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第1章 辺獄妄執譚

第50話 神の従者達

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ピキニ・カイカイとマイスターが屋敷の復活場所に戻って来るとクリエイターは、チンギス・ハーンの能力と強さを二人から聞くと作戦を練る為に仲間達全員を集めた。

屋敷の会議室で一同は、それぞれ倒し方を模索したがチンギス・ハーンの能力の凶悪さに誰一人として、一人で勝てる自信のある者はいなかった。

そこで、最終的にクリエイターが作戦を提示した。

「まずは、敵の能力について話そう
奴は、配下が使った能力を得る能力だが、それは、途中で離反した者の能力も使えるのか?」

クリエイターが、エリザベス一世にそう尋ねると、エリザベス一世は

「いいえ、彼が配下が使った能力と言ったのは、死んだ配下の能力も使えると言う事で、離反した者の能力は使えないわ」

と、エリザベス一世が言うと、クリエイターは、

「では、君や君の部下、それにチューリングの物は使えないのか」

クリエイターが、そう言うとキング・メイソンが

「フランケンシュタイン達の船に乗っていた奴らは勝手に辺獄に帰ってしまったが、奴らはチンギス・ハーンの配下では無いのか?」

と、エリザベス一世に尋ねた。するとエリザベス一世は

「ええ、彼らは一緒については来ましたが、チンギス・ハーンの命令を聞いていた訳では無かったので、違います。ですが、彼らが殺した太陽神ルーと、邪眼のバロールの能力をチンギス・ハーンは使えます。」

と、言うとクリエイターは、それに対し

「その能力は?」

と、尋ねた。すると、エリザベス一世は

「彼らは、能力を持つ前からかなりの戦闘力を持っていたので、二人とも能力は不眠不休で戦える能力です」

と、応えたするとクリエイターは、今までの話を総括して

「では、状況を整理すると、チンギス・ハーンは重複している物も含めて29の能力を操れると言う事だな。
能力は、相手の恐怖を糧に力を得る能力
稲妻を操る能力
大地を操る能力
悪魔の様な精神状態になる能力
相手を昏倒させる能力
体を鋼鉄に変える能力
体を霧に変える能力
底なしのスタミナを得る能力
相手の体を変形させる能力
影を操る能力
刀の切れ味を格段に上げる能力
傷付けば傷つく程体が強化される能力×2
弓の貫通力が格段に増す能力
獣の様な凶暴性を身に付ける能力
相手を傷付ける程武装の性能が上がる能力
持っている武装の数が多い程武装が強化される能力
敵を倒す程力が増す能力
どんな相手にも武器が通用する能力
どんなに敵の数が多くても生き残る能力
槍の威力を格段に上げる能力
敵の動きの5秒先を読む能力
どんな相手にも銃が通用する能力
どんな武装も使いこなす能力
空を飛ぶ能力
水を操る能力
相手に承諾させた事を強制的に実行する能力
不眠不休で戦える能力で間違い無いな?」

と、エリザベス一世に尋ねた。エリザベス一世はそれに頷き、クリエイターは少し考え込んだ

「そうか……」

考え込むクリエイターに対し、エリザベス一世は加えて

「敵は、チンギス・ハーンだけでは無い事をお忘れなき様に、まだハーンの船だけでは無くこの艦隊のフラッグシップであるドレッドノート級もいます」

と、言った。すると、一同ははっとして

「そうだ、チンギス・ハーンは敵の親玉じゃ無いのか?
あのデカい船はなんだ!」

と、グラスホッパーが尋ねた。
すると、エリザベス一世は

「あの船は外観を辺獄の技術で舗装した聖遺物ノアの方舟です。
敵は、ヘラクレスを筆頭に英雄イアソンが率いる英雄達アルゴノーツ、彼らはハーンを従える程の力を持っているので、ハーンを倒せても彼らを倒すのは難しいですよ」

と、冷徹に淡々と事実を言った。
だが、それにはビン・ラディンが助け舟を出すようにこう応えた。

「確かに、彼らは強力だが、ノアの方舟には我々の仲間が囚われている助け出せば、かなりの戦力になるぞ」

と、言った。クリエイターは、その事実を踏まえさらに考える。すると、そこに他のメンバーとは遅れて、執事服を着たブラックアウト達が入って来た。

すると、ブラックアウトは周りの空気を読まずにクリエイターに話しかけ

「なあ、クリエイター敵が来てるんだろ?
俺達の出番はまだなのかよ
側近部隊とか言って訓練だけさせて全然お呼びがかからないじゃねえか。俺らも戦わせろよ!」

と、ブラックアウトがクリエイターに近づき馴れ馴れしくそう言うと、周りのなんだコイツはと言う空気を察して同じく執事服を着たイカロスが

「お、おいブラックアウト、今はタイミング少し悪い様だぞ」

と、耳打ちすると、ブラックアウトは

「なんだよ相棒、大丈夫だってどうせ行き詰まってたんだろ?
だったら俺達が解決してやるよ
お前らもそう思うだろ?」

と、一緒に部屋に入ってきた5人のゴッシクロリータ色の強いメイド服を来た少年達に尋ねると、その中の一人が

「バカ、ブラックアウト!
神様達どう見ても大事な話してるじゃん!
出直そうよ!」

と、言うとブラックアウトは、

「おいおい、ボマ……」

と、言いかけた所でメイド服の少年に睨まれ、慌てて言い直し

「スパークル、お前もクリエイターの役に立ちたいだろ?」

と、尋ねると、スパークルは

「そりゃ~、神様の役には立ちたいけど~」

と、少し困った様に言いクリエイターは、それを見て、決心が固まった様子で

「そうだな、君達に役にたって貰おうか」

と、優しく言った。

すると、それを聞いたブラックアウト達は

「よっしゃー!
な、こう言うのは自分でアピった方が良いんだよ!」

と、はしゃぐと、スパークル達も

「わ~い!
初仕事だ~!
神様!僕頑張るよ!」

と、言った。すると、クリエイターはそれを聞いて、

「ああ、頼むよ」

と、言った。喜ぶブラックアウト達とは真逆に、マイスターは不安そうに

「おい、本当にそいつら大丈夫なのか?」

と、少し馬鹿にした様に言うと、スパークルはむくれて

「もう!
僕達を馬鹿にしないで!」

と、言った。
すると、ちょうどそこにルム達が紅茶を持って部屋に入ってきた。

「ご主人様~
会議は順調ですか~?
少し、休まれた方が良いかと思って持ってきました~」

と、ルムが言うとクリエイターは、

「ああ、ありがとう
ちょうど、一段落ついた所だ」

と、言うとマイスターは

「まだ、ついてない」

と、呟いた。クリエイターが、それに苦笑いをすると、ルムは

「じゃ、じゃあ、ひとまず休憩してください」

と、慌ててカップを運び始めた。スパークルは、それを見て

「あ、僕らも手伝う~」

と、言って他のメイド達と一緒にルム達の手伝いをした。イカロスもそれに混ざり、紅茶を注いでいたが、ブラックアウトは、クリエイターの横で、クリエイターに椅子を出して貰い寛いでいた。

スパークルが、マイスターにカップを持っていき、全員のカップが揃った所でまた、会議を再開した。会議が再開されるとクリエイターは、

「では、君達は僕の側近の実力を知らないので、少し不安な所はあるだろうが、採取的な作戦を伝える
ノアの方舟の乗り組み員は、かなり強敵と言う事なので、そちらに主力を回す。
言ってもらうのは、僕と僕の側近、ルム達、聖以外の全員だ」

と、クリエイターが、言うと一同驚いたが、ルム達と聖がいると言う事もあり、納得した。

皆の動揺が収まった所で、クリエイターは、

「チンギス・ハーンを倒した後、僕らも其方に合流する
では、各々の健闘を祈る
僕の側近達は、これから僕と一緒に最終調整に入るので工房までついて来てくれ」

と、言うとクリエイターは、側近達を連れて工房へと向かっていった。
最後に部屋を出たスパークルは、ドアを閉める前に、マイスターの方を見て

「べーだ!」

と、舌を出してから部屋を出た。

パイロは、それを見てマイスターに

「ははははは!
早速嫌われたなマイスター!」

と、からかうと、マイスターは

「私は、当然の事を言ったまでだ
奴らは、戦えるかすら怪しい」

そう言いながら、マイスターがカップを取ると

突如、カップが光り部屋全体を包む程の大爆発が起きた。

各々ナノマシン発生装置を起動していたのと、聖遺物から黄金の粒子を出していたので、死にはしなかったが、かなりのダメージを受けた。爆発をもろにくらったマイスターは、窓から庭まで吹き飛びクリエイターの花壇の上に転がって花を潰しながら、背中についたアームを伸ばして着地し

「ああ、大丈夫だな」

と、呟いた。
他のメンバーは、瓦礫を押しのけながら、窓に近づき一斉にマイスターに

「「「「もう、二度と能力者を侮るな!」」」」

と、怒鳴った。
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