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7話 ウェイトリフティング部のミオ

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 龍之介が率いる【桃色青春高校】は、夏の覇者【スターライト学園】に大敗した。
 そして、1週間以上が経過し、9月に入った。

「はぁ~。どうしたもんかねぇ……」

 龍之介は、大きなため息をつく。
 あれから何度も練習したが、なかなか上手くいかない。
 中学時代の感覚が戻らないのだ。

「別に、怪我をしたっていうわけでもないのになぁ……。やっぱり、エロパワーが必要なのか……」

 龍之介は、自身の能力やチームの状況を再整理する。


<個人データ>

龍之介
右投げ左打ち
ポジション:投手
最高球速100km 制球力G 持久力F 変化球G
ミートF パワーE 走塁力G 送球力G 守備力G
【煩悩の力】チームメイトに女子選手がいると能力アップ
【積極恋愛】恋愛に積極的になる
【夜の帝王】前*やセ**スの才能がある


<ロボデータ>

ロボ0号 ミートF パワーF 走塁力G 送球力G 守備力G
ロボ1号 ミートF パワーG 走塁力F 送球力G 守備力G
ロボ2号 ミートF パワーG 走塁力G 送球力F 守備力G
ロボ3号 ミートF パワーG 走塁力G 送球力G 守備力F
ロボ4号 ミートG パワーF 走塁力F 送球力G 守備力G
ロボ5号 ミートG パワーF 走塁力G 送球力F 守備力G
ロボ6号 ミートG パワーF 走塁力G 送球力G 守備力F
ロボ7号 ミートG パワーG 走塁力F 送球力F 守備力G
ロボ8号 ミートG パワーG 走塁力F 送球力G 守備力F
ロボ9号 ミートG パワーG 走塁力G 送球力F 守備力F


<ベストオーダー>

1番右・ロボ1・FGFGG
2番一・ロボ3・FGGGF
3番左・ロボ0・FFGGG
4番投・龍之介・FEGGG
5番二・ロボ4・GFFGG
6番三・ロボ5・GFGFG
7番中・ロボ8・GGFGF
8番遊・ロボ7・GGFFG
9番捕・ロボ9・GGGFF

投手・龍之介
最高球速100km 制球力G 持久力F 変化球G

ベンチ
ロボ2、ロボ6

チーム全体評価
打撃G 走塁G 守備G 投手G 控え選手G 総合力G


 どこをどう見ても、選手力が不足している。
 野球ロボの低性能さは仕方ないだろう。
 そもそもが補欠要員として調整されたものだからだ。
 これでも雑用を任せたらかなり有能である。
 龍之介以外のポジションも全て人間で埋め、ロボを控えに回すことが最優先事項だろう。

「最終目標は1年後の夏大会で優勝することだが……。その前の小目標として、秋大会では勝ちを経験しておきたいところだ。最低でも1回戦突破、できれば2回戦や3回戦も勝っていきたい」

 今は9月。
 秋大会の1回戦は、10月に行われる。

「それまでに戦力を整えたいな。投手は俺でいいとして、後は野手を8人か。最低でも2人くらいは1回戦までにほしい」

 ハルカ率いる【スターライト学園】は夏の覇者だ。
 それに比べれば、秋の地方大会1回戦で当たる相手はそこまで強くないだろう。
 強力なメンバーが2人も加入してくれれば、勝ちも狙える。
 龍之介はそう分析していた。

「問題はどうやって勧誘するか。そして誰を勧誘するかだが……。――ん?」

「どっせーいっ!!」

 龍之介が考え事をしていると、何やら元気の良い声が聞こえてきた。
 グラウンドではなく、校舎の方からだ。

「今の声は……?」

 声につられ、龍之介は校舎内のとある部屋へと向かう。
 そこは、ウェイトリフティング部の練習場所。
 扉を開けると、そこには筋肉ムキムキの美少女がいた。
 背は小さく、黒髪ショートのパワフルな少女である。

「おぉっ!?」

 龍之介が驚く。
 なぜならば、その美少女は上半身に何も身に着けていなかったからである。
 つまり、おっぱい丸出しだった。
 下半身にはさすがにトレーニングウェアのズボンを履いており、【ミオ】という刺繍が入っている。

「……? 何か、視線を感じますね……」

「すまん、それは俺だ。いや~、素晴らしいおっぱいを見せてもらったよ。それに、筋肉もいいな。小さい体なのに、よく鍛えられている」

「えっ? はっ……?」

 龍之介の言葉を聞き、少女はバーベルを床に置いて振り向く。
 すると、その表情がみるみると赤くなっていった。

「お、男の人!? どうしてここに!?」

「いや、別にいてもおかしくないだろ? この桃色青春高校は共学なんだしさ」

「で、でもっ! 話では、1人しか男子生徒はいないって!!」

「だから、俺がその男だよ。素晴らしいおっぱいを見せてくれて、ありがとうな」

 龍之介は爽やかな笑顔で言った。
 この男は、女の子の胸を見て喜ぶことに抵抗がないらしい。

「あ、あなたが噂の……! は、はわわ! どうしよう――って、わあっ!?」

 狼狽する少女。
 彼女はバランスを崩し、そのまま倒れそうになる。

「危ない!」

 龍之介は慌てて彼女を抱き留めた。
 柔らかい感触が伝わってくるが、そんなことを気にしてはいられない。
 2人は一緒に床へ倒れた。
 そして――

「いてて……。大丈夫かい?」

「ひゃん! だ、ダメです! そ、そこ……!」

「ん? ここがどうかしたのか? 何だかとても良い感触だが……」

「そ、そこは……! あぁ……!!」

 龍之介は倒れた拍子に、彼女の胸の先端を摘まんでいた。
 彼は不意に訪れたその素晴らしい感触を味わうように、つい指を動かしてしまうのだった。


※再度の表記となりますが、この作品は2100年前後における甲子園球児を扱った野球フィクションです。
 未来では義務教育が長期化しており、20歳で高校一年生となります。
 つまり、この作品に登場する女子高生は全員が成人していることになります。
 あらかじめご了承ください。
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