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初夜
陸 花開く
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目隠しをしたまま動かない秀吉が、茶々には怒っているように見える。そして、自分の脚の間はジンジンとしている。
どうしたらまた秀吉が続けてくれるのか…茶々はぼんやりした頭で考えた。
(あぁ…どうすれば…)
『閨では慎み深く、殿方の言うようになさいませ。』
乳母の言葉を思い出す。
(しかし、殿下は何もお求めにならぬ……)
『なぶってほしいと言うておりまするな。』
秀吉の言葉を思い出すと、躰が疼いた。
(なぶられる…の…か……)
そう思うと恐ろしいはずなのに、躰の芯が熱くなる。
(あぁ、誰か茶々を助けてくだされ……)
茶々は我が身の火照りをどうしてよいかわからず、泣きそうになっていた。
秀吉は、茶々が脚をモジモジと擦り合わせ、その身を持て余しているのを全身で感じていた。
茶々の躰からは、もう女の匂いが充分に立ち上っている。同じ香りをまとった己の指を、秀吉はペロリとしゃぶった。
(充分に女子じゃ。)
自分を触った指を満足そうに舐める秀吉を見て、茶々の足の間がうずく。
と同時に、男の満足そうな顔に(このまま終わってしまうのではないか)という不安が、胸に溢れた。
(嫌じゃ。誰か茶々を助けてくだされ、殿下っ…)
秀吉はのんびりと座って動かないでいる。
のんびりと座ったまま、茶々の不安を感じてはいたが、まだ動く時ではないと堪えていた。
(『殿方のいうとおり』にすればよいのか?)
茶々は『慎み深く』という乳母の言葉を投げ捨てた。
「……殿下……茶々を…茶々を…なぶってくださいまし……」
小さく、なよやかな声がした。
きっと茶々は頬を染め、惑いながら、恥じらいながら、やっと声を出しているのであろう。
秀吉は茶々の顔を思い描きながら、己の勝ちを確信した。
「茶々様…」
「茶々と言うてくださいまし……」
「…茶々…」
「茶々を女にしてくださいまし…」
秀吉は茶々の顔を探り当て口づけをする。口づけをしながら、小さな実をブルブルと震わせた。
茶々の声が荒く、高く、女の声になる。
(これは、これは……)
何人も名のある姫を側室としているが、ほとんどが人形のようであった。しかし、初めてだというのに、十八だというのに、茶々の女としての乱れよう、力強さはどうであろう。
(茶々様なら、わしの子を生んでくれるやもしれぬ。)
そう思うと秀吉は、思わず茶々の秘されていた泉に口づけた。祈りを込めて。
「はうっん…」
茶々の躰が、ビクリと波打つ。
秀吉の白髪混じりの小さな頭が、乙女の引き締まった太ももの間で、モゾモゾと動いた。
ピチャピチャという、なにかを舐める音が、静寂に響く。
えもいわれぬ快感に、茶々は身をくねらせ、声をあげた。
「あうっ……あん…あっ、あっ、ひぃっ、くぅっん……あぅっ……あぁ…あーっ…いや、いやじゃ…あぁぅぁーっ、母上、ははうえぇ……」
気がおかしくなりそうな悦びと、我が身の変化の怖ろしさに茶々はすすり泣いた。
「そうです。我慢などなさらず助けを求めなされ。」
「あぁ…殿下…」
「誰にも頼れず、寂しゅうござったのですな。お市様の代わりに、お父上の代わりに、某が茶々様を守りまする。秀吉がおりまする。」
「…殿下…」
茶々は、今まで、これほどまでに自分を解ってくれる人を知らなかった。茶々の嗚咽が漏れる。
「泣いてはなりませぬ。某がおりまする。」
秀吉が父親のようにやさしく頭を撫でた。
「まずは、あなたさまの躰の中の女の炎を御してみせましょう。こらえずに、声をお出し遊ばされ。秀吉が受け止めてしんぜよう。」
再び、秀吉は茶々の脚の間に顔を埋めた。
茶々は高く、あでやかに嬌声を響かせる。
そこにいるのは、誇り高い浅井の姫ではなく、側室という身を悲しむものではなく、十八の娘でもなく、殿方を求めるただの女であった。
どうしたらまた秀吉が続けてくれるのか…茶々はぼんやりした頭で考えた。
(あぁ…どうすれば…)
『閨では慎み深く、殿方の言うようになさいませ。』
乳母の言葉を思い出す。
(しかし、殿下は何もお求めにならぬ……)
『なぶってほしいと言うておりまするな。』
秀吉の言葉を思い出すと、躰が疼いた。
(なぶられる…の…か……)
そう思うと恐ろしいはずなのに、躰の芯が熱くなる。
(あぁ、誰か茶々を助けてくだされ……)
茶々は我が身の火照りをどうしてよいかわからず、泣きそうになっていた。
秀吉は、茶々が脚をモジモジと擦り合わせ、その身を持て余しているのを全身で感じていた。
茶々の躰からは、もう女の匂いが充分に立ち上っている。同じ香りをまとった己の指を、秀吉はペロリとしゃぶった。
(充分に女子じゃ。)
自分を触った指を満足そうに舐める秀吉を見て、茶々の足の間がうずく。
と同時に、男の満足そうな顔に(このまま終わってしまうのではないか)という不安が、胸に溢れた。
(嫌じゃ。誰か茶々を助けてくだされ、殿下っ…)
秀吉はのんびりと座って動かないでいる。
のんびりと座ったまま、茶々の不安を感じてはいたが、まだ動く時ではないと堪えていた。
(『殿方のいうとおり』にすればよいのか?)
茶々は『慎み深く』という乳母の言葉を投げ捨てた。
「……殿下……茶々を…茶々を…なぶってくださいまし……」
小さく、なよやかな声がした。
きっと茶々は頬を染め、惑いながら、恥じらいながら、やっと声を出しているのであろう。
秀吉は茶々の顔を思い描きながら、己の勝ちを確信した。
「茶々様…」
「茶々と言うてくださいまし……」
「…茶々…」
「茶々を女にしてくださいまし…」
秀吉は茶々の顔を探り当て口づけをする。口づけをしながら、小さな実をブルブルと震わせた。
茶々の声が荒く、高く、女の声になる。
(これは、これは……)
何人も名のある姫を側室としているが、ほとんどが人形のようであった。しかし、初めてだというのに、十八だというのに、茶々の女としての乱れよう、力強さはどうであろう。
(茶々様なら、わしの子を生んでくれるやもしれぬ。)
そう思うと秀吉は、思わず茶々の秘されていた泉に口づけた。祈りを込めて。
「はうっん…」
茶々の躰が、ビクリと波打つ。
秀吉の白髪混じりの小さな頭が、乙女の引き締まった太ももの間で、モゾモゾと動いた。
ピチャピチャという、なにかを舐める音が、静寂に響く。
えもいわれぬ快感に、茶々は身をくねらせ、声をあげた。
「あうっ……あん…あっ、あっ、ひぃっ、くぅっん……あぅっ……あぁ…あーっ…いや、いやじゃ…あぁぅぁーっ、母上、ははうえぇ……」
気がおかしくなりそうな悦びと、我が身の変化の怖ろしさに茶々はすすり泣いた。
「そうです。我慢などなさらず助けを求めなされ。」
「あぁ…殿下…」
「誰にも頼れず、寂しゅうござったのですな。お市様の代わりに、お父上の代わりに、某が茶々様を守りまする。秀吉がおりまする。」
「…殿下…」
茶々は、今まで、これほどまでに自分を解ってくれる人を知らなかった。茶々の嗚咽が漏れる。
「泣いてはなりませぬ。某がおりまする。」
秀吉が父親のようにやさしく頭を撫でた。
「まずは、あなたさまの躰の中の女の炎を御してみせましょう。こらえずに、声をお出し遊ばされ。秀吉が受け止めてしんぜよう。」
再び、秀吉は茶々の脚の間に顔を埋めた。
茶々は高く、あでやかに嬌声を響かせる。
そこにいるのは、誇り高い浅井の姫ではなく、側室という身を悲しむものではなく、十八の娘でもなく、殿方を求めるただの女であった。
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