リビングデッド

常夏の炬燵

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魔族編

第十八話

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「おかえり。エド」

戦いの後、エドはザンゲの世界へやってきていた。

「はい…ザンゲ様」

「ねえ、ナナシの弱点ってなんだと思う?」

「ナナシの弱点ですか…?」

「そう、あいつ、一見弱点無いように見えて、大きな弱点を抱えてんだよ」

「えっと…素の身体能力、とかですか?」

「それもある、それよりも大きな弱点だ。それも、全ての行動を制御できる程のね」

「はあ…?なぜ急にそんな話を…」

「みんなの戦いを見てたら僕もやりたくなってね。いつも通りの気まぐれ。」

「え…」

「取り敢えず、今から指示するから、すぐに行動してね」

「わ、わかりました」

指示を受けるとエドは現世に帰った。

そして、エドは指示通りユメの通う高校の通学路を陰から見張っていた。

いた!けど、やっぱりナナシはいねーな…まだあのオアシスか?まあ、帰ってくるわけねーよな…じゃあ、後はテンカか…
どうすれば気づかれる…?オレの魔力は何故かテンカに感じ取られねー
ナナシが帰ってくるのを待つか…運良く街に魔族が来て、テンカがここに来るのを待つか…
いや、ダメだ…それだと時間がかかりすぎる…機嫌を損ねたら殺されかねねー。

もうこれしかねー!!

「え!?何!?」

エドはユメを攫い、ナナシのいるオアシスに向かった。

「よかった!テンカもいる!」

遠目から、ナナシとテンカがオアシスで休んでいるのが見えた。
オアシスに着くと二人もエドに気づいた。

「おい!お前…なんでユメを…!」

「な、ナナシ君…!」

「エド、その子をどうするつもりだ?」

「ザンゲ様の命令だ。コイツを異界に連れて行く」

「な、何?どうなってるの?」

ユメは不安そうな表情をしている。

「ユメを放せ」

「返して欲しかったら、追いかけて来い。空間の歪みを感じれば、辿り着けんだろ?じゃーな」

そう言って、エドは姿を消した。

「テンカ!早く追いかけるぞ!」

「わかっている…」

テンカはエドが渡った空間を追跡した。

「見つけた…いるのは…ユメと…魔族か…?少し変わった魔力を感じる…そして、魔力は感じないがエドもいるだろう。じゃあ、行くぞ。準備はいいな?」

ナナシは強く頷いた。

そして、二人は空間を移動した。

「ナナシ君!」

「来たね」

そこには、ザンゲとエドが待っていた。
ユメは隣で拘束され捉えられていた。

「お前の言う通り来てやったぞ!早くユメを放せ!」

「まあ、ちょっと待ってよ。その前にゲームをしよう」

「ゲーム?」

「そう、君は今から何があってもここから動いちゃダメ。動けばこの子の命はない。OK?」

「ふざけるな!」

「やらないなら…」

ザンゲはユメの顔に手をかざす。

「く…わかった…」

「じゃあ、スタート!」

そう言うと、ザンゲの指先から細いビームが放たれ、ナナシの喉を貫いた
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