まれる奴が多いよな」
 ふと気が付いたようにレオリオ君がメインのステーキを飲み込んでから喋り始める。

「確かにそうだね。ジュリアス君にフェリでしょ。そしてやはり一番はジンだね!」
 レオリオ君の言葉を聞いて納得したエミリーは指を折りながら事件に巻き込まれた人物を数える。
 しかしエミリーはジンさんの名前を出してしまった!と言う表情をする。レオリオ君も額に手を当ててやってしまった。と言う仕草をしています。
 現在、私たちの間ではジンさんの名前を出す事は禁句では無いですが、出来るだけ避けるようにしています。
 理由は簡単です。

「ジン……そうだ、忘れていた。国外追放されてから一度も連絡を寄越さないとは何を考えているんだ、アイツは!」
 私の対面に座るジュリアスさんは、ジンさんの名前を聞くと怒り出してしまうんです。
 3ヵ月ほど前までは落ち込んでいましたが、今では元気になって強くなるために頑張っています。ですがやはりジンさんの名前を聞くと色々と思い出してしまうのか、憤りとして出てしまうんです。

「フェリシティーの時は事件で仕方が無かったとは言え、アイツはいつでも連絡出来るだろうにいったい何をしてるんだ!」
 憤慨しながらも食事を続けるジュリアスさん。正直今のジュリアスさんに話ても大丈夫なのか不安でしかありませんが、仕方がないですよね。
 私はタイミングを見計らって喋る事にしました。

「ジンさんなら元気に過ごしていましたよ」
「え?もしかしてジンに会ったの!?」
「それは本当か!?」
 私のセリフに反応したエミリアとジュリアスさんが席を立って迫って来る。

「え、ええ……会いましたよ。今ジンさんはベルヘンス帝国で冒険者として活動してますよ」
「マジで!ジンの奴もう冒険者として活動してるのかよ!」
 レオリオ君は冒険者として活動していると知って驚きを隠せないのか問い返してきましたので、「はい」と肯定の言葉を答えました。

「その話私たちにも詳しく聞かせてくれないかしら?」
 ジンさんの話をしていると話題に介入してくる声が聞こえて来る。
 聞き覚えのある声の方へ視線を向けるとトレーを手にしたイザベラ様が立っており、その後ろにはロイド様やアンドレア様、オスカー様と言った五芒星ペンタグラムのメンバーが勢ぞろいしていた。
 各学校の体表たちが集まって行われた武闘大会団体戦で見事優勝を手にしたチームが今私たちの前に居る事に思わず目を見開いてしまう。
 ジンさんのお陰で接点が無ければもっと驚いていたでしょう。

「構わないかしら?」
 私たちが驚いているあまり返事をしなかったため、イザベラ様は再度尋ねて来た。

「あ、はい!どうぞ!」
 慌ててエミリーが許可を出す。
 その言葉に「ありがとう」と一言呟いたイザベラ様たちは空いていた私たちの隣の席に座る。まさかジンさんが居なくなってからこうして一緒に食事をする事になるとは思ってもいませんでした。

「それにしてもまたこうして貴方達と一緒に食事が出来て嬉しいわ」
「お、俺たちもです!」
 笑顔でそう言って下さるイザベラ様の言葉にレオリオさんが緊張した声音で返事をする。完全に呑まれてますね。ジンさんが居た時はジンさんが私たちの代表として話して下さっていましたし、空気を和ませて下さっていたのでさほど緊張はしませんでしたが、今はジンさんはいませんしなにより久しぶり過ぎて耐性が弱まっていますね。

「ありがとう。それでジンの話が聞こえて来たのだけど、本当なのかしら?」
 イザベラ様は早速ジンさんの話を持ち出して来る。その話題を耳にしたからこうして私たちに話しかけて来たわけですから。
 ですが、何故か不愉快に感じる私が居ます。きっとこれは嫉妬なのでしょう。
 勿論表に出す事なく私はイザベラ様の話に答える。

「はい、ジンさんは冒険者として活動されてますよ」
「そう、良かったわ。てっきり仕事もせずに自堕落な生活を送っているのではないかと少し不安に感じていたから」
『ああ~』
 そんなイザベラ様の言葉に全員が納得の声を漏らす。
 私としては助けて下さった恩人ですから否定したいところですが、これは常日頃の行いの問題ですから否定しきれませんね。
 私は話しかけられた時に感じていた疑問を質問する事にしました。

「私はてっきりイザベラ様はジンさんの現状を知っていると思っていました」
「あ、俺もそう思っていました」
 そんな私の質問にレオリオ君も同じ考えだったのか答えて来る。

「そんな事無いわ。きっと貴方達よりも知らないわよ。ジンがこの国を出てからは武闘大会の準備で忙しかったし、その後も遠征訓練とか色々あったから」
 そうでした。確か友人が言ってましたね。軍務科は2学期に入るとその殆どを学園の外で過ごす。武闘大会がある年は始まるのが遅くなり、武闘大会が無い年よりも厳しい訓練になると教えて貰った事がある。
 ですからここ最近、食堂に来ても軍務科の生徒の姿を見なかったわけですから。

「だけどイザベラ様なら公爵家からなんらかの情報が入っているとばかり」
「年度末に近づくほどお父様たちは仕事が増えるから、迷惑は掛けられないわ」
 領地をお持ちの公爵家なら民たちから集めた税金の確認など様々な仕事がある。ましてや年の終わりも近づいている時期となれば多忙になるのは頷けますね。私は貴族ではありませんから詳しくは知りませんが、年明けには王宮でパーティーも開かれると聞いた事があります。それに間に合うようにしなければならないとなれば大変なのでしょう。

「それにジンに連絡しても全然返信が無いから知りたくても知れないしね」
「まったくだ!」
 若干額に青筋が見えるイザベラ様の言葉に同じ気持ちだったジュリアスさんが頷きながら同意の言葉を口にしていました。

「その事に関してなのですが、どうやらジンさんは依頼の最中にスマホを壊してしまったらしくて、新しいのを買ったらしいんですが、その際電話番号も変える必要があったそうなんです」
「だとしても『レイン』で連絡は出来る筈よね?」
「ログインしようと思ったそうなんですが、IDとパスワードを忘れてしまったらしいんです。引継ぎしようとも考えたそうなんですが、どうやら壊れた際にデータも飛んでしまったらしく連絡出来なかったそうなんです」
 空港で問い詰めた際、申し訳なさそうに答えたジンさんの言葉をそのままイザベラ様たちに伝える。
 だけどイザベラ様には教えたくなかったと思っている私が居る事は勿論黙っている事にします。

「そうだったのね。それなら仕方がないわ」
「ま、仕事の事故なら仕方が無いな」
 2人は私の話を訊いて怒りを収める。その姿に私を含め全員が胸を撫でおろす。良かったわ。この2人が怒ると止められる人間なんてこの場には居ないもの。

「だけどよ、ジンはどうやって冒険者になったんだ?」
 空気が落ち着いた瞬間を見計らってレオリオ君が質問してくる。

「きっと冒険者資格試験を受けたんでしょうね」
 そんな質問に答えのはイザベラ様だった。まさかイザベラ様が答えてくれるとは思っていなかったのかレオリオ君は質問した際の口調に驚きと不安を感じてしまっているのでしょう、オドオドしていた。
 だけどイザベラ様は気にする様子も無く話し続ける。

「きっとジンはその事で私に怒っているでしょうね。初めて会った時から成人していたジンなら直ぐに試験を受ける事が出来たのに、その事を教えずに学園に編入させたんだから」
 きっとジンさんなら怒りはしないでしょうけど、間違いなく愚痴っているでしょうね。その時のジンさんを容易に想像できてしまい私たち全員は苦笑いを浮かべていました。

「だけどそうなると1つ疑問が残るのよね。冒険者試験を受けるにはBランク以上の冒険者か男爵以上の爵位を持つ者2名の推薦状が無ければ請ける事が出来ないの。スヴェルニ王国この国に居た時なら推薦状を手に入れる事は難しくなかったでしょうけど」
「確かにイザベラ様の言う通りです。知り合いの居ない初めて訪れた国で推薦状を手に入れる事は至難です。それをどうやって……」
 ロイド様も同じ考えらしく顎に手を当てて考え込みながら答えていた。
 確かにジンさんは他国でも僅かな人の間でならば知っている人は居る有名人です。ですがそれはあの事件で話題になったのであって、ジンさんの実力に関してではありません。もしかしたらジンさんの名前を知って調べたかたも居るかもしれませんが。
 それにジンさんの実力を知っている人が居たとしてもそれはスヴェルニ王国この国の人が殆どでしょう。武闘大会本戦と言った他国でも有名な行事で功績を残したならともかく、学園の代表決定戦程度では知っているのは国内の冒険者や貴族だけでしょうから。イザベラ様や送り人であるオスカー様に勝ったからと言って他国の人たちが知るにはあまりにも知名度が低い。もしかしたらイザベラ様たちに勝った事すら知らない可能性がありますから。
 ですがそこまで考える必要は無いと思いますよ。

「私が思うにきっとジンさんがまた誰かと仲良くなったからではないですか?」
『仲良く?』
 そんな私の言葉に全員が疑問符を浮かべて聞き返して来る。

「だが、それだけで推薦状を貰えるはずがない。推薦状は言わばこの者なら合格できると信頼できる人物だと言う証明に他ならない。それはつまり推薦状を書いた人物の人を見る目があるかどうかも周囲に知られてしまうと言う事なのだからな」
 ロイド様に言っている事は正し。それは私だけでなくこの場に居る全員が同じ意見だと言う顔をしていた。

「それにどれだけ信頼されようとも初めての土地に知り合いが居るはずがない。そんな場所でどうやって推薦状を書いてくれる人物と知り合ったと言うのだ」
 確かにその問題もある。
 今考えて直してみたら確かに疑問しか感じない不思議だらけの事です。

「確かに疑問だらけの事です。ですがジンさんなら推薦状を掛けるだけの冒険者、もしくは爵位を持つ人物と知り合い信頼されるだけの何かを成し遂げても不思議ではないと思います」
「だが、そんな偶然あるわけが――」
「そうね。ジンならありそうね。それも推薦状を書いてくれる人物との出会いとその人物に信頼されるきっかけを一度に手にしてしまいそうね」
「イザベラ様まで」
 ロイド様の反論を遮るようにイザベラ様が納得したように笑みを零して答えて下さる。その言葉に呆れながら肩を落とすロイド様。
 だけどジンさんの事をよく知る人たちなら、改めて考えれば納得できる事です。なんせジンさんは自分勝手な人です。けれど、その自分勝手な行いの大半は誰かを助けるためなのですから。

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