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158. 記憶の中の遠いひと
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「切ったのは病院の厨房の調理の人間よ。腕の良い人ばかりよ」と胡蝶が答えた。
「調理の人・・。あ、そうですよね、でも若頭じゃないなら・・若頭はいま・・どこに・・」
みふゆの視線が遠くを見ている。
記憶に混乱が生じている。
胡蝶はみふゆの疑問にひとつひとつ答えていった。
「京司朗はフランスよ」
胡蝶の返答に、みふゆは首をかしげ、
「フランス・・?」と不思議そうに言葉を繰り返した。
「仕事でフランスに行ったのよ。じきに帰ってくるわ。帰ってきたらフランスの話をたくさんしてもらいましょうね」
「若頭・・病院に・・来てくれますか?」
「来てくれるわよ」
胡蝶が微笑むと、みふゆは安心したように恥ずかしげに笑顔をつくった。
「わたしも若頭が帰ってくるまでにナイフでオレンジの皮をきれいに剥けるようになります」
「目標ができたわね」
「はい」
みふゆが子供のように笑って返事をすると、
「じゃあオレンジはあたしが屋敷から持ってくるわね」
楓がフレンチトーストをパクリと口にいれ、「うん、美味しい!みふゆちゃんも食べて食べて」と言った。
他愛ない話に花が咲き、みふゆは楽しい時間を過ごした。
胡蝶が暴露した、楓と黒岩正吾との結婚話が衝撃的だった。
楓は、
『正吾と結婚できなきゃ死んでやるーーっ!!』
と、大暴れしたというのだ。
「大変だったのよ。いろんなものを投げ飛ばしてリビングはメチャクチャ。リビングどころか玄関先で自転車まで投げ飛ばそうとして。止めに入った男衆を噛むわ殴るわひっ掻くわで大変だったわ。楓はまだ高校一年だったしね」
胡蝶がため息をつきながら当時を語った。
「だってあれくらい暴れなきゃ本気にしてもらえなかったでしょ?あたし絶対正吾と結婚したかったんだもの!」と、楓は“狙った獲物は逃がさない”とばかりに、ササミとブロッコリーをグサリとフォークで突き刺した。楓に照れは全くない。
結婚する気のないみふゆには、暴れてまで結婚にこぎつけた楓の気持ちはよくわからないが、そこまで情熱を傾けられるのはすごいと思う。
そして、なぜかまた、京司朗を思い出した。
京司朗がタバコを吸って何かを話し、手を差し伸べてきた場面が思い浮かんだ。
夕日がとてもキレイだ。
いつだった?
━━━若頭はじきに帰ってくると胡蝶さんは言ったけど・・、・・逢いたい気がする。・・どうしてこんなに逢いたいと思うんだろう・・?逢えたら思い出せる?
みふゆは京司朗に最後に会ったのはいつだったか思い出そうとした。
━━━思い出せない・・。でも・・、
唇を指でふれた。
━━━あの日、若頭が唇を重ねた・・
京司朗の重ねた唇の感触が、妙にリアルによみがえって胸の奥が熱くなった。
━━━あれはいつのこと?・・ぜんぶ夢だった?
「どうしたの?唇、痛いの?」
楓がみふゆのしぐさに気づいた。
「あ、いえ、あの、・・・」
みふゆの両眼から、涙がポタポタと落ちた。
みふゆは焦った。なぜ涙が流れているのか自分でもわからない。胡蝶と楓に心配をかけてしまう。
「あの、なんでもないんです。なんだか・・何か・・思い出しそうな気がして・・・でも思い出せなくてどうしたらいいか自分でもわからないんです・・」
思いだせない苦しみは、本人にしかわからない。
周囲の人間にできることは、目の向け所を変えさせることだけだ。
「・・そうね、いまのあなたに提示できる解決方法は二つね」
胡蝶がみふゆの涙を拭いながら言った。
「二つ・・?」
「“食べる”か“寝る”かのどちらかよ」
胡蝶はフォークでさしたオレンジをみふゆの前で見せ、口にいれると上品にもぐもぐと咀嚼した。
「・・・ふふ」
みふゆは涙顔で笑った。
「オレンジも美味しいわよ。食べてごらんなさい」
胡蝶のかけ声に、みふゆは「はい」と笑って答え、オレンジを口に運んだ。
みふゆはオレンジと梨を食べる終わると、おなかがいっぱいだと、マスカットとプルーンは食べられなかった。楓が冷蔵庫に入れておくからとキッチンに持って行った。
おしゃべりしながらの朝食が終わり、みふゆはベッドに戻った。
「・・あの、組長先生・・・、お父さんは・・」
「午後には来るわよ。どうしても会長でなければ片付かない仕事ができてしまって」
「わたし、お父さんの仕事のことを全然考えてなくて、毎日そばにいてもらって・・疲れてしまうんじゃ・・」
疲れて体力気力が落ちると憑かれやすくなる。昨日の黒い人影も、貴之が疲れていたせいではないのか。
「あなたのそばにいることが会長の楽しみですもの。大丈夫よ。会長の健康管理も大塚がしっかりとしてるから。そうだわ、みふゆちゃんは十二単は着たことあるかしら?」
「十二単、ですか?」
「お母様もお着物が好きだったって言ってたでしょ?もしかしたらお母様はみふゆちゃんに十二単も着せたことがあるかなって思ったの。七五三で写真を撮るとき着せたりするでしょう?」
「七五三は普通の着物でした。十二単、わたしは着たこと無いですけどお母さんは十二単のコスプレが好きで写真が何枚か残っています」
「・・コスプレ??」
「はい。あ、もしかしたらバッグに・・」
みふゆは持ってきてもらったバッグを開け、「やっぱりあった」と、中から薄いアルバムを取り出した。
「これ、お母さんの十二単コスプレ写真集なんです。中学くらいから始まって、18歳くらいまでいろんな十二単を着てるんです」
みふゆはニコニコしながらアルバムを開いた。
アルバムにはいまのみふゆによく似た少女と、整った顔立ちの美青年が仲良く写っていた。少女は十二単をまとい、青年と腕を組み恋人同士のように寄り添っている。
「隣のかたはどなたかしら?」
「きれいなひとねぇ。美形だわぁ・・」
楓が感心しながら言った。
「風見順さんっていうかたで、お母さんは両親が事故で亡くなってからその風見さんって家に引き取られたと言ってました。元々親戚の家で、近所だったので親しいつきあいがあったって。小さい頃から本当のきょうだいみたいに育ったって聞いています。でも、順さんはわたしが一歳になって間もなく亡くなったそうです」
みふゆがアルバムを一枚めくるとひらりと写真が落ちた。
「あ・・」
みふゆが手を伸ばしたが、写真は床に落ち、楓が拾った。
写真には、笑顔の風見順と笑っている赤ん坊が写っていた。
幸せな親子を思わせる笑顔の写真の裏には、『順とみふゆ(6ヶ月)』と手書きで記されていた。
貴之は霊峰領権現寺を訪れていた。
礼夏の言葉を兄に伝えるためだ。
「で、礼夏を呼び出してくれと?」
惣領家一族を束ねる総本家、霊峰領権現寺の住職・惣領一心が、貴之の訪問を受け、本堂で話を聞いていた。
「そうだ。礼夏は結界が壊れたいまなら兄貴の呼び出しに応じられると言っていた」
「礼夏が結界と言ったのか?」
「ああ。礼夏は結界に閉じ込められていたと言っていた。それが壊れたいまなら、と・・」
「閉じ込められていたか・・。お前から礼夏が死んだと聞いて、儂は何度か礼夏を呼び出したが反応はなかった。成仏したにしてもなんらかの反応があるはずだが、何もなかった。閉じ込められていたなら理解できる」
住職は副住職である息子に礼夏を呼び出す準備をさせた。
「切ったのは病院の厨房の調理の人間よ。腕の良い人ばかりよ」と胡蝶が答えた。
「調理の人・・。あ、そうですよね、でも若頭じゃないなら・・若頭はいま・・どこに・・」
みふゆの視線が遠くを見ている。
記憶に混乱が生じている。
胡蝶はみふゆの疑問にひとつひとつ答えていった。
「京司朗はフランスよ」
胡蝶の返答に、みふゆは首をかしげ、
「フランス・・?」と不思議そうに言葉を繰り返した。
「仕事でフランスに行ったのよ。じきに帰ってくるわ。帰ってきたらフランスの話をたくさんしてもらいましょうね」
「若頭・・病院に・・来てくれますか?」
「来てくれるわよ」
胡蝶が微笑むと、みふゆは安心したように恥ずかしげに笑顔をつくった。
「わたしも若頭が帰ってくるまでにナイフでオレンジの皮をきれいに剥けるようになります」
「目標ができたわね」
「はい」
みふゆが子供のように笑って返事をすると、
「じゃあオレンジはあたしが屋敷から持ってくるわね」
楓がフレンチトーストをパクリと口にいれ、「うん、美味しい!みふゆちゃんも食べて食べて」と言った。
他愛ない話に花が咲き、みふゆは楽しい時間を過ごした。
胡蝶が暴露した、楓と黒岩正吾との結婚話が衝撃的だった。
楓は、
『正吾と結婚できなきゃ死んでやるーーっ!!』
と、大暴れしたというのだ。
「大変だったのよ。いろんなものを投げ飛ばしてリビングはメチャクチャ。リビングどころか玄関先で自転車まで投げ飛ばそうとして。止めに入った男衆を噛むわ殴るわひっ掻くわで大変だったわ。楓はまだ高校一年だったしね」
胡蝶がため息をつきながら当時を語った。
「だってあれくらい暴れなきゃ本気にしてもらえなかったでしょ?あたし絶対正吾と結婚したかったんだもの!」と、楓は“狙った獲物は逃がさない”とばかりに、ササミとブロッコリーをグサリとフォークで突き刺した。楓に照れは全くない。
結婚する気のないみふゆには、暴れてまで結婚にこぎつけた楓の気持ちはよくわからないが、そこまで情熱を傾けられるのはすごいと思う。
そして、なぜかまた、京司朗を思い出した。
京司朗がタバコを吸って何かを話し、手を差し伸べてきた場面が思い浮かんだ。
夕日がとてもキレイだ。
いつだった?
━━━若頭はじきに帰ってくると胡蝶さんは言ったけど・・、・・逢いたい気がする。・・どうしてこんなに逢いたいと思うんだろう・・?逢えたら思い出せる?
みふゆは京司朗に最後に会ったのはいつだったか思い出そうとした。
━━━思い出せない・・。でも・・、
唇を指でふれた。
━━━あの日、若頭が唇を重ねた・・
京司朗の重ねた唇の感触が、妙にリアルによみがえって胸の奥が熱くなった。
━━━あれはいつのこと?・・ぜんぶ夢だった?
「どうしたの?唇、痛いの?」
楓がみふゆのしぐさに気づいた。
「あ、いえ、あの、・・・」
みふゆの両眼から、涙がポタポタと落ちた。
みふゆは焦った。なぜ涙が流れているのか自分でもわからない。胡蝶と楓に心配をかけてしまう。
「あの、なんでもないんです。なんだか・・何か・・思い出しそうな気がして・・・でも思い出せなくてどうしたらいいか自分でもわからないんです・・」
思いだせない苦しみは、本人にしかわからない。
周囲の人間にできることは、目の向け所を変えさせることだけだ。
「・・そうね、いまのあなたに提示できる解決方法は二つね」
胡蝶がみふゆの涙を拭いながら言った。
「二つ・・?」
「“食べる”か“寝る”かのどちらかよ」
胡蝶はフォークでさしたオレンジをみふゆの前で見せ、口にいれると上品にもぐもぐと咀嚼した。
「・・・ふふ」
みふゆは涙顔で笑った。
「オレンジも美味しいわよ。食べてごらんなさい」
胡蝶のかけ声に、みふゆは「はい」と笑って答え、オレンジを口に運んだ。
みふゆはオレンジと梨を食べる終わると、おなかがいっぱいだと、マスカットとプルーンは食べられなかった。楓が冷蔵庫に入れておくからとキッチンに持って行った。
おしゃべりしながらの朝食が終わり、みふゆはベッドに戻った。
「・・あの、組長先生・・・、お父さんは・・」
「午後には来るわよ。どうしても会長でなければ片付かない仕事ができてしまって」
「わたし、お父さんの仕事のことを全然考えてなくて、毎日そばにいてもらって・・疲れてしまうんじゃ・・」
疲れて体力気力が落ちると憑かれやすくなる。昨日の黒い人影も、貴之が疲れていたせいではないのか。
「あなたのそばにいることが会長の楽しみですもの。大丈夫よ。会長の健康管理も大塚がしっかりとしてるから。そうだわ、みふゆちゃんは十二単は着たことあるかしら?」
「十二単、ですか?」
「お母様もお着物が好きだったって言ってたでしょ?もしかしたらお母様はみふゆちゃんに十二単も着せたことがあるかなって思ったの。七五三で写真を撮るとき着せたりするでしょう?」
「七五三は普通の着物でした。十二単、わたしは着たこと無いですけどお母さんは十二単のコスプレが好きで写真が何枚か残っています」
「・・コスプレ??」
「はい。あ、もしかしたらバッグに・・」
みふゆは持ってきてもらったバッグを開け、「やっぱりあった」と、中から薄いアルバムを取り出した。
「これ、お母さんの十二単コスプレ写真集なんです。中学くらいから始まって、18歳くらいまでいろんな十二単を着てるんです」
みふゆはニコニコしながらアルバムを開いた。
アルバムにはいまのみふゆによく似た少女と、整った顔立ちの美青年が仲良く写っていた。少女は十二単をまとい、青年と腕を組み恋人同士のように寄り添っている。
「隣のかたはどなたかしら?」
「きれいなひとねぇ。美形だわぁ・・」
楓が感心しながら言った。
「風見順さんっていうかたで、お母さんは両親が事故で亡くなってからその風見さんって家に引き取られたと言ってました。元々親戚の家で、近所だったので親しいつきあいがあったって。小さい頃から本当のきょうだいみたいに育ったって聞いています。でも、順さんはわたしが一歳になって間もなく亡くなったそうです」
みふゆがアルバムを一枚めくるとひらりと写真が落ちた。
「あ・・」
みふゆが手を伸ばしたが、写真は床に落ち、楓が拾った。
写真には、笑顔の風見順と笑っている赤ん坊が写っていた。
幸せな親子を思わせる笑顔の写真の裏には、『順とみふゆ(6ヶ月)』と手書きで記されていた。
貴之は霊峰領権現寺を訪れていた。
礼夏の言葉を兄に伝えるためだ。
「で、礼夏を呼び出してくれと?」
惣領家一族を束ねる総本家、霊峰領権現寺の住職・惣領一心が、貴之の訪問を受け、本堂で話を聞いていた。
「そうだ。礼夏は結界が壊れたいまなら兄貴の呼び出しに応じられると言っていた」
「礼夏が結界と言ったのか?」
「ああ。礼夏は結界に閉じ込められていたと言っていた。それが壊れたいまなら、と・・」
「閉じ込められていたか・・。お前から礼夏が死んだと聞いて、儂は何度か礼夏を呼び出したが反応はなかった。成仏したにしてもなんらかの反応があるはずだが、何もなかった。閉じ込められていたなら理解できる」
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