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あやかしと幽霊の恋愛事情
13☆薫の過去の夢☆其の九☆ガマン
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まゆ先生は実習生が終わったので、バイトで家庭教師として香茂家に来てくれた。
薫は中学三年生で塾にも行かず適当に成績は良かったので近くの公立の学校に行く予定だが、まゆセンセと一緒にいる表向きの正当な理由が欲しかった。
適当に聞いてれば点数は取れると言っても、英語は正直苦手だ。
それに英語だけじゃなくて、他の、教科も丁寧におしえてくれる。
恋人に教えて貰えるなら意欲もわくと思っていたが、
ドキドキで、ふわふわで勉強どころじゃなくて、ついに先生を押し倒した。
「薫くん……」
先生は戸惑ってドキドキしている。
(「駄目よ!勉強しなきゃ!」と言わなきゃいけないのに……でも私達恋人同士だし!)
と葛藤をしながらも期待をしている心が伝わると、薫は思わず出てしまった行動で自分も戸惑っているとしても覚悟を決めて責任を取ってまゆセンセを愛しぬこうと決めた。
キスを何度も繰り返す、さらに手をお互いに握り込んで更に重なりたくなってしまう。
お互いにドキドキが止まらない。
「まゆセンセ…止められそうにない…どうしょう……」
どうしても抱きしめたくて焦燥感が強くなって愛したくて仕方がない。
「薫くん…いいよ…」
切なく潤んだ瞳で見つめられると理性がとんだ。
まゆセンセをギュッ!と力を加減しながら抱きしめて、見つめ合い、再びキスをしょうとした時、
「薫、いる?」
突然遠慮なく障子を
スッ!バタン!
と開けられた。
薫の自室ではなく今日は十畳ほどある客間で勉強をしていた。
どうせ今日は誰も帰ってこないと油断していた。
「あ……」
「…に…にーちゃん……」
油断した。
兄の桂が帰ってくるとは思わなかった。
「…………」
ニコニコ笑顔の無言でそっと襖を閉められた。
雰囲気を壊されて、とりあえず先生との関係を兄に説明した。
桂は二人の仲を祝福してくれた。
とりあえず、桂は散歩に行ってくると出ていったが気がきではない。
「やっぱり、薫くんはまだ中学三年生…でしょ…?
一度、体を許したら何度でも愛し合って勉強どころじゃなくなっちゃうと思うの……よくそういう事、友達から聞いたし…」
もじもじしながら言うまゆセンセは可愛いが薫は不服だ。
恋人同士なのに……いきなり先生のような態度をするからムッとする。
いまも『センセ』と呼んでいるのはちゃんと祖母がお金を払ってくれて、家庭教師をやっているからだ。
まゆセンセは家庭教師として仕事もこなさなくてはという使命感もある。
(こういうところが子供っぽいのよね…しかたないけど…)
という薫に対しての評価が、下がってしまうのも悲しい。
「それが原因で高校落ちたら私の面目丸つぶれでしょ?
だから、今は我慢してくれる?」
(私も我慢できるか自信ないけど…また、押し倒されてみたいけど…)
という本心を聞くと、まゆセンセのために努力することがお互いのためなのだなと納得した。
「じゃ、高校合格したら……覚悟しておいて!」
手をぎゅっと握って真剣に見つめ合う。
「……うん!ちゃんと、高校合格してね。信じてるから」
まゆセンセはその時のことを思って頬を染めて言った。
「うん…俺頑張る!」
合格したらなんてご褒美みたいだけど今は戒めだ。
この戒めを乗り越えられたら、大人のような余裕を見せたい。
思春期で女を抱きたいだけなんてみっともない真似はしたくない。
母に対して万年発情期だった父とは違うところも見せねば!
そう薫は決意した。
縁結びの神様の使いの母である葛葉子は薫に姿を見せずに、クスッと微笑む。
それは、夫である瑠香の若い頃を思い出したからだ。
『やっぱり、親子だな…薫は…ふふっ』
と、二人の縁を見守るのだった。
薫は中学三年生で塾にも行かず適当に成績は良かったので近くの公立の学校に行く予定だが、まゆセンセと一緒にいる表向きの正当な理由が欲しかった。
適当に聞いてれば点数は取れると言っても、英語は正直苦手だ。
それに英語だけじゃなくて、他の、教科も丁寧におしえてくれる。
恋人に教えて貰えるなら意欲もわくと思っていたが、
ドキドキで、ふわふわで勉強どころじゃなくて、ついに先生を押し倒した。
「薫くん……」
先生は戸惑ってドキドキしている。
(「駄目よ!勉強しなきゃ!」と言わなきゃいけないのに……でも私達恋人同士だし!)
と葛藤をしながらも期待をしている心が伝わると、薫は思わず出てしまった行動で自分も戸惑っているとしても覚悟を決めて責任を取ってまゆセンセを愛しぬこうと決めた。
キスを何度も繰り返す、さらに手をお互いに握り込んで更に重なりたくなってしまう。
お互いにドキドキが止まらない。
「まゆセンセ…止められそうにない…どうしょう……」
どうしても抱きしめたくて焦燥感が強くなって愛したくて仕方がない。
「薫くん…いいよ…」
切なく潤んだ瞳で見つめられると理性がとんだ。
まゆセンセをギュッ!と力を加減しながら抱きしめて、見つめ合い、再びキスをしょうとした時、
「薫、いる?」
突然遠慮なく障子を
スッ!バタン!
と開けられた。
薫の自室ではなく今日は十畳ほどある客間で勉強をしていた。
どうせ今日は誰も帰ってこないと油断していた。
「あ……」
「…に…にーちゃん……」
油断した。
兄の桂が帰ってくるとは思わなかった。
「…………」
ニコニコ笑顔の無言でそっと襖を閉められた。
雰囲気を壊されて、とりあえず先生との関係を兄に説明した。
桂は二人の仲を祝福してくれた。
とりあえず、桂は散歩に行ってくると出ていったが気がきではない。
「やっぱり、薫くんはまだ中学三年生…でしょ…?
一度、体を許したら何度でも愛し合って勉強どころじゃなくなっちゃうと思うの……よくそういう事、友達から聞いたし…」
もじもじしながら言うまゆセンセは可愛いが薫は不服だ。
恋人同士なのに……いきなり先生のような態度をするからムッとする。
いまも『センセ』と呼んでいるのはちゃんと祖母がお金を払ってくれて、家庭教師をやっているからだ。
まゆセンセは家庭教師として仕事もこなさなくてはという使命感もある。
(こういうところが子供っぽいのよね…しかたないけど…)
という薫に対しての評価が、下がってしまうのも悲しい。
「それが原因で高校落ちたら私の面目丸つぶれでしょ?
だから、今は我慢してくれる?」
(私も我慢できるか自信ないけど…また、押し倒されてみたいけど…)
という本心を聞くと、まゆセンセのために努力することがお互いのためなのだなと納得した。
「じゃ、高校合格したら……覚悟しておいて!」
手をぎゅっと握って真剣に見つめ合う。
「……うん!ちゃんと、高校合格してね。信じてるから」
まゆセンセはその時のことを思って頬を染めて言った。
「うん…俺頑張る!」
合格したらなんてご褒美みたいだけど今は戒めだ。
この戒めを乗り越えられたら、大人のような余裕を見せたい。
思春期で女を抱きたいだけなんてみっともない真似はしたくない。
母に対して万年発情期だった父とは違うところも見せねば!
そう薫は決意した。
縁結びの神様の使いの母である葛葉子は薫に姿を見せずに、クスッと微笑む。
それは、夫である瑠香の若い頃を思い出したからだ。
『やっぱり、親子だな…薫は…ふふっ』
と、二人の縁を見守るのだった。
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