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陰陽寮のひと時
皇と王の違い
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「皇族と王族の違いってなんだ?」
と、薫はずっと疑問になっていた事を李流に尋ねる。
「え、知らないの?」
李流は意外な顔をした。
薫は祝皇陛下や皇族方を尊敬申し上げているものだから知っていて当然だと思っていた。
「す、すみません。僕も分からない……です」
篁はおずおずと手を挙げて言った。
二人とも祝皇陛下を、皇族のお住いをお護りする伝統衛士のくせにその違いが分からないことが恥ずかしいと思っているようだ。
薫は父の瑠香の考えている事を覗くと、祝皇陛下以外の尊い方など興味ない。
と頑なに思っていた。考える余地もないようだ。
だから、いまいち違いが分からなかった。
他の職員も、ハル様だって、みんな当然に祝皇陛下、皇族は尊い血筋で、国を統治してきたと当然のごとく知っている。
だが、君主がいる国は昔よりは減った。
海外、英語で、エンペラー(皇帝)と認識されているのは祝皇ただおひとり。
祝皇以外、みんなキング(王)だ。
昔は皇帝を名乗る皇室が西洋にもあったし、隣の国にもあった。
どちらも、統治する国を支配した末裔でそれに連なる民族が国民だと思うし、国のあり方だとおもうのだが、何が違うのか、分からなかった。
変わらないものじゃないのかな?と思う。
日和国は敗戦して、コメリカに国のあり方をかえられて、象徴というお立場になってしまって、日和国皇の主権者、君主と言うと、左寄りがうるさい。
権力は全く無いとは言わないがもお持ちにならず、最大の権威を持っていらっしゃる。
コメリカに皇室のあり方を弄られて憲法Q条なるものを信じ切って、一番大切な祝皇の在り方よりも平和主義無抵抗主義を標榜し、反日を煽り、陛下を平民に下げようと言う不敬なやからが教師にいる状況だ。
そんな、戦後六十年余り、愛国心溢れる少年だとしてもまともに理解出来ない状態だ。
皇族と、王族の違いがいまいちわからなかった。
「どっちも、自国の民族の国を統治する尊い方だとは分かるんだけどさ……」
と、薫は頭をかいて当然のように言ったが、
「それもまちがってるよ。」
李流は苦笑して言った。
「は?」
「ど、どういうことですか!?先輩」
二人は瞳を丸くして李流に詰寄る。
「我が国、祝皇は代々、神々の時代から、初代祝皇から続く、日和国の日和国民の民族の統治者。
日和民族の総本山、皇室は日和国民の本家で在られる唯一のお方で、その近いお血筋の方々が皇族殿下。
ほとんどの日和国民にそのお血筋が少なくとも入っている人が多い。
もちろん渡来人もいるけど、何百年も経ってしまえば日和民族と交われば日和民族の血が混ざってわからないけど……」
と言いながら李流は少しくらい影を残す。
「王族は、特にキリスト教国は他の国の王族が、その土地の民族の王様になって君臨しているから、王、王族。」
「他国の民族の王族が王様になっちゃうんですか!?」
篁はびっくりする。
イメージ的に、英国は西の国の同じ島国なのだから、代々島を統治していた、部族の王がそのまま血筋を受け継いで国を統治し尊敬されているものだと思っていた。
そして、尊敬されている王様が他国の血筋を引く王様なんてみんな尊敬できるのだろうか?と思う。
「女系が認められているから、支配者が縁もゆかりも無い王朝になって、女王が経つ度に王朝が変わっちゃうんだ」
「日和祝皇は男系で続いてるから王朝は全くかわってないってことだな?」
と薫は納得いった。
「平安王朝、って古代に分類されてる時代では書いてありましたけど……?」
「そこが、反日教祖の罠だよね。ヒミコが歴史の最初になってて、ヤマト朝廷…祝皇陛下の話は出てこないよね……」
李流は怒りに萌えた瞳をしている。
その真実を知ってしまえば、薫も篁も反日教育にイライラしてしまう。
平安時代ならまだ分かるけど。
王朝表記はいろいろ余計だ。
日和は帝国、王国じゃないし。
「隣のシナ国の方が、前の皇帝を殺っちゃうからわかりやすいですね!」
「あれも、国を奪った民族がその民族の位を上げて、他の民族を支配下に置くと思うとわかりやすく、一応、皇族になるよね。他国民、土地を占領するから皇帝にもなるんだけどね、それに権力最大限に持ってるしね」
李流はフーっとため息を大きく吐いて、
「あの国やそれに準ずる国はそうやって国を奪い破壊してきたけど……」
「神代の時代から続く我が国は他国とは次元が違うんだよ」
李流は日和国民として誇らしげに態と胸をはる。
「我が国の皇国は世界で唯一権威をいただき、国民を大御宝としているんだ。王の立場は国民を権力者で従わせるが、権威には敵わない。権力で人を殺めることのできない尊い唯一の国なんだよ。」
さらに、えっへんと鼻息も荒い。
なかなか見ない李流の態度だがそれほど誇らしいし尊敬しているという事だ。
「皇と王の違いはそういう所もあるんだなぁ。すげぇなっ!李流のおかげですっと胸に落ちたよ!」
「ほんとですね!」
「はぁ!ほんっと、日和国民でよかった!」
純粋に、祝皇陛下を敬愛し、皇族方をお慕いする伝統衛士の三人はいっそう務めに励むことを誓うのだった。
と、薫はずっと疑問になっていた事を李流に尋ねる。
「え、知らないの?」
李流は意外な顔をした。
薫は祝皇陛下や皇族方を尊敬申し上げているものだから知っていて当然だと思っていた。
「す、すみません。僕も分からない……です」
篁はおずおずと手を挙げて言った。
二人とも祝皇陛下を、皇族のお住いをお護りする伝統衛士のくせにその違いが分からないことが恥ずかしいと思っているようだ。
薫は父の瑠香の考えている事を覗くと、祝皇陛下以外の尊い方など興味ない。
と頑なに思っていた。考える余地もないようだ。
だから、いまいち違いが分からなかった。
他の職員も、ハル様だって、みんな当然に祝皇陛下、皇族は尊い血筋で、国を統治してきたと当然のごとく知っている。
だが、君主がいる国は昔よりは減った。
海外、英語で、エンペラー(皇帝)と認識されているのは祝皇ただおひとり。
祝皇以外、みんなキング(王)だ。
昔は皇帝を名乗る皇室が西洋にもあったし、隣の国にもあった。
どちらも、統治する国を支配した末裔でそれに連なる民族が国民だと思うし、国のあり方だとおもうのだが、何が違うのか、分からなかった。
変わらないものじゃないのかな?と思う。
日和国は敗戦して、コメリカに国のあり方をかえられて、象徴というお立場になってしまって、日和国皇の主権者、君主と言うと、左寄りがうるさい。
権力は全く無いとは言わないがもお持ちにならず、最大の権威を持っていらっしゃる。
コメリカに皇室のあり方を弄られて憲法Q条なるものを信じ切って、一番大切な祝皇の在り方よりも平和主義無抵抗主義を標榜し、反日を煽り、陛下を平民に下げようと言う不敬なやからが教師にいる状況だ。
そんな、戦後六十年余り、愛国心溢れる少年だとしてもまともに理解出来ない状態だ。
皇族と、王族の違いがいまいちわからなかった。
「どっちも、自国の民族の国を統治する尊い方だとは分かるんだけどさ……」
と、薫は頭をかいて当然のように言ったが、
「それもまちがってるよ。」
李流は苦笑して言った。
「は?」
「ど、どういうことですか!?先輩」
二人は瞳を丸くして李流に詰寄る。
「我が国、祝皇は代々、神々の時代から、初代祝皇から続く、日和国の日和国民の民族の統治者。
日和民族の総本山、皇室は日和国民の本家で在られる唯一のお方で、その近いお血筋の方々が皇族殿下。
ほとんどの日和国民にそのお血筋が少なくとも入っている人が多い。
もちろん渡来人もいるけど、何百年も経ってしまえば日和民族と交われば日和民族の血が混ざってわからないけど……」
と言いながら李流は少しくらい影を残す。
「王族は、特にキリスト教国は他の国の王族が、その土地の民族の王様になって君臨しているから、王、王族。」
「他国の民族の王族が王様になっちゃうんですか!?」
篁はびっくりする。
イメージ的に、英国は西の国の同じ島国なのだから、代々島を統治していた、部族の王がそのまま血筋を受け継いで国を統治し尊敬されているものだと思っていた。
そして、尊敬されている王様が他国の血筋を引く王様なんてみんな尊敬できるのだろうか?と思う。
「女系が認められているから、支配者が縁もゆかりも無い王朝になって、女王が経つ度に王朝が変わっちゃうんだ」
「日和祝皇は男系で続いてるから王朝は全くかわってないってことだな?」
と薫は納得いった。
「平安王朝、って古代に分類されてる時代では書いてありましたけど……?」
「そこが、反日教祖の罠だよね。ヒミコが歴史の最初になってて、ヤマト朝廷…祝皇陛下の話は出てこないよね……」
李流は怒りに萌えた瞳をしている。
その真実を知ってしまえば、薫も篁も反日教育にイライラしてしまう。
平安時代ならまだ分かるけど。
王朝表記はいろいろ余計だ。
日和は帝国、王国じゃないし。
「隣のシナ国の方が、前の皇帝を殺っちゃうからわかりやすいですね!」
「あれも、国を奪った民族がその民族の位を上げて、他の民族を支配下に置くと思うとわかりやすく、一応、皇族になるよね。他国民、土地を占領するから皇帝にもなるんだけどね、それに権力最大限に持ってるしね」
李流はフーっとため息を大きく吐いて、
「あの国やそれに準ずる国はそうやって国を奪い破壊してきたけど……」
「神代の時代から続く我が国は他国とは次元が違うんだよ」
李流は日和国民として誇らしげに態と胸をはる。
「我が国の皇国は世界で唯一権威をいただき、国民を大御宝としているんだ。王の立場は国民を権力者で従わせるが、権威には敵わない。権力で人を殺めることのできない尊い唯一の国なんだよ。」
さらに、えっへんと鼻息も荒い。
なかなか見ない李流の態度だがそれほど誇らしいし尊敬しているという事だ。
「皇と王の違いはそういう所もあるんだなぁ。すげぇなっ!李流のおかげですっと胸に落ちたよ!」
「ほんとですね!」
「はぁ!ほんっと、日和国民でよかった!」
純粋に、祝皇陛下を敬愛し、皇族方をお慕いする伝統衛士の三人はいっそう務めに励むことを誓うのだった。
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