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第8章
詩絵美と恵子の心の誓い
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「恵子、重たいよ~」
「ああ、詩絵美、ごめんごめん」
セックスのあと、そのまま詩絵美に覆い被さり余韻に浸っていた恵子ですが、体を支えずに詩絵美に被さったため、詩絵美に全体重がかかっていました。ソファから起き上がると、詩絵美も引っ張り起こしました。
恵子も詩絵美も満足した笑みです。
「いきなりセックス、すごく気持ちよかったよ、恵子」
「続きは夕食後ね、詩絵美」
「今日も縛るわよ~」
「楽しみにしてるわ」
笑いながら立ち上がると、2人はキッチンに入りました。
もちろん、白いハイウエストタイツ姿のままです。
キッチンには必要なものはすべて恵子が用意していました。
「詩絵美、どうしてビーフストロガノフを作りたいの?」
恵子は答えを知っていますが、あえて尋ねました。
「え?いや、それはその‥‥私も恵子みたいにいろいろ料理できるようになりたいなあって‥」
歯切れの悪い詩絵美です。
「だったらもう少し作りやすいメニューもあるわよ」
「あ、あの、いや、やっぱりビーフストロガノフに憧れて‥」
ますますしどろもどろの詩絵美です。
「もしかして、ビーフストロガノフを詩絵美が好きな誰かに食べてもらいたいの?」
「え?そ、そんな人なんか、い、いないわよ」
顔を赤くしてモジモジ状態です。
「そうなの?私、ビーフストロガノフを好きな人を知っているから、もしかして?って思ったのよ」
驚きの表情で詩絵美は恵子を見つめます。
「貴浩くんがビーフストロガノフを好きなことやっぱり知ってたの?」
「え?貴浩くん?」
詩絵美はやってしまいました。
「え?あ、いえ、あの‥」
「そうだったんだ‥私、詩絵美のお父さんがビーフストロガノフを好きだって詩絵美のお母さんから聞いていたから、てっきりお父さんに作ってあげるのかなって思ってたのに‥貴浩くんに作ってあげるつもりだったのね。そうなんだ‥」
恵子は分かっていて詩絵美から聞き出そうとしましたが、いざ本当に分かると、詩絵美に振られたような寂しさを感じます。
「恵子、そうなの。私、貴浩くんのことが好きなの。付き合いたいって思ってるの」
詩絵美は恵子を見つめて、決意したように話しました。
恵子は詩絵美から視線を逸らして、調理の準備を始めます。
「そうよね。分かっていたわ。嫌な聞き方してごめんね」
恵子の目にうっすら涙が浮かびます。
(あ~あ、ふられちゃったよ。カミーユ、分かっていたんだけどね)
「恵子‥」
「私は詩絵美を応援しているわ。詩絵美の幸せは私の幸せよ」
「恵子、貴浩くんを愛していても、恵子は私にとって特別な存在よ。セックスをしたいと思う特別な関係よ。それは今までもこれからも変わらないわ」
恵子の手が止まりました。
「詩絵美、それは違うわ。もし貴浩くんと付き合うなら、私とセックスはできなくなるわ」
「え?」
「よく考えてみて。貴浩くんと付き合うとして、貴浩くんが詩絵美と私のセックスを許すと思う?もし貴浩くんが私とセックスするって言ったら、詩絵美は許すの?」
「それは‥‥」
詩絵美はYESとは言えないけど、NOでもないと思いました。
それだけ、恵子は特別な存在だったのです。
NOと言わない詩絵美に、恵子は少し戸惑いを感じました。
(なぜ明確にNOと言わないの。なぜ?)
貴浩と恵子のセックスを許容してでも、詩絵美は恵子とセックスしたいという思いが湧いていました。
ただ、実際にそういう話になったときどうなるかは、まだ詩絵美自身分からないと思い、恵子に答えることができないのでした。
恵子は詩絵美を見つめましたが、詩絵美は目を逸らして、視線が彷徨っていました。
「とにかく、美味しいビーフストロガノフを作れるようにしようよ、詩絵美。まずはそこからよ」
「そうね、まだ貴浩くんの恋人になれるって決まっているわけじゃないわ」
恵子は詩絵美を引き寄せ、抱きしめました。
詩絵美も強く抱きしめ返します。
何があっても詩絵美を応援したい、幸せにしたいと恵子は心に誓っていました。
「さあ、ビーフストロガノフ、作るわよ」
恵子は詩絵美に渡してあったレシピ通りに詩絵美に指示します。
今日は詩絵美に作り方を覚えてもらうため、すべて詩絵美が料理します。
詩絵美はぎこちない手つきながらも、恵子のアドバイス通りに取り組み、時にメモを取ったり、恵子が見本でするのをスマホで撮影したり、かなり本気モードです。
恵子も詩絵美の熱心さに、上手くいくように祈りながら、詩絵美に手解きします。
「うーん、結構難しいよー」
詩絵美が手を休めて、大きく伸びをします。
「詩絵美、結構上手よ。出来上がりが楽しみよ」
「恵子がいるからできるのよ。自力でって言われたら不安がいっぱいだよ」
「こればっかりは練習しかないわ。経験が大事よ」
「う、うん。そ、そうよね」
(でも家で練習したらパパやママに絶対突っ込まれちゃうわ‥)
何とか恵子からいろいろ吸収しようと奮闘する詩絵美の努力の成果で完成しました。
ビーフストロガノフとマカロニサラダの出来上がりです。
「ふうっ、やっと出来上がったわ」
「詩絵美、上出来よ。よく頑張ったわ」
「ふっふっふ、詩絵美さまが本気出すと朝飯前よ」
さっきまでの弱音が嘘のように上機嫌の詩絵美です。
「また変な奴がいるわ。確かに朝飯前ね、まだ夕食だからね」
「んもう、恵子、何よ、それ。せっかくお礼に美味しい目玉焼きの作り方を教えようと思ったのにひどい!」
そうプンプン顔をしながらも、すでにフライパンと油と卵を用意しています。
(いや、特に教えてもらわなくてもいいんだけどなあ)
それでもいざ作り始めると、詩絵美の表情が別人のような真剣な眼差しに変わりました。
油の引き方、卵の落とし方、時間などかなりこだわりを持ってやっているのがわかります。
(確かにこれはすごいわ)
恵子はしっかり動画に収めます。
前回一緒に朝食を作ったときは、恵子も料理していたため、気づいていななったことがいろいろ分かりました。
「はい、出来上がりよ。詩絵美スペシャル目玉焼きよ」
「詩絵美スペシャルは余分だけど、すごく美味しそうだわ」
「あー、また、ひどいよ、恵子!せっかく作ったのに」
「だから、美味しそうって褒めてるわよ」
「んもう、恵子!」
詩絵美のプンプンの表情に思わず笑う恵子です。
詩絵美もつられて笑います。
「恵子、いろいろありがとう。感謝してるのは本当よ」
「さっきも言ったけど、私は詩絵美を応援しているわ。さあ、いただきましょう」
詩絵美の目に涙が浮かびます。
何があっても恵子を失いたくないと、心に誓う詩絵美です。
「私もいただきまーす。ん、美味しい!さすが詩絵美さまね」
「はあ?」
「んもう、恵子!」
会話も料理も最高の夕食でした。
「ああ、詩絵美、ごめんごめん」
セックスのあと、そのまま詩絵美に覆い被さり余韻に浸っていた恵子ですが、体を支えずに詩絵美に被さったため、詩絵美に全体重がかかっていました。ソファから起き上がると、詩絵美も引っ張り起こしました。
恵子も詩絵美も満足した笑みです。
「いきなりセックス、すごく気持ちよかったよ、恵子」
「続きは夕食後ね、詩絵美」
「今日も縛るわよ~」
「楽しみにしてるわ」
笑いながら立ち上がると、2人はキッチンに入りました。
もちろん、白いハイウエストタイツ姿のままです。
キッチンには必要なものはすべて恵子が用意していました。
「詩絵美、どうしてビーフストロガノフを作りたいの?」
恵子は答えを知っていますが、あえて尋ねました。
「え?いや、それはその‥‥私も恵子みたいにいろいろ料理できるようになりたいなあって‥」
歯切れの悪い詩絵美です。
「だったらもう少し作りやすいメニューもあるわよ」
「あ、あの、いや、やっぱりビーフストロガノフに憧れて‥」
ますますしどろもどろの詩絵美です。
「もしかして、ビーフストロガノフを詩絵美が好きな誰かに食べてもらいたいの?」
「え?そ、そんな人なんか、い、いないわよ」
顔を赤くしてモジモジ状態です。
「そうなの?私、ビーフストロガノフを好きな人を知っているから、もしかして?って思ったのよ」
驚きの表情で詩絵美は恵子を見つめます。
「貴浩くんがビーフストロガノフを好きなことやっぱり知ってたの?」
「え?貴浩くん?」
詩絵美はやってしまいました。
「え?あ、いえ、あの‥」
「そうだったんだ‥私、詩絵美のお父さんがビーフストロガノフを好きだって詩絵美のお母さんから聞いていたから、てっきりお父さんに作ってあげるのかなって思ってたのに‥貴浩くんに作ってあげるつもりだったのね。そうなんだ‥」
恵子は分かっていて詩絵美から聞き出そうとしましたが、いざ本当に分かると、詩絵美に振られたような寂しさを感じます。
「恵子、そうなの。私、貴浩くんのことが好きなの。付き合いたいって思ってるの」
詩絵美は恵子を見つめて、決意したように話しました。
恵子は詩絵美から視線を逸らして、調理の準備を始めます。
「そうよね。分かっていたわ。嫌な聞き方してごめんね」
恵子の目にうっすら涙が浮かびます。
(あ~あ、ふられちゃったよ。カミーユ、分かっていたんだけどね)
「恵子‥」
「私は詩絵美を応援しているわ。詩絵美の幸せは私の幸せよ」
「恵子、貴浩くんを愛していても、恵子は私にとって特別な存在よ。セックスをしたいと思う特別な関係よ。それは今までもこれからも変わらないわ」
恵子の手が止まりました。
「詩絵美、それは違うわ。もし貴浩くんと付き合うなら、私とセックスはできなくなるわ」
「え?」
「よく考えてみて。貴浩くんと付き合うとして、貴浩くんが詩絵美と私のセックスを許すと思う?もし貴浩くんが私とセックスするって言ったら、詩絵美は許すの?」
「それは‥‥」
詩絵美はYESとは言えないけど、NOでもないと思いました。
それだけ、恵子は特別な存在だったのです。
NOと言わない詩絵美に、恵子は少し戸惑いを感じました。
(なぜ明確にNOと言わないの。なぜ?)
貴浩と恵子のセックスを許容してでも、詩絵美は恵子とセックスしたいという思いが湧いていました。
ただ、実際にそういう話になったときどうなるかは、まだ詩絵美自身分からないと思い、恵子に答えることができないのでした。
恵子は詩絵美を見つめましたが、詩絵美は目を逸らして、視線が彷徨っていました。
「とにかく、美味しいビーフストロガノフを作れるようにしようよ、詩絵美。まずはそこからよ」
「そうね、まだ貴浩くんの恋人になれるって決まっているわけじゃないわ」
恵子は詩絵美を引き寄せ、抱きしめました。
詩絵美も強く抱きしめ返します。
何があっても詩絵美を応援したい、幸せにしたいと恵子は心に誓っていました。
「さあ、ビーフストロガノフ、作るわよ」
恵子は詩絵美に渡してあったレシピ通りに詩絵美に指示します。
今日は詩絵美に作り方を覚えてもらうため、すべて詩絵美が料理します。
詩絵美はぎこちない手つきながらも、恵子のアドバイス通りに取り組み、時にメモを取ったり、恵子が見本でするのをスマホで撮影したり、かなり本気モードです。
恵子も詩絵美の熱心さに、上手くいくように祈りながら、詩絵美に手解きします。
「うーん、結構難しいよー」
詩絵美が手を休めて、大きく伸びをします。
「詩絵美、結構上手よ。出来上がりが楽しみよ」
「恵子がいるからできるのよ。自力でって言われたら不安がいっぱいだよ」
「こればっかりは練習しかないわ。経験が大事よ」
「う、うん。そ、そうよね」
(でも家で練習したらパパやママに絶対突っ込まれちゃうわ‥)
何とか恵子からいろいろ吸収しようと奮闘する詩絵美の努力の成果で完成しました。
ビーフストロガノフとマカロニサラダの出来上がりです。
「ふうっ、やっと出来上がったわ」
「詩絵美、上出来よ。よく頑張ったわ」
「ふっふっふ、詩絵美さまが本気出すと朝飯前よ」
さっきまでの弱音が嘘のように上機嫌の詩絵美です。
「また変な奴がいるわ。確かに朝飯前ね、まだ夕食だからね」
「んもう、恵子、何よ、それ。せっかくお礼に美味しい目玉焼きの作り方を教えようと思ったのにひどい!」
そうプンプン顔をしながらも、すでにフライパンと油と卵を用意しています。
(いや、特に教えてもらわなくてもいいんだけどなあ)
それでもいざ作り始めると、詩絵美の表情が別人のような真剣な眼差しに変わりました。
油の引き方、卵の落とし方、時間などかなりこだわりを持ってやっているのがわかります。
(確かにこれはすごいわ)
恵子はしっかり動画に収めます。
前回一緒に朝食を作ったときは、恵子も料理していたため、気づいていななったことがいろいろ分かりました。
「はい、出来上がりよ。詩絵美スペシャル目玉焼きよ」
「詩絵美スペシャルは余分だけど、すごく美味しそうだわ」
「あー、また、ひどいよ、恵子!せっかく作ったのに」
「だから、美味しそうって褒めてるわよ」
「んもう、恵子!」
詩絵美のプンプンの表情に思わず笑う恵子です。
詩絵美もつられて笑います。
「恵子、いろいろありがとう。感謝してるのは本当よ」
「さっきも言ったけど、私は詩絵美を応援しているわ。さあ、いただきましょう」
詩絵美の目に涙が浮かびます。
何があっても恵子を失いたくないと、心に誓う詩絵美です。
「私もいただきまーす。ん、美味しい!さすが詩絵美さまね」
「はあ?」
「んもう、恵子!」
会話も料理も最高の夕食でした。
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