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澪ちゃんがやってきた(というか逃げてきた)
その4
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「……こんなデブスとソウルメイトって、気を悪くしたらごめんね」
そうなんだよね。澪ちゃんは清純派美少女。
まるで誰にも触れられたことのない一輪の真っ白な花のような雰囲気で「聖女」です。と言われて納得のお姿。
対して私は――お察しの通り。
『こんなデブス、勇者パーティの一員じゃない』と切り捨てられるほどの容姿。
「久しぶりに同い年の女の子と喋って、ちょっと調子づいちゃったかな……」
普段、こんな卑屈にならない私だけど、やっぱり異世界トリップでここの世界の生活に疲れちゃってるのかな?
しかも「ソウルメイト」って私は一体何者なんだ。不思議系か。引くだろ。
しょぼんとしてしまう。
そうでもないと思っていたけど、召喚されて「デブス」ということだけで追い出されたことに結構傷ついていたんだ、私。
――いきなり澪ちゃんに、がし、っと両手をつかまれ、びっくりする。
「実里ちゃん! 自分で自分を見下しちゃ駄目だよ! 実里ちゃんは可愛いよ! ソウルメイト万歳だよ!」
「澪ちゃん……」
「私、実里ちゃんがソウルメイトだったらすごく嬉しいよ! だって本当にこんなに話が弾むのって初めてだし、それに一緒にいると落ち着くっていうか、ホッとするの――これって異世界補正で気の合う人が分かったってやつなのかな? って思う!」
「み、澪ちゃーーーーーーん!優しい!」
私、ぼろ泣き。
澪ちゃんもぼろ泣き。
「実里ちゃんは可愛いって! それに久しぶりにあったら痩せたからビックリしたんだよ。街で名前を呼ばれて最初分からなかったもん」
「……痩せた? 私?」
涙が引っ込みました。
「痩せたよ? 鏡、ない?」
「あるけど」
毎日鏡見てますけど、そんなに痩せたかな?
「試しに制服きてみたら? それで分かるよ」
疑う私に澪ちゃんはそう勧めてきて、さっそく召喚時にきていた制服を出して着てみる。
……マジでした。
「マジか……っ! えっ? スカートゆるゆる! ほら! 手を二本入れてもぐるぐる回るよ!」
訳の分からない説明でハイテンションな私。
「気付かなかった?」
「いや~、少しは細くなったかな? とは思ってたけど、ここまでだったとは……毎日動き回ってチャリで国中漕ぐと違うねー」
私感激してる中、澪ちゃん、
「チャリで国中って……実里ちゃんのチャリって一体……」
と冷や汗を掻いている。
「そうか、最近力ついたなーって思ったのも、筋肉ついたからか!」
軽々ミルクタンク二つ持てるのも、ビールジョッキ八本一度に余裕なのも、七面鳥の丸焼き一人で持っていけるのも――筋肉のおかげ!
「私も力仕事すれば、通常より早く鍛えられるのかな……?」
と澪ちゃんが考え込んでる。
それからすぐに「あっ!」と顔を上げた。
「実里ちゃん、眼鏡!」
私の眼鏡を指す。
「う、うん? そう、乱視だから」
そう、ゲームとかラインとかアニメとかマンガとか好き放題に心の赴くままに趣味に没頭したら、あっという間に視力がね……
父と母には「受験勉強で」と言って眼鏡を購入してもらいましたが……
「治癒の力で治るよ」
「ほ、本当?」
「だって私もコンタクトだったから。こっちきてコンタクトの替えなんてないでしょう?悩んで、試しに自分の目に治癒をかけてみたの。そしたら、視力よくなったんだよ」
と澪ちゃん。
やってみなよ、というので眼鏡を外して早速、両目に手を当てる。
「なんて言えばいいかな?」
「『視力回復』でいけた」
「では……『視力回復』!」
ほわっと温かい波動が目に入ってきて「フォッ」と、ちょっとビクッとする私。
波動がおさまって目からそっと手を離し、目の前でジーッと私を見ている澪ちゃんを見つめ返す。
眼鏡外した時、ぼんやりしていた視界がはっきりしている!
澪ちゃんも眼鏡なしでよく見える!
「すっごい! めちゃクリア! 世界がはっきり見える!」
「でしょ? 視力も回復するでしょ?」
「ふぁあ……回復能力万能じゃん」
「手の荒れとか、そばかすとか肌荒れもいけるんだよ」
「ぅおっ、それは夢の美容医療」
「もしかしたら難病も治療できちゃう?」
「うーん……やったことないから分からないけど、できそうだよね」
この能力、自分の世界へ帰っても使えるのかな?
「こっちで目覚めた力って、帰っても使えるのかな?」
「駄目みたい。また閉じちゃうって聞いた」
と澪ちゃんも残念そうに話してくれる。
うん、残念だー。
「これが帰ってきても使えるなら、私ら『カリスマ美容員』なのに~」
「それどころか『奇跡の医師』とかいわれちゃうよ~」
「ガッカリー」
二人して溜息ついて、あまりに息がピッタリだったのがおかしくて笑い合った。
そうなんだよね。澪ちゃんは清純派美少女。
まるで誰にも触れられたことのない一輪の真っ白な花のような雰囲気で「聖女」です。と言われて納得のお姿。
対して私は――お察しの通り。
『こんなデブス、勇者パーティの一員じゃない』と切り捨てられるほどの容姿。
「久しぶりに同い年の女の子と喋って、ちょっと調子づいちゃったかな……」
普段、こんな卑屈にならない私だけど、やっぱり異世界トリップでここの世界の生活に疲れちゃってるのかな?
しかも「ソウルメイト」って私は一体何者なんだ。不思議系か。引くだろ。
しょぼんとしてしまう。
そうでもないと思っていたけど、召喚されて「デブス」ということだけで追い出されたことに結構傷ついていたんだ、私。
――いきなり澪ちゃんに、がし、っと両手をつかまれ、びっくりする。
「実里ちゃん! 自分で自分を見下しちゃ駄目だよ! 実里ちゃんは可愛いよ! ソウルメイト万歳だよ!」
「澪ちゃん……」
「私、実里ちゃんがソウルメイトだったらすごく嬉しいよ! だって本当にこんなに話が弾むのって初めてだし、それに一緒にいると落ち着くっていうか、ホッとするの――これって異世界補正で気の合う人が分かったってやつなのかな? って思う!」
「み、澪ちゃーーーーーーん!優しい!」
私、ぼろ泣き。
澪ちゃんもぼろ泣き。
「実里ちゃんは可愛いって! それに久しぶりにあったら痩せたからビックリしたんだよ。街で名前を呼ばれて最初分からなかったもん」
「……痩せた? 私?」
涙が引っ込みました。
「痩せたよ? 鏡、ない?」
「あるけど」
毎日鏡見てますけど、そんなに痩せたかな?
「試しに制服きてみたら? それで分かるよ」
疑う私に澪ちゃんはそう勧めてきて、さっそく召喚時にきていた制服を出して着てみる。
……マジでした。
「マジか……っ! えっ? スカートゆるゆる! ほら! 手を二本入れてもぐるぐる回るよ!」
訳の分からない説明でハイテンションな私。
「気付かなかった?」
「いや~、少しは細くなったかな? とは思ってたけど、ここまでだったとは……毎日動き回ってチャリで国中漕ぐと違うねー」
私感激してる中、澪ちゃん、
「チャリで国中って……実里ちゃんのチャリって一体……」
と冷や汗を掻いている。
「そうか、最近力ついたなーって思ったのも、筋肉ついたからか!」
軽々ミルクタンク二つ持てるのも、ビールジョッキ八本一度に余裕なのも、七面鳥の丸焼き一人で持っていけるのも――筋肉のおかげ!
「私も力仕事すれば、通常より早く鍛えられるのかな……?」
と澪ちゃんが考え込んでる。
それからすぐに「あっ!」と顔を上げた。
「実里ちゃん、眼鏡!」
私の眼鏡を指す。
「う、うん? そう、乱視だから」
そう、ゲームとかラインとかアニメとかマンガとか好き放題に心の赴くままに趣味に没頭したら、あっという間に視力がね……
父と母には「受験勉強で」と言って眼鏡を購入してもらいましたが……
「治癒の力で治るよ」
「ほ、本当?」
「だって私もコンタクトだったから。こっちきてコンタクトの替えなんてないでしょう?悩んで、試しに自分の目に治癒をかけてみたの。そしたら、視力よくなったんだよ」
と澪ちゃん。
やってみなよ、というので眼鏡を外して早速、両目に手を当てる。
「なんて言えばいいかな?」
「『視力回復』でいけた」
「では……『視力回復』!」
ほわっと温かい波動が目に入ってきて「フォッ」と、ちょっとビクッとする私。
波動がおさまって目からそっと手を離し、目の前でジーッと私を見ている澪ちゃんを見つめ返す。
眼鏡外した時、ぼんやりしていた視界がはっきりしている!
澪ちゃんも眼鏡なしでよく見える!
「すっごい! めちゃクリア! 世界がはっきり見える!」
「でしょ? 視力も回復するでしょ?」
「ふぁあ……回復能力万能じゃん」
「手の荒れとか、そばかすとか肌荒れもいけるんだよ」
「ぅおっ、それは夢の美容医療」
「もしかしたら難病も治療できちゃう?」
「うーん……やったことないから分からないけど、できそうだよね」
この能力、自分の世界へ帰っても使えるのかな?
「こっちで目覚めた力って、帰っても使えるのかな?」
「駄目みたい。また閉じちゃうって聞いた」
と澪ちゃんも残念そうに話してくれる。
うん、残念だー。
「これが帰ってきても使えるなら、私ら『カリスマ美容員』なのに~」
「それどころか『奇跡の医師』とかいわれちゃうよ~」
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