インターセプト

レイラ

文字の大きさ
上 下
91 / 225
第2部 2幕

再びインターハイ予選2

しおりを挟む
 あっという間にインターハイ予選当日。

 あっという間にインターハイ予選当日。

 いつもなら、かなり緊張していて対処できない状況だった。

 だけど今日は違う。

 もちろん緊張はしている。でも、いつもとは違う感覚なのだ。

 緊張していても不安はなくて、むしろ大丈夫と思っている。

 メンタルトレーニングのおかげかもしれない。

 会場に着くと、早速、着替えてウォーミングアップをする。

 軽く走って、基本の練習をする。

 今、できるウォーミングアップといえば、ボールを使わないトレーニング。

 常にコートを使って練習できるわけではなく、ロビーや廊下などを使って体を温める。

 少し走りがら、階段の上り下り。大会会場でのウォーミングアップでは、これが一番、体が温まる。また、心拍数も上がりやすい。

 あと、できることはフットワーク。フットワークを生かして、ボールなしでゲームの動きを確認することもできる。

「ゴール下で誰かがボールを持った時、そのまま行ければ、シュートに行ってもいいけど、できなかった時は」

 キャプテンの慧は、積極的に声をかけて、その通りに体を動かし、ゲームの確認をしていく。

「ゴール下でボールを持って、シュートに行けなかったとき、ゴール下でボールを動かすことが多いから、声をかけて外へ出そう」

 俺は慧に続いて声をかけた。

「中、外、中、外とボールを回すためには、コート全体を使うくらい、広がろう」

 達也が俺の言葉に付け足した。さらに具体的に説明する。

「中にボールが入った時、そこに集中していて、コートを使えてないことが多いからさ。それと」

 達也は一息ついてから、口を開く。

「スリーポイントシュートエリアで、せっかく待ってても、ボールの持っているところに集中して、見えなてないときが多いから、外にパスが回せない。だから外で待機しているときは声を掛け合おう」

 達也の言葉に反応したのは灯だ。

「わかった。こっち! でも、パス! でもいいからちゃんと声を出そう」

 全員でコミュニケーションをとりながら、試合を待つ。

 その間、ストレッチしたり体を動かしたりして体を温めて準備した。

 城伯高校の試合は、この前に行われている試合の後だ。

 城伯高校の前に行われている試合は、接戦だった。

 ウォーミングアップの合間にその試合を見ると、速攻が多い。リバウンドをとってそのまま、すぐに走ってゴールまで一気にボールを運んでいく。

「速攻ばかりだな。でも、速攻でチャンスをたくさん作ってる。シュート成功率が上がれば、もっと良くなる。速さが特徴のチームだ」

 俺が試合を見ていると、貴も試合を見に来た。

 貴は俺に言ったのか、独り言として呟いただけなのか、わからない。でも、貴なりに試合を見て分析している。

 勝ち進んでいけば、対戦するかもしれない相手だ。

 そんなことをしていくうちに、試合がもうすぐ終わりそうになったので、俺ら、城伯高校のメンバーは、コートへと向かう。

 いよいよ、俺たちの試合が始まる。
しおりを挟む
1 / 2

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...