護堂先生と神様のごはん 護堂教授の霊界食堂

栗槙ひので

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第5章 神々の宴

12.宴会準備

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 俺と西原は、配られた作務衣に着替えて他の料理人、給仕担当らと共に整列していた。
 広い宴会場に、かなりの人数が集まっている。並んでいる者の中には、豊月の様な狐の他にも、明らかに人の姿をしていない者も居た。いずれもどこかの神様に属する御使や式神達であろう。

『なんとかここまで辿り着いたな……』

『……ああ』

 俺達はあの後、あるアイデアを宇迦様に提案し、無事に合格する事が出来ていた。少々厄介な内容だった為、それから十一月の会議当日まで、俺達はその準備にかかりきりであった。

 神事の期間は一週間。宴会は毎晩行われる。今夜の料理は例年通り、宇迦様の料理人達が考案した。俺達の案は、最終日の宴に予定されている。

 神事期間中、俺達は霊界から派遣された手伝い係として、調理場で働く事になっていた。

(月神に会うチャンスが数日間あるだけでも有り難い……)

『本日初日の宴会は、亥の刻から開始される。遅れの無い様、皆心してかかれ!』

 俺が思案に耽っていると、現場を仕切る宇迦様の御使が号令をかけた。皆それぞれの持ち場に散っていく。

『じゃ、俺達も行くか。今日は野菜類の下処理だったな。なんだか下積み時代に戻ったみたいで懐かしいぜ』

 西原は感慨深げに笑った。俺達は並んで調理場へ向かう。

『神様達が出雲に来るのは夕刻だったよな。うちの神様も夏也も、何事も無ければ良いが……』

 神様達は空から浜に降り立って、共に会議場へ向かう。夏也は勿論飛行機でやって来るらしい。

『夏也君まで来るとは思わなかったがな。そんな事してまで、神様に直々にお願いしたい事があるのか?』

『分からん。そんな無茶をするような性格では無いんだがな……。大方、神様の方が引っ張り込んだような気がする……』

 だとしても、何故神様が出雲に夏也を呼びたかったのかは分からない。

 俺はなんとなく嫌な予感を抱きつつも、今は芋の皮を剥く事に専念した。
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