6 / 190
6話 桃色青春高校 vs スターライト学園
しおりを挟む
龍之介が率いる【桃色青春高校】と夏の王者【スターライト学園】の試合が始まろうとしていた。
先攻は【桃色青春高校】。
マウンドに立つのは、【スターライト学園】のエースナンバーを背負ったハルカ。
彼女が投球練習を行う。
(へぇ……。相変わらず、コントロールが良いな……)
龍之介が感心しながら彼女のピッチングを見る。
ストレートの伸びも悪くない。
龍之介とハルカがチームメイトであった中学3年生時代と比べても、順調にレベルアップしているように見える。
『プレイボール!』
審判ロボが宣言し、試合が始まる。
人間の野球選手を尊重するため、野球ロボの性能は抑えられている。
だが、審判については性能の制限がない。
2099年になった今、限りなく正確なジャッジができるようになっていた。
『1番、ライト、ロボ1号』
アナウンスロボの声に応じ、先頭打者がバッターボックスに入る。
そして、初球。
『ストライク!』
まずはワンバンのスローカーブ。
ボール球だ。
しかし性能を抑えられたロボ1号では見極められず、振ってしまう。
「うーん……変化球も成長しているな……」
龍之介は感心する。
続いて、2球目。
『ストライーク!』
今度はシンカーだった。
これもロボ1号のバットはかすらない。
『ストライクー! バッターアウッ!!』
最後はド真ん中へのストレート。
それを見逃してしまい、ロボ1号はあっという間にアウトになってしまった。
続く2番バッターのロボ3号も、同じく三球三振。
「うーん……。やっぱり、ロボでは甲子園の優勝投手は打てないか。――ん?」
『ボールフォア!!』
「なにっ!?」
3番のロボ0号が四球で出塁した。
予想外の出来事に、龍之介が驚く。
続く4番打者としてバッターボックスに入った彼は、ニヤリと笑う。
「くっくっく。2者連続の三振はさすがだと思ったが……。コントロールが乱れているんじゃないか? ハルカ」
「…………」
「黙っているということは図星か。やはり、この試合は俺の――うっ!?」
『ストライークッ!!!』
龍之介の横を通り過ぎていく白球。
彼は、その球速に驚いた。
「な、なんだ今のスピードは……。150kmは出ていたんじゃ……。それに、このキレ……。今までとはものが違う」
「当たり前じゃない。ウォーミングアップとかロボット相手とかに、全力投球なんてしないわよ」
「くっ……!」
動揺する龍之介に対して、ハルカが冷静な口調で言う。
彼女は投球動作に入りながら、彼に話しかける。
「龍之介。あなたはどうして野球を辞めたの? 高校でも一緒に野球ができるって思っていたのに……。なんで突然いなくなったのよ?」
「そんなこと、お前には関係ない。――くっ!!」
2人の思い出話をしながら、ハルカはボールを投げた。
――ズバーン!!
150km超えのフォーシームがキャッチャーミットに収まる。
ハルカだけでなく龍之介も、中学野球の優勝メンバーだった。
だが、煩悩不足により衰えた今の龍之介ではかすらせることもできない。
「別の高校で野球部に入るのかと思ったら、1年以上もフラフラしていただけなんて……! 才能の無駄遣いじゃない!!」
「うるさい……! お前に言われる筋合いは――」
『ストライッ! バッターアウト!!』
4番の龍之介までもが三球三振に倒れ、1回の表が終わる。
次は、【スターライト学園】の攻撃だ。
甲子園優勝校の強力打線を、龍之介は抑えることができるのか?
――現実はそう甘くなかった。
『ボール! フォア!!』
龍之介が3番バッターに四球を与えてしまう。
1番・2番の連打に続く四球。
これで満塁となってしまった。
「はぁ……、はぁ……。くそ……。こんなはずじゃ……」
「どうしたの? もう限界? 球威もコントロールもカス同然……。中学野球の優勝投手も、落ちぶれたものね」
「うるせぇ……! まだ、試合は始まったばかりだ!!」
ハルカの暴言を受け、龍之介はなんとか自分を奮い立たせようとする。
しかし、彼の体は正直だった。
次の打者である4番ハルカに対しても、まともに投げることができない。
『ボールスリィー!!』
(チッ! まともにストライクが入らねぇ……! エロパワーがない俺は、ここまで下手くそだったのか……!! それになぜか、中学の頃よりもハルカが大きく見えやがる……!!)
龍之介が悔しさで歯ぎしりする。
そして、彼が4球目に選んだコース。
押し出し四球を恐れた甘い球。
それをハルカは見逃さなかった。
「これが……今のあんたの球なのね……」
カキーン!!
快音とともに、打球がレフト線へと飛んでいく。
外野を守るロボが走るが、到底追いつけない。
その間に、白球はどんどん遠ざかっていった。
「龍之介……。あんたの才能は、もう終わったわ。自分のバカな選択を呪いなさい……」
ハルカは失望の表情と共に、ダイヤモンドを回る。
これで【スターライト学園】が4点を先制。
なおもノーアウトのまま。
――その後も龍之介はしこたま打たれ続けた。
性能を抑えられている野球ロボも足を引っ張った。
ならば反撃しろと言われるかもしれないが、そちらもハルカの球威と多彩な変化球の前に押されっぱなし。
結局、試合は3回裏の【スターライト学園】攻撃中に龍之介がギブアップを申し入れた。
【桃色青春高校】0-30【スターライト学園】 3回途中ギブアップ
龍之介が率いる【桃色青春高校】の初陣は、凄まじい程の大敗で終わったのであった。
先攻は【桃色青春高校】。
マウンドに立つのは、【スターライト学園】のエースナンバーを背負ったハルカ。
彼女が投球練習を行う。
(へぇ……。相変わらず、コントロールが良いな……)
龍之介が感心しながら彼女のピッチングを見る。
ストレートの伸びも悪くない。
龍之介とハルカがチームメイトであった中学3年生時代と比べても、順調にレベルアップしているように見える。
『プレイボール!』
審判ロボが宣言し、試合が始まる。
人間の野球選手を尊重するため、野球ロボの性能は抑えられている。
だが、審判については性能の制限がない。
2099年になった今、限りなく正確なジャッジができるようになっていた。
『1番、ライト、ロボ1号』
アナウンスロボの声に応じ、先頭打者がバッターボックスに入る。
そして、初球。
『ストライク!』
まずはワンバンのスローカーブ。
ボール球だ。
しかし性能を抑えられたロボ1号では見極められず、振ってしまう。
「うーん……変化球も成長しているな……」
龍之介は感心する。
続いて、2球目。
『ストライーク!』
今度はシンカーだった。
これもロボ1号のバットはかすらない。
『ストライクー! バッターアウッ!!』
最後はド真ん中へのストレート。
それを見逃してしまい、ロボ1号はあっという間にアウトになってしまった。
続く2番バッターのロボ3号も、同じく三球三振。
「うーん……。やっぱり、ロボでは甲子園の優勝投手は打てないか。――ん?」
『ボールフォア!!』
「なにっ!?」
3番のロボ0号が四球で出塁した。
予想外の出来事に、龍之介が驚く。
続く4番打者としてバッターボックスに入った彼は、ニヤリと笑う。
「くっくっく。2者連続の三振はさすがだと思ったが……。コントロールが乱れているんじゃないか? ハルカ」
「…………」
「黙っているということは図星か。やはり、この試合は俺の――うっ!?」
『ストライークッ!!!』
龍之介の横を通り過ぎていく白球。
彼は、その球速に驚いた。
「な、なんだ今のスピードは……。150kmは出ていたんじゃ……。それに、このキレ……。今までとはものが違う」
「当たり前じゃない。ウォーミングアップとかロボット相手とかに、全力投球なんてしないわよ」
「くっ……!」
動揺する龍之介に対して、ハルカが冷静な口調で言う。
彼女は投球動作に入りながら、彼に話しかける。
「龍之介。あなたはどうして野球を辞めたの? 高校でも一緒に野球ができるって思っていたのに……。なんで突然いなくなったのよ?」
「そんなこと、お前には関係ない。――くっ!!」
2人の思い出話をしながら、ハルカはボールを投げた。
――ズバーン!!
150km超えのフォーシームがキャッチャーミットに収まる。
ハルカだけでなく龍之介も、中学野球の優勝メンバーだった。
だが、煩悩不足により衰えた今の龍之介ではかすらせることもできない。
「別の高校で野球部に入るのかと思ったら、1年以上もフラフラしていただけなんて……! 才能の無駄遣いじゃない!!」
「うるさい……! お前に言われる筋合いは――」
『ストライッ! バッターアウト!!』
4番の龍之介までもが三球三振に倒れ、1回の表が終わる。
次は、【スターライト学園】の攻撃だ。
甲子園優勝校の強力打線を、龍之介は抑えることができるのか?
――現実はそう甘くなかった。
『ボール! フォア!!』
龍之介が3番バッターに四球を与えてしまう。
1番・2番の連打に続く四球。
これで満塁となってしまった。
「はぁ……、はぁ……。くそ……。こんなはずじゃ……」
「どうしたの? もう限界? 球威もコントロールもカス同然……。中学野球の優勝投手も、落ちぶれたものね」
「うるせぇ……! まだ、試合は始まったばかりだ!!」
ハルカの暴言を受け、龍之介はなんとか自分を奮い立たせようとする。
しかし、彼の体は正直だった。
次の打者である4番ハルカに対しても、まともに投げることができない。
『ボールスリィー!!』
(チッ! まともにストライクが入らねぇ……! エロパワーがない俺は、ここまで下手くそだったのか……!! それになぜか、中学の頃よりもハルカが大きく見えやがる……!!)
龍之介が悔しさで歯ぎしりする。
そして、彼が4球目に選んだコース。
押し出し四球を恐れた甘い球。
それをハルカは見逃さなかった。
「これが……今のあんたの球なのね……」
カキーン!!
快音とともに、打球がレフト線へと飛んでいく。
外野を守るロボが走るが、到底追いつけない。
その間に、白球はどんどん遠ざかっていった。
「龍之介……。あんたの才能は、もう終わったわ。自分のバカな選択を呪いなさい……」
ハルカは失望の表情と共に、ダイヤモンドを回る。
これで【スターライト学園】が4点を先制。
なおもノーアウトのまま。
――その後も龍之介はしこたま打たれ続けた。
性能を抑えられている野球ロボも足を引っ張った。
ならば反撃しろと言われるかもしれないが、そちらもハルカの球威と多彩な変化球の前に押されっぱなし。
結局、試合は3回裏の【スターライト学園】攻撃中に龍之介がギブアップを申し入れた。
【桃色青春高校】0-30【スターライト学園】 3回途中ギブアップ
龍之介が率いる【桃色青春高校】の初陣は、凄まじい程の大敗で終わったのであった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる