君がいる今

mone♪

文字の大きさ
24 / 34

君がいる今 22話

しおりを挟む
―アキラー
とうとう文化祭一日目。
結局、午前は飾り付け製作班、午後は衣装製作班に分けて喫茶店の運営を担当することになった。
俺たちの学校は二日間にわたって行われる。
来場者と3年生には、投票権が渡され、来場者には帰る際に、3年生には最終日に一番良かったクラスに投票してもらう。
3年生には、最後の文化祭に時間をそこまで気にせず、自由に回って、友達や恋人との青春の思い出を作って欲しいということから、3年生には出し物やクラス展示などがない。
だから、先輩たちにも投票権が与えられる。
そのことをいいことに、3年生と交流の深い生徒たちは、自分たちのクラスに来るように、自分たちのクラスのステージを見てもらえるようにと毎年必死らしい。
俺たち、3組は他クラスよりも3年生と交流の深い生徒が少ないはずだが…
「なに…これ…」
「多すぎ!!」
午後から担当の美稀ちゃんと南ちゃんたちは教室に戻ってきた瞬間驚いた。
そう、思っていたよりも来場者はもちろん、3年生も多くて大盛況だ!
「こんなに多いなら、午後担当メンバーに午前担当メンバーを何人か加えないといけないな…」
「三上先生!」
担任の三上が横から提案した。
「それなら、アキラがいいと思いまーす!」
「なんでだよ!」
美稀ちゃんが、前のめりに言ってきた。
「だって、女子とばっかり話してそうだもん!だから…」
「いや、それは駄目だ。」
「何でですか!!」
「3年が多く来てくれている理由の一つがこいつだからだ。こいつには、休みついでに宣伝しに回ってもらう。」
美稀ちゃんは、呆然とした。
サッカー部での会話を聞いていた南ちゃんは、あ~あれかという表情で上を見ている。
部活内やその他の場所で、学年関係なく女子と交流があり、この顔でモテモテと言っていいくらい人気の俺は、いろんな人に「一日目の午前中は、3組に来てね~!俺の執事姿が見れるよ~」なんて宣伝をしていた。
その成果か、女子生徒客が多い。
これで優勝できたら、クラス全員俺に感謝するがいい!!
「ねぇ、あれって…」
美稀ちゃんが指をさした席を廊下で話している俺たち三人は教室入り口から覗いた。
そこには、以前新太に告白をしたいお先輩だった。
どうやら俺たちが話している間に来てくれていたみたいだ。
俺は、その席に向かっていった。
「お嬢様、楽しんでいただけていますか?」
「もちろん楽しんで…ってアキラくん!?」
「いおお嬢様でしたか。来てくれるとは思ってなかったので嬉しいです。」
「別に皆に言われたから来ただけであって、楽しみに来たわけじゃないからね!!それにあなたが午前中って聞いたからこの時間に来たのに…」
素を見せてから、ツンデレ感が増した先輩は、今日もツンデレ絶好調だ。
「じゃあ、先輩!!こっちで私たちと着替えましょ!!」
美稀ちゃんがニヤニヤしながら、俺たちのところに来た。
「え!?何??」
「さぁさぁ、行きましょ!!」
南ちゃんもノリノリでいお先輩に話しかけた。
いお先輩は、二人に着替え用の教室に連れてかれた。
いったい何を考えているんだか…

人数調節をして、メンバーチェンジをした。
交代したから、食べ物とか食べに行きたいけど、俺は新太たちが来るのを待たなければならない。
「アキラくん休憩行かないの?」
「ん~もう少ししてから行くかな~いお先輩は?」
南ちゃんは、俺の後ろを指さした。
振り返ると、猫耳メイド姿のいお先輩が恥ずかしそうに立っている。
「見ないで!!」
「可愛いじゃないですか~やっぱり猫メイド作っていて正解だった!!先輩に似合うと思ってた!」
美稀ちゃんと南ちゃんは2人してきゃっきゃしてる。
確かに似合っている…先輩は、ツンデレ猫ちゃんって感じがもう溢れまくっている。
なんか騒がしくなってきたし、ヘルプのおかげで、人も多くて邪魔になりそうだから廊下であいつらが来るのを待つか。
廊下を出ると丁度俺が待っていた2人が歩いているのが見えた。俺は角を使って隠れた。
「ほんとにあいついないんだよな?」
「ほんとだよ!今日は午前って言ってたって何回言ったらいいの?」
「分かったって。行けばいいんだろ!」
嫌々ながら、新太は俺らの教室に向かっている。
いいぞ、つとむ!ナイスだ。
「いらっしゃいませ……あらたくん!?!?」
「柏木さん…」
タイミングばっちり!丁度南ちゃんが出てくるなんてタイミング良すぎだろ。
新太の顔も恥ずかしそうに顔が赤くなってきている。
「あ、えっと…この衣装どうかな?」
「似合ってるよ…」
ぎこちない会話をする二人。
付き合いたてのカップルみたいだ。
早く付き合ってしまえばいいのに。
そしたらすぐハッピーエンドにいける。
そしたら、俺も…
「もう恥ずかしすぎる~!!」
「待って先輩!!」
急にいお先輩の大きな声が聞こえた。
「いおさん?」
平和すぎる二人の空間を気にせず教室から走り去っていったいお先輩。
なぜか、その走り去っていく先輩を追いかけていくつとむ。
先輩が走っていく理由はわかるが、なぜつとむが?
つとむって、もしかして…
そしたら、なぜか俺は2人のあとを追いかけていた。

二人が中庭で立ち止まったと同時に近くにあるパネルに隠れた。
「つとむくん、なんで追いかけてくるのよ」
「あ、いや…それは…体が勝手にといいますか…」
「何それ?分かった!新太達にあの事聞いたから、バカにしに来たんでしょ」
「そういうつもりじゃ…」
「ごめん、分かってるわよ。つとむくんがそんなこと考えるような人じゃないってことくらい」
つとむの様子を見て、なんとなく分かった。
あいつはいお先輩のことが好きなのかもしれない。
「そのメイド服可愛いですね…」
「どうせ、服が可愛いだけでしょ?」
「いえ、いおさん自身も可愛いです!」
「何よそれ…でもまぁ、ありがとう…」
もうこれは確信犯だな。
遠くから、いお先輩の友達の声がした。
いお先輩は、つとむに別れを告げ、友達のほうへ行った。
「な~に顔赤くしてんの??」
「ア、アキラくん!?」
後ろから、そーっと近寄り脅かした。
「まさか、恋愛に興味なさそうなつとむがいお先輩のことが好きだったとはね~」
「僕だって、恋愛くらいするよ!」
「否定しないんだ~」
「隠したってしょうがないし…」
「で、あれか?美稀ちゃんと同じで、小さい頃から好き的な?」
「まぁ、そんな感じ。そんなことより、新太達は?」
「そんなことって…まぁいいや。大丈夫!今頃、照れながら二人で話してるよ!どれもこれもあの空間を作ってんのはこの俺のおかげ!!」
俺は、つとむにドヤって見せた!!
するとつとむは、呆れ顔になった。
「あれもこれもって、新太を連れて行ったのは僕なんだけど?ほんとにアキラくんは…」
確かに、つとむがいなかったら、ここまで上手くいってなかったかもしれない。
まだまだ始まりにすぎないかもしれないのに、こんなにもつとむに感謝してしまう。
「ありがとう」
小声で、心の声が漏れた。
「何か言った?」
「何も言ってない!食べ物買って、新太迎えに行こうぜ!」
「ちょっ!待って!!そんなに走らなくても!!」

この先、お前にもっと世話になりそうだ。
だから、南ちゃんの恋だけじゃなく、お前の恋も実らせてやる。
絶対に実らせる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...