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第四話 百鬼夜行とあやかし縁結び
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沖縄からはるばる海を越えて伴侶を探しにきたシーサー、ヌムヌム。
ヌムヌムに縁結びカフェで泣きつかれたそのあと。私と狐月さんはヌムヌムを連れて大学通りを戻り、駅の反対側にある商店街を歩いていた。
カフェや雑貨店が並ぶ大学側と違って、駅の反対側は古くから続く、いわば地元エリアだ。私自身、駅前のスーパーはよく利用するけれど、わざわざ踏切を渡ってこちら側にくることはあまりない。
(狐月さん、どこに向かってるんだろ)
狐月さんの横をてくてく歩きながら、私は首を傾げた。狐月さんの足取りに迷いはなく、明確にどこかを目指しているのはわかる。
ちなみに東京の息子の家というのは、飯田橋のあたりにあるそうだ。全然エリアも違う寺川で、マイマイさんを探す宛てなんかあるんだろうか。
不思議に思う私とは裏腹に、狐月さんの肩にちょこんと乗るヌムヌムは気楽なものだ。
「ありがたや。ありがたや。まさかあの、名高きキツネツキソータ様にお助けいただけるなんて」
狐月さんの正体を知って以来、ヌムヌムは前足をすり合わせて、しきりに狐月さんと出会えた偶然に感謝している。
どうやら狐月さんは、はるか沖縄でも「東京・寺川にキツネツキソータ在り」と、その名を轟かせているらしい。本当に、妖怪世界における狐月さんの立ち位置が謎だ。
さて。それはさておき問題は、ヌムヌムが狐月さんという協力者を得たことで、完全に大船に乗った気でいることだ。
これだけ期待値が高いと、うまくいかなかった時の落差が大きいんじゃなかろうか。
いささか心配になった私は、ヌムヌムがいる肩とは反対側から、こそこそと狐月さんに囁いた。
「大丈夫ですか……? 都合よくマイマイさんの手がかりが転がってるとも思えないし、望みが薄いなら、最初からはっきり言って現実教えてあげたほうが親切ですよ?」
「まあ、それはそうなんだけどね」
苦笑をして狐月さんは答える。
「仮にも僕は、縁結びカフェの店長だから。縁を信じて伴侶を探しにきた妖怪を、無理だなんだと追い出すことはできないよ。ヌムヌムと会ったのも、これもなにかのご縁だし」
「でた。狐月さんの、『これもなにかのご縁』説」
「うん。すべからく世界は、ご縁が生まれたり切れたりで回ってるね」
おどけて言って、狐月さんは笑った。
そうやって狐月さんは、古い雑居ビルに入っていく。両側を比較的新しめのお店に挟まれているせいか、狐月さんと一緒じゃなかったら見逃していたかもしれない。なぜかそんなふうに思える、ひっそりとした佇まいだ。
細く暗い階段を昇っていくと、何の変哲もない、壁と同じ色の扉がある。一応は窓があるけれど、すりガラスになっていて中は伺えない。
扉の横には渋い漆塗りの木の札がかかっていて、そこだけ妙に味がある。札は木彫りで、『ぬうらり道具屋』とあった。
(え、お店なの?)
一拍置いて、私はTHE・古い雑居ビルな味気ない扉の先がお店であることに気づく。驚く私を置いて、狐月さんは慣れた様子でドアノブを回した。
「お邪魔するよー……」
ドアの向こうは、異世界だった。
――もちろんこれは拡張表現だ。現実にはここは寺川商店街の雑居ビルの一室だ。だけど別次元に飛ばされたんじゃないかと思ってしまうくらい、部屋の中は不思議で異国情緒あふれるモノたちで溢れている。
「すごい……」
私は呟いて、吸い込まれるように室内に入る。とたん、特徴的な甘く芳ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
まず目を瞠るのは、うず高く積まれたよくわからない道具の数々だ。
ときどき「あ、これは水たばこだな」とか「複雑な形をしているけど、たぶんランプの類だろう」とわかるものもある。だけど大半は、そもそもこれがなんなのか皆目検討がつかない品ばかりだ。
天井には薄紫色に発行する壺がぶら下がっていて、薄暗い店内を照らす照明代わりになっている。壺からはぽっぽっとピンク色の丸い煙がはきだされていて、どうやらそれが特徴的な香りの出所らしい。
表に道具屋とあったが、ここに来る客はなにを買い求めにくるのだろう。そのようにキョロキョロしていた時、棚の向こうから第三者の声が響いた。
「なんや。どなたか来はりましたやろか?」
「ひ!」
びっくりして、私は狐月さんの影に隠れる。そんな私に軽く微笑んでから、狐月さんは棚の向こうに答えた。
「僕だよ。縁結びカフェの想太だ」
「おや。大将でしたか」
はんなりした京都弁の、深く艶のある綺麗な声。なんだか聞き覚えのある声だなと私は思ったけど、がさごそと音を立てて姿を見せた人物は、まったく知らない男の人だった。
(もしかして、狐月さんのご実家関係のひと?)
私がそう思ったのには理由がある。
まず店の奥から現れたそのひとは、藍色の着流し姿だった。髪は長く、低いところでゆるやかにまとめているけれど、それが妙に艶っぽい。
そして目だ。にこやかな笑みを浮かべているけれど、そこから覗く瞳は油断なくこちらを見つめいている。形の良い唇に乗せた微笑みすらも、なにやら胡散臭い。
この只者じゃない雰囲気、響紀さんと同じに現代の陰陽師だと言われれば納得する。そのように私は身構えたのだが、男の人は瞳に私を映した途端、にぱっと笑み崩れた。
「なんや、大将以外にも妖気を感じるおもたら、スズはんやないか~。おおきに。よう、わての店に来てくれはったな~」
「え? なんで私の名前……」
「な、スズじゃと!?」
私は着流しイケメンさんに問い返したけど、返事が戻ってくる前に、店の奥がどたどたと騒がしくなる。
と思いきや、着流しイケメンを押し除けて、キヨさんが棚の影から私に抱きついてきた。
「スズじゃー! 水くさいなあ。試験が終わって暇になったんなら、さっさとわらわに連絡せんか!」
「キヨさん!」
すりすりと頬擦りしてくるのは、レポート期間中はとってもお世話になった美少女文車・キヨさんだ。そういえばレポートのお礼に、ふみさんに隣駅の駅ビルで限定出店中のいちご大福を買う約束だったのを思い出す。
(て! いまはそれよりも!)
「キヨさん、こちらは? キヨさんが一緒にいるって、まさかこのひとも妖怪なの?」
「ん?」
「あれ?」
私が尋ねるも、キヨさん、そして狐月さんまでもが首を傾げる。なんだろう。私、何か変なことを言っただろうか。
その中で唯一、着流しをきた男の人だけが合点が言ったように頷いた。
「そういや、こっちの姿でお会いするんは初めてでしたなあ」
「へ?」
ゆうらりと、男の人が動くのに合わせて着流しの裾が揺れる。ひょいっと胸に手を当てて、細面のそのひとはにへらっと笑ってみせた。
「どうも。ぬらりひょんしとります、ヌエでございます。お見知り置きのほど、よろしゅうたのんます」
「えっ」
ヌエさん。その名を聞いて、とっさに、ぺらりと風に揺れる一反木綿みたいな姿をした縁結びカフェの常連さんのことが頭に浮かぶ。
(え? ヌエさんって、あれ? あの布妖怪の??)
いやいや、まさかと思う反面、合致する点もある。たとえばこの、はんなりした艶のある声。クセになる京都弁。そしてこの、つかみどころのない性格。
「え~~~~っ!?」
ようやく理解が追いついた私は、大声で叫ばずにはいられなかった。
ヌムヌムに縁結びカフェで泣きつかれたそのあと。私と狐月さんはヌムヌムを連れて大学通りを戻り、駅の反対側にある商店街を歩いていた。
カフェや雑貨店が並ぶ大学側と違って、駅の反対側は古くから続く、いわば地元エリアだ。私自身、駅前のスーパーはよく利用するけれど、わざわざ踏切を渡ってこちら側にくることはあまりない。
(狐月さん、どこに向かってるんだろ)
狐月さんの横をてくてく歩きながら、私は首を傾げた。狐月さんの足取りに迷いはなく、明確にどこかを目指しているのはわかる。
ちなみに東京の息子の家というのは、飯田橋のあたりにあるそうだ。全然エリアも違う寺川で、マイマイさんを探す宛てなんかあるんだろうか。
不思議に思う私とは裏腹に、狐月さんの肩にちょこんと乗るヌムヌムは気楽なものだ。
「ありがたや。ありがたや。まさかあの、名高きキツネツキソータ様にお助けいただけるなんて」
狐月さんの正体を知って以来、ヌムヌムは前足をすり合わせて、しきりに狐月さんと出会えた偶然に感謝している。
どうやら狐月さんは、はるか沖縄でも「東京・寺川にキツネツキソータ在り」と、その名を轟かせているらしい。本当に、妖怪世界における狐月さんの立ち位置が謎だ。
さて。それはさておき問題は、ヌムヌムが狐月さんという協力者を得たことで、完全に大船に乗った気でいることだ。
これだけ期待値が高いと、うまくいかなかった時の落差が大きいんじゃなかろうか。
いささか心配になった私は、ヌムヌムがいる肩とは反対側から、こそこそと狐月さんに囁いた。
「大丈夫ですか……? 都合よくマイマイさんの手がかりが転がってるとも思えないし、望みが薄いなら、最初からはっきり言って現実教えてあげたほうが親切ですよ?」
「まあ、それはそうなんだけどね」
苦笑をして狐月さんは答える。
「仮にも僕は、縁結びカフェの店長だから。縁を信じて伴侶を探しにきた妖怪を、無理だなんだと追い出すことはできないよ。ヌムヌムと会ったのも、これもなにかのご縁だし」
「でた。狐月さんの、『これもなにかのご縁』説」
「うん。すべからく世界は、ご縁が生まれたり切れたりで回ってるね」
おどけて言って、狐月さんは笑った。
そうやって狐月さんは、古い雑居ビルに入っていく。両側を比較的新しめのお店に挟まれているせいか、狐月さんと一緒じゃなかったら見逃していたかもしれない。なぜかそんなふうに思える、ひっそりとした佇まいだ。
細く暗い階段を昇っていくと、何の変哲もない、壁と同じ色の扉がある。一応は窓があるけれど、すりガラスになっていて中は伺えない。
扉の横には渋い漆塗りの木の札がかかっていて、そこだけ妙に味がある。札は木彫りで、『ぬうらり道具屋』とあった。
(え、お店なの?)
一拍置いて、私はTHE・古い雑居ビルな味気ない扉の先がお店であることに気づく。驚く私を置いて、狐月さんは慣れた様子でドアノブを回した。
「お邪魔するよー……」
ドアの向こうは、異世界だった。
――もちろんこれは拡張表現だ。現実にはここは寺川商店街の雑居ビルの一室だ。だけど別次元に飛ばされたんじゃないかと思ってしまうくらい、部屋の中は不思議で異国情緒あふれるモノたちで溢れている。
「すごい……」
私は呟いて、吸い込まれるように室内に入る。とたん、特徴的な甘く芳ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
まず目を瞠るのは、うず高く積まれたよくわからない道具の数々だ。
ときどき「あ、これは水たばこだな」とか「複雑な形をしているけど、たぶんランプの類だろう」とわかるものもある。だけど大半は、そもそもこれがなんなのか皆目検討がつかない品ばかりだ。
天井には薄紫色に発行する壺がぶら下がっていて、薄暗い店内を照らす照明代わりになっている。壺からはぽっぽっとピンク色の丸い煙がはきだされていて、どうやらそれが特徴的な香りの出所らしい。
表に道具屋とあったが、ここに来る客はなにを買い求めにくるのだろう。そのようにキョロキョロしていた時、棚の向こうから第三者の声が響いた。
「なんや。どなたか来はりましたやろか?」
「ひ!」
びっくりして、私は狐月さんの影に隠れる。そんな私に軽く微笑んでから、狐月さんは棚の向こうに答えた。
「僕だよ。縁結びカフェの想太だ」
「おや。大将でしたか」
はんなりした京都弁の、深く艶のある綺麗な声。なんだか聞き覚えのある声だなと私は思ったけど、がさごそと音を立てて姿を見せた人物は、まったく知らない男の人だった。
(もしかして、狐月さんのご実家関係のひと?)
私がそう思ったのには理由がある。
まず店の奥から現れたそのひとは、藍色の着流し姿だった。髪は長く、低いところでゆるやかにまとめているけれど、それが妙に艶っぽい。
そして目だ。にこやかな笑みを浮かべているけれど、そこから覗く瞳は油断なくこちらを見つめいている。形の良い唇に乗せた微笑みすらも、なにやら胡散臭い。
この只者じゃない雰囲気、響紀さんと同じに現代の陰陽師だと言われれば納得する。そのように私は身構えたのだが、男の人は瞳に私を映した途端、にぱっと笑み崩れた。
「なんや、大将以外にも妖気を感じるおもたら、スズはんやないか~。おおきに。よう、わての店に来てくれはったな~」
「え? なんで私の名前……」
「な、スズじゃと!?」
私は着流しイケメンさんに問い返したけど、返事が戻ってくる前に、店の奥がどたどたと騒がしくなる。
と思いきや、着流しイケメンを押し除けて、キヨさんが棚の影から私に抱きついてきた。
「スズじゃー! 水くさいなあ。試験が終わって暇になったんなら、さっさとわらわに連絡せんか!」
「キヨさん!」
すりすりと頬擦りしてくるのは、レポート期間中はとってもお世話になった美少女文車・キヨさんだ。そういえばレポートのお礼に、ふみさんに隣駅の駅ビルで限定出店中のいちご大福を買う約束だったのを思い出す。
(て! いまはそれよりも!)
「キヨさん、こちらは? キヨさんが一緒にいるって、まさかこのひとも妖怪なの?」
「ん?」
「あれ?」
私が尋ねるも、キヨさん、そして狐月さんまでもが首を傾げる。なんだろう。私、何か変なことを言っただろうか。
その中で唯一、着流しをきた男の人だけが合点が言ったように頷いた。
「そういや、こっちの姿でお会いするんは初めてでしたなあ」
「へ?」
ゆうらりと、男の人が動くのに合わせて着流しの裾が揺れる。ひょいっと胸に手を当てて、細面のそのひとはにへらっと笑ってみせた。
「どうも。ぬらりひょんしとります、ヌエでございます。お見知り置きのほど、よろしゅうたのんます」
「えっ」
ヌエさん。その名を聞いて、とっさに、ぺらりと風に揺れる一反木綿みたいな姿をした縁結びカフェの常連さんのことが頭に浮かぶ。
(え? ヌエさんって、あれ? あの布妖怪の??)
いやいや、まさかと思う反面、合致する点もある。たとえばこの、はんなりした艶のある声。クセになる京都弁。そしてこの、つかみどころのない性格。
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