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87.勇者降臨
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パララミロー中央付近から降りると、見たことがある景色が広がった。道路、アスファルトだ。むわっとした排気ガスの臭いと網膜に刺さるようなネオン、頭を上げる程の高い建造物たち。感覚に訴えてくる。
ステルスを継続したまま路地裏に逃げるように移動した。
「オトメです、無事到着しました」
『お前が最後だ。まずは地図作りだ、仲間と離れすぎす散れ。戦闘は避けろ。ライヴがわんさかいるがやめとけよ』
ツルギさんの連絡を受け取り、地上を進むことにした。屋根を伝っていくのもありだが、僕が得意じゃない。
周囲の人間はスーツだったり薄い服を着ていたり、種類が多すぎる。とりあえず上から大きなコートを身につけた。いくら倫理委員会の制服が優れていてもライヴにバレる、それは避ける。
着替えは簡単、ストレージでポチっと。
「よし、行こうか」
「地図埋めです」
隊員の踏み込んだ場所から半径10メートルほどの範囲を地図に落とし込む。これはエイルの探索スキルに近いものが応用される。
各自の所持魔力を少量使いスキャン、SEでノアオルタ本部にデータを送る。これをまず40人でやる。
街の隅々までやるというよりは大幅に上が理解するためだ。これからの襲撃がしやすくなるかもしれないし、隠密にここを抜けるルートが掴めるかもしれない。
僕は早速歩道に出て歩き出す。屋根より鈍いが人を観察できるのが目的でもある。
固い道だ、この靴でなければすぐ疲れていただろう。
「キョウスケ、どうだ?」
「反応多数で判断が難しいです、ですが敵対心のようなものを感じません、大丈夫です」
キョロキョロしながら一歩ずつ進む。人混みがミルザンド以来で息苦しかった。今コートを取れば腰や背中の武器が露わになる。そんなこと……ないよな。
「あの服」
「どうしました?」
「ショウウインドウ、キリカに似合うか?」
「とっても」
一時間徒歩を続けてお昼になった。路地裏から屋根へ移動しステルス起動で飯を食う。すぐに食べられる栄養価の高い糧食とツルギ隊のみアリエさんのドリンクがある。さっさと飲んで続きだ。
進捗はいい。推定範囲の十分の一程制覇した。まだライヴにバレてない。いやバレるつもりはないけれど、戦闘をしないと決めたいわけではない。いざ見つかれば一瞬でその首を落とさなければいけない。だから昼飯を食べ終わった後、忘れていたサイレンサーをハンドガンに付けた。
『各員に告げる、第二陣があと10分で到着だ』
ツルギさんからの連絡だ。第二陣もいればもう安心だ。
僕は下に降りた。
「キョウスケ、あと少し北上しよう」
「了解……9時方向……」
予感せずして左から来光が見えた。キョウスケの助言もあってそれを回避することができた。
「危ね!」
「外したか」
空気を切り裂く音が耳に入り、剣の重さを肌に感じた。突然の奇襲だった。
「……ライヴか?」
違う、ライヴの制服を付けていない。
オレンジ色の髪に身軽そうで綺麗な生地の青い服。まるで冒険者のよう。それに右手の片手剣、あれは何だ?見たことがない、人があれほどの視界に威圧を放つ剣が作れるのか?
「あんなイカレ野郎どもと同じ?ふざけるな」
僕はエフェクトシールドを抜剣する。
「パララミローにはライヴしか戦闘勢力はないと思ったが?」
コートの中はまだ見えないだろう、切り札たちは取っておこう。
「知らなくてもいい、どうせ俺が皆殺しにするんだ」
「お前は一体?」
『ユイト』Enemy
相対レベル:50(回避補正:39)
・武器:勇者の剣(神剣ノイツロス:解析不能)
・防具:ブルーコート(対切断Lv4,防御強化Lv7)
・アクセサリー:勇者の誓い(指輪,勇者承認)
他スキャンを実行していません。
「その剣は……なんだ?神剣?」
「お前はこの剣の名前が分かるのか、やはりPEか何か……ここで息の根を止める」
「待て!お前が……」
言葉を言い終わる前に斬りかかってくる。僕は攻撃予測を薄らに見つつ避ける。
「ライヴじゃないのなら攻撃する理由はない。ここから立ち去れ!」
次の攻撃が止まったと思った。気を緩めて剣を下げた。
「随分と舐められてるな……俺は、俺の目的は……PEもいライヴと管理者達と倫理委員会!お前らの首だ!」
ダメだこいつの剣がもう一度来る。防ぐしかない。だが神剣を防ぎきれるか?
「死ね!」
「うっ!」
振り抜いた剣がエフェクトシールドにぶつかる。堂々と正面で受け止める。衝撃が骨まで染みるのを感じた。これ程の威力は初めてだ。魔具でなかったら剣ごと斬られていたかもしれない。直撃したら間違いなく体が二つになる。
「なに?斬れない」
「神剣といってもこの程度か?勇者の名前が廃るぜ」
「黙れ倫理のカスが、世界の平和はこの勇者ユイトが守る!」
鍔迫り合いの状態から力を込める気だ。いなすことも出来ず直に剣で受け止める。
それにしても勇者だと?自分で名乗るならかなりの精神重傷者だが、その剣筋と気迫に嘘がない。この世界には勇者がいるのか?そして何故ライヴと倫理委員会のことを知っているんだ?
「クソッ……」
「斬れろ!」
「(今だ)」
勇者の力が強まった段階で、身体強化魔法をかけて後退、目の前の勇者が速さに比例して小さくなっていった。結果5メートルほど距離をとることができた。
振り落とされた剣は硬い地面を簡単に斬り裂き、そうしてそれを軽々しく抜き僕に向ける。
「ユイト……」
「ッ!やはりお前はPE使いだな、相手の詳細を解読する目だと聞いた」
「どうしてあんたは、僕を殺そうとするんだ?僕はお前を知らない、剣を突き立てる理由はどこにもない。そうだろ?倫理委員会とか個人敵な恨みとかあるんじゃないのか?それなら僕が……」
勇者ユイトが剣で空を斬る。刃音が耳に入る。体の中が斬られるかと思った。
「出会ったばかりの者に話すと思うか?お前は俺の友人でも何でもないだろう?義理はない」
「もっともで……」
ダメだ頭が硬すぎる。
勇者ってなんだ!?
「キョウスケ、こいつ」
「気づきましたね、はい、ほとんど攻撃予測が通用しません」
こんなことは初めてだ。こいつの斬撃は回避予測にかからない。仕組みは謎だが、目視と感覚で防ぐしかない。
勇者の剣という武器が気になる、神剣ノイツロスってなんだ?魔具でもないならなんだ!人が作ったのか?それとも……
「フンッ!」
振るわれた剣が僕ではなく民家を捉える。切れ味がいい、一撃で壁を切断した。目視で避けることができた。
「僕は……お前を殺したくない。ライヴと無関係ならここから立ち去ってほしい。そうしたら急に剣を抜いたことを不問にする」
「ダメだ、勇者たるもの、世界のガンは平和のために排除する」
強力な相手とのタイマンは勝機が薄い、ここは周りの目が着く前に逃げることが先決だ。
「キョウスケ、正面からあいつの剣を受けるつもりはない、地図をスキャンして退路を作れ」
「了解」
「出来たら言え、それまで時間を稼いでやる」
強く剣を握りしめ、脱力、イノセントに持ち替えた。
「お前も神聖な武器を持っているのか、気に食わない」
「白夜の光、純白の切れ味、体で味わってみろ」
四肢のいずれかを切断できればもっともいい、あのような敵は命を取るつもりで挑む。
接近する。反応速度と読みはこちらが上だ!
「速い」
イノセントが勇者の剣に直撃する。手に響く感覚で剣の強さが分かった気がした。この神のような剣に斬られてはいけないと感覚でわかる。
続けて三連撃を放つ。さすが勇者と言うだけある、全て正面から防いだ。
「PEにしてはあまりにも人間だな」
「そうか?」
「残念だ、すぐに終わりそうだ」
「いや待て、その言い方だとPE持ちを他に知っている風じゃないか」
「知っているさ」
体の細胞が震える。同時にユイトが手首を時計回りに捻り頭の左に剣を構えた。
「大きな一撃が来ます」
「死ぬ……」
剣に青い光が灯る、足がふるえる、相手は人間なのに強大な者の前にいる恐怖を感じた。
「……いや、まだ!」
僕も剣を構え直す。そしてイノセントブレイザーを発動する。
歯をギシリと噛み、動きに集中する。イノセントブレイザーは人肌程度の温度の魔炎だ。剣同士の接触は不可能だ。ならば。
「我が名はユイト、メモリーの勇者にして世界の守り手」
「名前はオトメキョウスケ、メモリーの……破壊者だ」
神剣がくる!
「魂に刻め、『アヴァランチ・オブ・ソード』」
「イノセントブレイザー!」
僕の白い魔炎が周囲を満たし、ユイトのスキルが放たれた。
対象に大量の剣を生成して突き刺す技、魔力生成の剣を任意方向に大量発射する強力なスキルだ。
「死んだか?俺にここまで使わせたんだ……さすがに」
そこに死体はあらず、剣が次第に消滅していくだけの風景になっていた。血は数滴落ちているがオトメの姿がない。ユイトは周囲を見渡すがオトメはいない。
「どこだ!キョウスケ……な、なんだ?」
頭痛がした。何故かオトメキョウスケという名前が頭から離れなかった。大切な何かを忘れているような、そんな気がした。
一方の僕は屋根に登っていた。イノセントブレイザー発動による目くらましからフックショットで建物を登った。何本か剣を受けたが大した場所に当たってない、大丈夫だ。あの魔炎の性質上、浴びればMPとCPにダメージが入る。少しは足止め出来るだろう。
包帯で止血した後、すぐにその場所から離れた。
「まずいな、あんなのどっちにとっても強力な相手、皆に報告しないと!」
僕はツルギさんに連絡をした。
ステルスを継続したまま路地裏に逃げるように移動した。
「オトメです、無事到着しました」
『お前が最後だ。まずは地図作りだ、仲間と離れすぎす散れ。戦闘は避けろ。ライヴがわんさかいるがやめとけよ』
ツルギさんの連絡を受け取り、地上を進むことにした。屋根を伝っていくのもありだが、僕が得意じゃない。
周囲の人間はスーツだったり薄い服を着ていたり、種類が多すぎる。とりあえず上から大きなコートを身につけた。いくら倫理委員会の制服が優れていてもライヴにバレる、それは避ける。
着替えは簡単、ストレージでポチっと。
「よし、行こうか」
「地図埋めです」
隊員の踏み込んだ場所から半径10メートルほどの範囲を地図に落とし込む。これはエイルの探索スキルに近いものが応用される。
各自の所持魔力を少量使いスキャン、SEでノアオルタ本部にデータを送る。これをまず40人でやる。
街の隅々までやるというよりは大幅に上が理解するためだ。これからの襲撃がしやすくなるかもしれないし、隠密にここを抜けるルートが掴めるかもしれない。
僕は早速歩道に出て歩き出す。屋根より鈍いが人を観察できるのが目的でもある。
固い道だ、この靴でなければすぐ疲れていただろう。
「キョウスケ、どうだ?」
「反応多数で判断が難しいです、ですが敵対心のようなものを感じません、大丈夫です」
キョロキョロしながら一歩ずつ進む。人混みがミルザンド以来で息苦しかった。今コートを取れば腰や背中の武器が露わになる。そんなこと……ないよな。
「あの服」
「どうしました?」
「ショウウインドウ、キリカに似合うか?」
「とっても」
一時間徒歩を続けてお昼になった。路地裏から屋根へ移動しステルス起動で飯を食う。すぐに食べられる栄養価の高い糧食とツルギ隊のみアリエさんのドリンクがある。さっさと飲んで続きだ。
進捗はいい。推定範囲の十分の一程制覇した。まだライヴにバレてない。いやバレるつもりはないけれど、戦闘をしないと決めたいわけではない。いざ見つかれば一瞬でその首を落とさなければいけない。だから昼飯を食べ終わった後、忘れていたサイレンサーをハンドガンに付けた。
『各員に告げる、第二陣があと10分で到着だ』
ツルギさんからの連絡だ。第二陣もいればもう安心だ。
僕は下に降りた。
「キョウスケ、あと少し北上しよう」
「了解……9時方向……」
予感せずして左から来光が見えた。キョウスケの助言もあってそれを回避することができた。
「危ね!」
「外したか」
空気を切り裂く音が耳に入り、剣の重さを肌に感じた。突然の奇襲だった。
「……ライヴか?」
違う、ライヴの制服を付けていない。
オレンジ色の髪に身軽そうで綺麗な生地の青い服。まるで冒険者のよう。それに右手の片手剣、あれは何だ?見たことがない、人があれほどの視界に威圧を放つ剣が作れるのか?
「あんなイカレ野郎どもと同じ?ふざけるな」
僕はエフェクトシールドを抜剣する。
「パララミローにはライヴしか戦闘勢力はないと思ったが?」
コートの中はまだ見えないだろう、切り札たちは取っておこう。
「知らなくてもいい、どうせ俺が皆殺しにするんだ」
「お前は一体?」
『ユイト』Enemy
相対レベル:50(回避補正:39)
・武器:勇者の剣(神剣ノイツロス:解析不能)
・防具:ブルーコート(対切断Lv4,防御強化Lv7)
・アクセサリー:勇者の誓い(指輪,勇者承認)
他スキャンを実行していません。
「その剣は……なんだ?神剣?」
「お前はこの剣の名前が分かるのか、やはりPEか何か……ここで息の根を止める」
「待て!お前が……」
言葉を言い終わる前に斬りかかってくる。僕は攻撃予測を薄らに見つつ避ける。
「ライヴじゃないのなら攻撃する理由はない。ここから立ち去れ!」
次の攻撃が止まったと思った。気を緩めて剣を下げた。
「随分と舐められてるな……俺は、俺の目的は……PEもいライヴと管理者達と倫理委員会!お前らの首だ!」
ダメだこいつの剣がもう一度来る。防ぐしかない。だが神剣を防ぎきれるか?
「死ね!」
「うっ!」
振り抜いた剣がエフェクトシールドにぶつかる。堂々と正面で受け止める。衝撃が骨まで染みるのを感じた。これ程の威力は初めてだ。魔具でなかったら剣ごと斬られていたかもしれない。直撃したら間違いなく体が二つになる。
「なに?斬れない」
「神剣といってもこの程度か?勇者の名前が廃るぜ」
「黙れ倫理のカスが、世界の平和はこの勇者ユイトが守る!」
鍔迫り合いの状態から力を込める気だ。いなすことも出来ず直に剣で受け止める。
それにしても勇者だと?自分で名乗るならかなりの精神重傷者だが、その剣筋と気迫に嘘がない。この世界には勇者がいるのか?そして何故ライヴと倫理委員会のことを知っているんだ?
「クソッ……」
「斬れろ!」
「(今だ)」
勇者の力が強まった段階で、身体強化魔法をかけて後退、目の前の勇者が速さに比例して小さくなっていった。結果5メートルほど距離をとることができた。
振り落とされた剣は硬い地面を簡単に斬り裂き、そうしてそれを軽々しく抜き僕に向ける。
「ユイト……」
「ッ!やはりお前はPE使いだな、相手の詳細を解読する目だと聞いた」
「どうしてあんたは、僕を殺そうとするんだ?僕はお前を知らない、剣を突き立てる理由はどこにもない。そうだろ?倫理委員会とか個人敵な恨みとかあるんじゃないのか?それなら僕が……」
勇者ユイトが剣で空を斬る。刃音が耳に入る。体の中が斬られるかと思った。
「出会ったばかりの者に話すと思うか?お前は俺の友人でも何でもないだろう?義理はない」
「もっともで……」
ダメだ頭が硬すぎる。
勇者ってなんだ!?
「キョウスケ、こいつ」
「気づきましたね、はい、ほとんど攻撃予測が通用しません」
こんなことは初めてだ。こいつの斬撃は回避予測にかからない。仕組みは謎だが、目視と感覚で防ぐしかない。
勇者の剣という武器が気になる、神剣ノイツロスってなんだ?魔具でもないならなんだ!人が作ったのか?それとも……
「フンッ!」
振るわれた剣が僕ではなく民家を捉える。切れ味がいい、一撃で壁を切断した。目視で避けることができた。
「僕は……お前を殺したくない。ライヴと無関係ならここから立ち去ってほしい。そうしたら急に剣を抜いたことを不問にする」
「ダメだ、勇者たるもの、世界のガンは平和のために排除する」
強力な相手とのタイマンは勝機が薄い、ここは周りの目が着く前に逃げることが先決だ。
「キョウスケ、正面からあいつの剣を受けるつもりはない、地図をスキャンして退路を作れ」
「了解」
「出来たら言え、それまで時間を稼いでやる」
強く剣を握りしめ、脱力、イノセントに持ち替えた。
「お前も神聖な武器を持っているのか、気に食わない」
「白夜の光、純白の切れ味、体で味わってみろ」
四肢のいずれかを切断できればもっともいい、あのような敵は命を取るつもりで挑む。
接近する。反応速度と読みはこちらが上だ!
「速い」
イノセントが勇者の剣に直撃する。手に響く感覚で剣の強さが分かった気がした。この神のような剣に斬られてはいけないと感覚でわかる。
続けて三連撃を放つ。さすが勇者と言うだけある、全て正面から防いだ。
「PEにしてはあまりにも人間だな」
「そうか?」
「残念だ、すぐに終わりそうだ」
「いや待て、その言い方だとPE持ちを他に知っている風じゃないか」
「知っているさ」
体の細胞が震える。同時にユイトが手首を時計回りに捻り頭の左に剣を構えた。
「大きな一撃が来ます」
「死ぬ……」
剣に青い光が灯る、足がふるえる、相手は人間なのに強大な者の前にいる恐怖を感じた。
「……いや、まだ!」
僕も剣を構え直す。そしてイノセントブレイザーを発動する。
歯をギシリと噛み、動きに集中する。イノセントブレイザーは人肌程度の温度の魔炎だ。剣同士の接触は不可能だ。ならば。
「我が名はユイト、メモリーの勇者にして世界の守り手」
「名前はオトメキョウスケ、メモリーの……破壊者だ」
神剣がくる!
「魂に刻め、『アヴァランチ・オブ・ソード』」
「イノセントブレイザー!」
僕の白い魔炎が周囲を満たし、ユイトのスキルが放たれた。
対象に大量の剣を生成して突き刺す技、魔力生成の剣を任意方向に大量発射する強力なスキルだ。
「死んだか?俺にここまで使わせたんだ……さすがに」
そこに死体はあらず、剣が次第に消滅していくだけの風景になっていた。血は数滴落ちているがオトメの姿がない。ユイトは周囲を見渡すがオトメはいない。
「どこだ!キョウスケ……な、なんだ?」
頭痛がした。何故かオトメキョウスケという名前が頭から離れなかった。大切な何かを忘れているような、そんな気がした。
一方の僕は屋根に登っていた。イノセントブレイザー発動による目くらましからフックショットで建物を登った。何本か剣を受けたが大した場所に当たってない、大丈夫だ。あの魔炎の性質上、浴びればMPとCPにダメージが入る。少しは足止め出来るだろう。
包帯で止血した後、すぐにその場所から離れた。
「まずいな、あんなのどっちにとっても強力な相手、皆に報告しないと!」
僕はツルギさんに連絡をした。
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