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第4章

貴浩の告白

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ソファに座り直した恵子はオナニーについて語り始めました。
「私、2年くらい前にこの白いハイウエストタイツを履いてオナニーすることを覚えたの。初めはとても体が気持ち良かったからオナニーをしていたけど、気持ちよくなるために自分の体を求めていると、そこにすべてをさらけ出している自分がいるってことにすぐに気づいたわ。まさにありのままの私なんだって。だから、白いハイウエストタイツを履いてオナニーすることこそが「恵子」そのものなんだと、今は自信を持ってオナニーしているわ。ただ、新しい自分も探してみたくて、それでいつものタイツではなくサイハイソックスで、屋内や庭じゃなく完全に外でオナニーしてみようって思い、今日初めて裏の草原でオナニーしたの。」
貴浩はオナニーについてあからさまに堂々と話す恵子を、かなり戸惑いながら見ていました。
貴浩にとってはオナニーはやはり恥ずかしいことでした。

「すごく気持ちよかったけど、裸は良くないって後で気付いたわ。貴浩くんが嫌な思いをしていたら本当にごめんなさい。」
「嫌な思いはしていないけど、正直驚いたんだよ。まさか恵子ちゃんがあんなオナニーするとは思っていなかったから。どうしても今日のうちに恵子ちゃんに会って昨日のこと謝りたいって思って来たら、電気はついていたけど出てこなかったから庭にいるのかなって思って裏へ廻ろうとしたんだ。そうしたら長いくつ下だけ履いた恵子ちゃんが庭から出てきてびっくりしたよ。それでどうするのかと気になり、後ろからついて行ったらオナニーし始めて‥覗くつもりはなかったんだけど、結果的に覗き見してごめんなさい。」
貴浩は立ち上がって頭を下げました。
「ううん、貴浩くんは悪くないわ。覗かれるようなことをした私が悪いのよ。頭なんか下げずに座ってよ。」
恵子は立ち上がって貴浩の側に行き、袖を引っ張り座るように促しました。
貴浩が座ると、恵子も貴浩の左横に並んで座りました。
貴浩はすぐ左隣にタイツ姿の恵子が座ったので、かなり心臓ドキドキで緊張しています。

「私、さっきも話したけど、オナニーも自信を持ってしているわ。気持ち良くしたいっていうのも私自身のありのままだし、自分の体を求めているときに本当の自分をさらけ出せるから、誇りを持ってオナニーしているの。」
「こんなことを言うのも変だけど、今日の恵子ちゃんのオナニー、長いくつ下の両脚や体がリズムよくしなっていて、本当に凄く気持ち良さそうに見えたよ。自信を持ってオナニーしてるからなのかな?」
「あの姿勢のオナニーは私のお気に入りなのよ。白い脚が上へグッと伸びる姿に興奮するし、その状態で特にバイブでオナニーすると本当に気持ちいいから。」
貴浩は恵子と話していると、オナニーのマイナスイメージがどんどん消えていきました。

「恵子ちゃんはどれくらいオナニーするの?」
貴浩は遠慮なく聞きました。
「ほとんど毎日よ。夜寝る前は必ずするし、夕方や朝にすることもあるわ。貴浩くんはどうなの?」
貴浩は逆に聞かれて動揺しましたが、恵子が本音で話しているので、何も隠さずに話そうと思いました。
「僕もほとんど毎日かな。男は射精するから何回もできるわけじゃないけどね。恵子ちゃん、オナニーでこだわってることあるの?」
恵子は躊躇いなく答えます。
「今日はサイハイソックスだったけど、いつもは必ずハイウエストタイツを履いてするわ。このシームレスタイツだと、真ん中に縫い目がないから、指やバイブをタイツごとヴァギナに挿入することができるからオナニーしやすいのよ。白いハイウエストタイツは私の象徴だし、私そのものだから必ず履いてオナニーするわ。」
「恵子ちゃん、幼稚園のころも白いタイツがトレードマークだったよね。」
「覚えてくれているんだ。ありがとう。男の人のオナニーってやっぱり射精のときが気持ちいいの?」
恵子が前から聞いてみたいことでした。
「厳密に言うと射精直前かな。溜め込んだ精液がペニスを上がってくる時が最高に気持ちいいんだよ。それを恵子ちゃんへの想いを込めて射精するんだよ。」

貴浩はすぐにしまったと気づきましたが、恵子にしっかりと聞かれました。
「貴浩くん、私への想いって‥‥冗談よね?」
貴浩は腹を括りました。
「冗談でそんなこと言わないよ。本気だよ。恵子ちゃんが大好きだ。心から愛しているよ。だからオナニーのときも、恵子ちゃんを愛してるって想いを込めて射精しているよ。」
恵子は信じられないといった表情です。
「どうして?なんで私なんかを‥‥」
「恵子ちゃんなんかじゃないよ。恵子ちゃんだからだよ。最高に可愛いし、最高にスタイルいいし、何より優しい性格が最高に素敵だよ。さらに白いタイツが最高に似合うし。」

(私なんかって言ってはダメよ。貴浩くんに愛されていることに自信を持ちなさい。)
カミーユの声が天国から聞こえてきました。
恵子は涙が止まりません。
「貴浩くん、そんなふうに思ってくれてありがとう。凄く嬉しいわ。」
恵子は思ってもみなかった貴浩の告白に素直に嬉しく思いました。
カミーユに告白されたときと同じような喜びが体内を駆け巡っていました。

「恵子ちゃんを本気で愛しているから、僕と付き合ってくれないか?恋人になって欲しいんだ。」
しばらくの沈黙の後、貴浩の熱い告白に恵子は被りを横に振りました。
「えっ‥‥」
貴浩はそれまでの恵子の様子から受け入れてもらえるだろうと思っていたため、予想外の反応に狼狽しました。

「貴浩くん、本当にごめんなさい。私を愛しているって言葉、思ってもみなかったから本当にありがとう。私に想いを込めて射精してくれるのもすごく嬉しいのよ。貴浩くんは私にとって心から大切な人なの。本当にかけがえのない人なの。でも恋人にはなれない。ならないわ。」
「どうして?他に好きな人がいる?」
恵子は黙って頷きました。
「一体誰?」
「それは答える必要はないわ。」
「あっ、ご、ごめん。気を悪くしたらごめん。」
「ううん、いいのよ。今、好きな人はいるわ。片思いだけどね。多分実らない恋だわ。それでもその人が好きなの。今はそれで幸せなの。」
恵子の目から再び涙が流れ落ちます。
貴浩はガックリ来て言葉が出ません。
ショックのドン底に突き落とされていました。




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