上 下
7 / 32
初夜

漆 花蜜溢る

しおりを挟む
 秀吉が幾度となく舐めとっても、茶々の泉はれなかった。泉の水は次々と溢れた。 
 (これは…、なんとも楽しみなお躰じゃ。) 
 秀吉は、己が茶々の躰に溺れていくであろうと、ぼんやりと予感した。 

 男は、節くれだった指を一本、黙って泉へ潜らせる。茶々はスルリと迎え入れ、ヒクヒクとまとわりついた。 
 少し動かしてみるが、嫌がる気配も、痛そうな様子も伝わってこない。 
 それどころか、小さな実を擦りながら、中の指を泳がせると、躰をくねらせている気配がする。 
 (ふむ。これはこれは……) 
 秀吉は、指をさらに一本増やしてみた。 

「あぁっ…」 
 茶々が、ひときわ大きな声をあげ、息を呑む。 
「痛うござるか?」 
 秀吉は、すぐに指を引き抜いた。 
「……いえ……大事のう…ござりまする……ぉ続け…くださりませ……」 
 時々、息を整えるように茶々の言葉は途切れ途切れであった。 
 秀吉はゆっくりと指を滑らせる。 
 泉の水が溢れ出す、湿った淫靡いんびな音が響いた。 
 秀吉の指は、泉の中だけでなく、実の上を、柔らかな餅の上とあちこちへ動く。 

「感じるままに声をおあげなされ。辛抱なさいまするな。」 
「…あっ…うっぅうう……」 
「ほれ、お茶々。」 
「あぁぁーーっ、あぅっ…」 
「まだまだ。」 
「あっ…ぁぅ…はくぅん…くっはうっぁぅ…あっ、あぁぁ、あっ…」 
「さぁ、気を飛ばしなされ。」 
「あっ、あっ、っつ、うくっ…あぁ、あぁ、あぁ、うぅぅっっ…」 
「ほれ、辛抱などせず……」 
「ひぅっ…あん、あぅっ…ひっ、んあぁうぁあぁぁーーっ!」 
 躰が反り返った茶々の中で、なにかが弾けた。 
 ここでは、ただの女でよかった。なんの重荷も背負わなくてよかった。 
 重荷は、殿下が肩代わりしてくださる。 
 茶々は、秀吉という仇からいつの間にか、離れられなくなろうとしていた。 

 荒い息を繰り返す茶々のなめらかな髪を秀吉は撫でる。 
「よき女子じゃ。このようによき女子とは……」 
「…殿下…」 
「よき女子じゃぁ。」 
 秀吉は、今にも泣き出さんばかりの声をあげた。 
「…殿下、まだ茶々は女になっておりませぬ…」 
「…よいのでござるか…」 
「…殿下の女になるために…わたくしはここに参ったのでございます」 
 茶々は、もう迷わなかった。いもうとのせいにもしなかった。自分が秀吉を求めていた。 


 茶々のなよやかな願いを秀吉は万感の想いで聞く。
「…では…」 
 恭しく答えた秀吉が、再び茶々の水をたたえた深い淵を擦りあげる。 
 茶々からは、あっという間に甘く荒い息が漏れた。 
 秀吉は麻着物の裾をからげ、茶々の脚をそっと開いて大事そうに抱える。 
 秀吉のものはするりと茶々の中に滑り込んだ。 

 たぎってはいたが、小柄な秀吉にふさわしく、未通女おとめを苦しめるほどの大きさはなかった。しかし、先が少し歪むように膨らみ、茶々の泉の中で、柔らかな崖を穿うがつように泳ぎ暴れた。 
 己のからだを小さな実に擦りつけながら、秀吉は円を描くように動く。 
 茶々は身もだえしながら、先程の快感に似た波が、また躰の中に現れるのを感じている。 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

官能令嬢小説 大公妃は初夜で初恋夫と護衛騎士に乱される

絵夢子
恋愛
憧れの大公と大聖堂で挙式し大公妃となったローズ。大公は護衛騎士を初夜の寝室に招き入れる。 大公のためだけに守ってきたローズの柔肌は、護衛騎士の前で暴かれ、 大公は護衛騎士に自身の新妻への奉仕を命じる。 護衛騎士の目前で処女を奪われながらも、大公の言葉や行為に自分への情を感じ取るローズ。 大公カーライルの妻ローズへの思いとは。 恥辱の初夜から始まった夫婦の行先は? ~連載始めました~ 【R-18】藤堂課長は逃げる地味女子を溺愛したい。~地味女子は推しを拒みたい。 ~連載中~ 【R-18有】皇太子の執着と義兄の献身

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...