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『猟奇的、美形兄は』

11:兄、野獣につき【R】

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「んッ…んッ」
「もう、最高!」
「ちょっ…」
「あー早くいれたい」
 兄は、むちゅむちゅぺろぺろ愛都の蕾を舐めながら大興奮だ。
「はやくぅ!」
「え?いれる?」

 兄はすっかり忘れているようである。
「そうじゃなくてえ」
「まずは解さないとな」
 ハッとした兄がジェルをてんこ盛り指に垂ら、し蕾へ挿入する。あまりにてんこ盛りだった為、入り口ですり落とされ少し蕾のまわりに残り、テラテラ厭らしい。
「うひょ! エッチ! まなエッチだよ」

──そんなとこ自分で見えるか!
ボケがッ。

 膝を後ろにくいっと曲げると、兄のフランスパンにクリーンヒットした。
「ぐはっ……昇天しちゃう」
「そうじゃなくて三択は?」
「忘れてた」
 いつものことではあるが、兄は愛都の蕾に夢中であった。
 主に愛都の蕾とお×××んのことで頭がいっぱいだが。
(どんなド変態だ)

「正常位と騎乗位と……駅弁」
「ちょ! ちょっとまって。最後のだけエライハードじゃない?!」
 脱童貞したばかりで、瞬間噴射の兄には到底ハードルが高そうである。
「その三つ目は変えた方がいいと思うの」
 兄はしょうがないなあというように考える風で天井に目をむける。
「じゃあ、窓の月」
「まって! それ挿れ辛いヤツ。なんでそんな難易度高いの選ぶの」
「注文多いなあ、まなは。じゃあ、つり橋」
 兄は顎に手をやって。
「身体つりそう!」
 しかしすかさず愛都からダメだしが。
「もう、何ならいいの」
 さすがの兄も困り気味である。愛都は少し考えると。
「正常位で」
「……」
(三番目どうでも良かったんじゃ?)


「ええええ! このまま?!」
 破けたおパンティの隙間から兄は、フランスパン状態の自分自身を蕾へ挿入しようとしていた。いくらなんでも変態臭い。
「だって、エッチだし」
 いや、エッチしてるんだからエッチだけれども。ややこしい。
「こんな……AVのような展開で大丈夫なの?!」
「興奮マックスで鼻血でそうだけ、ど大丈夫」
(たぶん読者的にもいけるだろう)

 愛都はじっと兄を見上げていた。ほんとに鼻血を吹きそうなほど興奮している。変態に走らないかと不安になるが、すでに変態だったことに気付く。つまり、手遅れということだ。

「やっぱり破けたスケスケおパンティは…はあはあ…ほら、お×××んも透けてて…はあはあ…ああああああ! おパンティいいいい」
「あああッ♡」
 途中から奇声をあげながら、優しくそっと蕾に挿入してゆく。とても器用だ。
(そろそろR-25指定くらいになりそうだ)

「見て、まな。入ってるうううう」
「いや、見えないから!」
「まなのおたまたま、さわさわしてもいいかな? ぐふッ」
 兄は血圧が上がり過ぎたのか鼻血を吹いた。
「タオル、タオル!」
 忙しいエッチである。その辺にあったタオルらしきものを渡す。

「まな、これは俺のおパンティなんだな」
「えっ! タオル生地だからてっきり……」
 みよーんと広げると『男は ”股間を鍛えろ原始人”』とバックプリントされている。

──またいろいろとツッコミどころ満載なパンツだな。
 そもそもタオル生地のパンツなんて初めて見たよ。
 なんかエロイ肌触り。

「何そんな俺のおパンティ握りしめてるの? 変態! まな」
(お前には言われたくないはずだ)
「誰がにぎ……んんッ♡」
 起き上がろうとしたら蕾の中に在中していた兄のフランスパンが、暴走する。
「何、お兄ちゃん大きくしてるのッ」
「悪い、俺のおパンティでまなが『はあはあ』してるのかと思ったら興奮して……ぐはっ」
「そんなことしてないでしょ!」
 愛都は迷わず兄に一発食らわせたのだった。


「ダメだ!俺もおパンティが恋しくなってきた」
 兄がまたトチ狂ったことを言い始める。

──いや、別に僕はパンツ恋しくなったりしてないし!

 ため息一つ。ふと兄を見上げギョッとする。
「お、お、お兄ちゃん?!」
 兄は敗れたピンクのスケスケおパンティを被っていた。おパンティを被りエッチをする人など初めて見る。あまりの衝撃に、愛都は失神しそうになった。
「どうだ、まな。おパンティを装着してみたんだが」

──どうだと言われても……。
 全力レビューとかした方がいいの?
 いや全力レビューしても「変態」の二文字しか浮かばないんだけど。

「防御力とかは……」
「おパンティの恋しさからは100パーセント回避できるぞ!」
 あまりいらないスキルである。
「いつでも破ける」
「すでに破けているけど」
「おパンティは破けている方が興奮するんだぞ、まな!」

──頭に被ってたら見えないからあまり意味ないんじゃ?
 それに……。

「もちろん、お部屋限定だよね?」
「もちろん家中歩くぞ」
 愛都は頭痛がした。母に怒られる兄の姿が容易に浮かぶ。その戦いはどうあっても回避せねばなるまい。
「パンツ被ってるお兄ちゃんは僕だけが見たいな」
 仕方ないので可愛くおねだりしてみる。
「あああああああ! まな、まなが可愛すぎて…激しく勃起!」

──何を言ってるんだ、お兄ちゃんは。

「この情熱をどう伝えたらいいだろうか? もう一枚おパンティを被るか」
「いや、被らない方がカッコいいと思うの」
 このままでは大変なことになってしまう。
「素のお兄ちゃんが一番カッコいいよ♡」
「それはつまり……ふるち……おおっと、産まれたままということか?」

──まずい。
 このままでは兄が、全裸でおパンティを被り家中を歩くことになってしまう! まな、ピンチ!

「お兄ちゃんッ。お兄ちゃんは服を着た方がカッコいいよ」
 むぎゅっと抱きつき可愛く言ってみる。愛都にメロメロの兄になら効果があると踏んで。が、しかし……相手は筋金入りのド変態である。
「どういう意味だ?」
「ん?」
「男は股間が命だぞ、まな」
 大変なことになってきたようだ。

「うん、命は狙われたら大変だから、隠した方がいいと思うの」
「狙う? 俺の命を?」
 ややこしいことになりそうな予感。
「いや、股間を?」
「股間は鍛えているから大丈夫だ」
「早漏なのに!?」
 愛都は思わず本音が飛び出してしまって両手で口を塞ぐ。まるで”早漏素敵!”のようになってしまったが、致し方ない。

「あんあん言わせてやるぞ、まな」
「あんあん言ったらイちゃうじゃないか」
「う、うむ」
 なにがなにやら分からない。しかし、服を着てもらうという任務が果たせていない。
「そうそう、服は着た方がエロイって言ってたし。服は着た方がセクシーだよお兄ちゃん」
 それは苦肉の策である。これでダメなら無理矢理気絶させてでも服を着せるしかない。

「それはおパンティじゃないか。兄にスケスケおパンティを履けと?」
 愛都はスケスケおパンティ一枚で家中を歩き回る兄を想像してみた。なんだか何も履いていないより変態だ。
「透けてないやつでいいじゃない」
「透けないとセクシーじゃないだろ?」
 どうやら面倒なことになってきたらしい。
「大丈夫! 透けてなくてもほら、お兄ちゃん腹筋割れてるしセクシーだから」
「腹筋割れてても、透けてないと股間のセクシーさは伝わらないだろ」
「それ、誰に伝えるの?」
「まなに?」
「もう十分伝わってるから大丈夫」
 可愛く両手を合わせ、首を傾げてウインクしてみた。必死である。
「まなあああああああ! ああああ、お、おパンティ!」
 意味不明なことを叫びながら、感極まった兄は腰を動かし始めたのである。
「あああッ!急にうごかなッ……」
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