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妹の様子を伝えると、祖母は「そう……」と言って目を落とした。自分が母を産んだから、という苦しみも感じているのかもしれない。

そんな思いを感じて欲しくはなかったから、父も私も、妹のことであまり祖母に助けを求めることはなかった。

でももう、そんな強がりを言っている状況ではなくなっていた。私たちは藁にも縋る思いで、彼女にどうすればいいのか尋ねた。

「おそらくだけど」と、彼女は前置きして言った。

「彼女もそういう歳に差し掛かったということね」

「そういう歳って?」私は前のめりで尋ねた。

「女の子から、大人の女性に生まれ変わっていく歳よ。

私もその時期から、飲める血と飲めない血がはっきりと分かれてきた」

「その二つの血は、何が違うんです?」

父は震える声で尋ねた。どういうことか、何となくわかったのかもしれない。

「恋愛対象になりうる人の血かどうか。

特に、自分に好意を向けてくる人の血……端的に言えば自分に対して欲情する異性の血が、私にとっては最も抵抗なく飲め得る血だったわ」
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