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『猟奇的、美形兄は』

10:弟、驚愕につき【R】

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 兄はショックから立ち直り、ジーンズとパンツを分離させた。
 兄は向こうを向いているので、とりあえず股間は見ずに済む、爆笑から逃れられる。愛都はそんなことを思っていたが甘かった。

──ちょっ……。

 愛都は兄のパンツのバックプリントに吹きそうになる。兄の真っ赤なスーパービキニのバックプリントには、『男は ”股間が命! 原始人”』と書いてある。
 またしても切るところ間違ってるよね?! とツッコミそうになった。

──あれじゃあ、原始人は股間が命みたいになってるけど。
 あの会社は下着部門もあるのか。

 愛都は爆笑しそうなのを耐え、兄に質問を試みた。
「お兄ちゃん、その素敵なパンツどこで買ったの?」
「ん?! まなも欲しいのか? インターネット販売だ。しかし、まなにはスケスケおパンティ以外、買うのを禁じている」
 いつの間に禁じられたのか分からないが、(株)原始人はインターネット販売もしているらしい。
(原始人は売っていない。非常にややこしい店名だ)

「買わないけど、ホームページ見たいな」
 可愛くおねだりをすると兄は、意気揚々とPCを立ち上げたのだが……。
 PC壁紙が、スケスケおパンティを履いた愛都の股間のドアップであった。愛都ほびっくりして、ひっくり返りそうになる。
「お兄ちゃん!なんなのその壁紙」
と抗議するも、
「一番のお気に入りだ」
とドヤ顔をされる。
 天然もここまでくると、ただのキチガイだ。

「ちょっと、何このファイル」
「まなコレクションだが?」

 ファイル名が酷い。
 ”ちょっとエッチな、まな”
 ”だいぶエッチな、まな”
 ”そこそこ際どい、まな”
 ”エッチ過ぎる、まな”
 ”鼻血レベルのまな”

 とワケのわからないファイル名がずらりと並んでいる。どうせロクでもない内容に決まっていると、ファイルをクリックすると……。
「おおっと、それは。まなのピンクのアナルファイルだ……ごふっ」
 兄のあまりの変態具合に、愛都は無言で兄のお尻を蹴り上げたのだった。

「まったく、お兄ちゃんは変態なんだから」
「消さないぞ! 永久保存するんだから」
と兄はPCにしがみついていた。
「別にいいけど、流出させないでよね」
 愛都は兄が大好きなので仕方なく折れる。
「ひゃっふう」
 狂喜乱舞する兄に少し引き気味だが。

 愛都は兄を無視して”原始人”のホームページにアクセスした。かなり手広く展開しているようだ。主に外食系。やはり、男性モノの下着は異色のようだ。いや、受け狙いかも知れないが。
「まなのおパンティは、ほらいっぱいあるよ」
「うん?」
 何気なく兄を見上げてギョッとした。紙袋いっぱいにピンクのスケスケおパンティが入っている。毎日変えても数年分はありそうだ。
「なんでこんなにあるの?」
「そんなの破く為に決まってるだろ? おパンティは破く為にこの世に存在しているんだ! ああ、まなのおパンティ食い破りたいいいいいい!」

 また兄がトチ狂ったことを言い始めたと、愛都は額を押さえる。
「まな! おパンティを履こう」
「いや、履いてるし一枚」
「何枚でもあるぞ」
「そういう問題じゃないし」
「おパンティいいいいい!」
 兄が愛都へおパンティをグリグリと押し付け発狂寸前だったので、仕方なく受け取るとズボンを脱ぎ始めたのだが。何故か正座をし、至近距離で兄がじっと愛都の股間を見つめている。しかもスマホを構えて。

「なにしてるの?」
「愛都のお×××んが見られるというので、シャッターチャンスを狙ってる」
「……」
脱ぎ辛いと、後ろを向くが。
「まなの蕾ちゃん」
 どっちを向いても愛都は狙われていた。
「はやくう!」
「やかましい!」
「ごふッ」
 愛都ほきゃっきゃっ煩い兄に、おパンティで往復ビンタをかます。
「おパンティ天国ぅ」
 兄はまったく懲りてはいなかった。


「どうしよう! まな」
 兄は興奮冷めやらぬという感じで愛都に話しかけてくるが、どうせマトモな話ではない。
「まなの、お×××ん写メがいっぱい!」
「捕まらないようにね」
 もう、どう返していいのかさえ分からない。
「俺、スケスケおパンティに埋もれて、まなのお尻に踏みつけられたい!」

──また、キチガイじみたことを……。

「どう思う?!」
 どうもこうもない。ただのキチガイだ。
「人生一回やり直した方がいいと思う」
「えー? 何回繰り返しても、まなにずっきゅんラブだよ?」
「う、うん」
 有り難いのか、有り難くないのかイマイチ分かりかねた。
「ああ、最高だ」
 兄は立っている愛都の足に縋りつき、股間にスリスリしている。頬ずりする度、スケスケおパンティの中のお×××んが右に左に動く。フニフニと。
そのうち兄は愛都のおたまたまを手の平でさすさすし始めた。ドサクサにまぎれてエッチなことをする気のようだ。

「まなのお×××ん、よおく見えるよ」
 透けているから当然である。言っている事はただの変態だが。
「ちょっと、おパンティ引きちぎっていいよね?」
「え」
「おパンティいいいいいいいいい!」
「ちょっ! まッ」
「はあ、はあ、はあ」
 兄は奇声をあげ、呼吸を整えた。変わった整え方である。

「ベットで四つんばいになって、まな」
「あ、いや……今そんな気分じゃ……どっちかというと、気分は正座みたいな?」
「正座じゃ、おパンティ食い破れないでしょ!」
 食い破られたくないという選択肢はないのだろうか?
「お兄ちゃんは、脱童貞したからワイルドにいこうと思うんだ」
「やッ!充分ワイルドでカッコいいよ?」
 愛都は身の危険を感じて、可愛く両手を合わせ首を傾げた。後ずさりながら。

「まなああああああ!」
「ひいいいいい!」
「おパンティ食い破らないなんて! 童貞と変わらないだろ!」
(いや、食い破る人はそうそういない)

「おパンティいいいいいっ!」
「ぎゃあああああ!」
 ベットに乗り上げた愛都は望まずべくして、四つんばいに。
「あっ」
 おパンティは計画通り食い破られた。
「ん! イイ眺め」
「ちょっ」
「ピンクの蕾ちゃん丸見え」
 勝手に食い破っておいて、丸見えもクソもない。

「これは舐めていいってことだよね?」
「え?!」
 どんな思考回路をしていたらお、パンティを食い破ったあげく舐め舐めするということになるのか。バックプリントには”股間が命、原始人”と書かれた、パンツ一丁のおたまたまのはみ出た男に、変態プレイを強いられるはめになるとは。世も末である。
「あああッ」
「もう、声でちゃってる」
 兄は嬉しそうに、愛都の蕾を舐め始めた。

──部屋着に着替えるんじゃなかったのおお?!
 でも、きもちい……。

「んんッ」
「まなのここ感じやすいね」
「んッ」
 四つんばいのため腿の間から兄の様子が見え、ぎょっとした。
 兄のお×××んはすでにフランスパンだった。興奮マックス。完全にスーパービキニの上部から”こんにちは!”している。おたまたまは、はみ出ているわ、フランスパンは発射寸前だわでパンツはピチピチだ。

「俺、子種が飛び出したいって言ってるんだよね」
「んんッ」

──ソウ、ミタイダネ。
 僕ニモワカルヨ!

「だから俺のビックマグナムをここに入れようと思うんだ」
「ひあッ」
「まな、ここに入れられるの大好きでしょ?」
 兄はジェルをたっぷりつけた指を挿入してくる。愛都は突然の刺激に胸を反らせた。
「どんな体位ががいいの? 選ばせてあげるよ。ほら、脱童貞したから男の余裕あるしさ」
 それを言うなら”大人の余裕”だ。ツッコミたいがそれどころではない。むしろ突っ込まれる寸前だ。
「考える余裕ないから……三択にしてぇ!」
(おいおい)
 ムードもへったくれもない。
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