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86.自由になろう
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「度重なる犠牲を生み出して、そこに意味を作る。俺はそれを終わらせる!」
「お前、イカれてるよ」
「違う、イカれてるのはお前らだ」
首を斬り飛ばした。
暗い金属の路地裏で人の血が流れた。制服を着ている。これはライヴのものだ。彼を殺したのはオレンジ色の髪の少年。手にしているのは姿だけでもオーラを放つ魔具級のお宝、通称勇者の剣。
「間違えた。イカれてるのはお前らとアイツらだ」
少年は一蹴りで十数メートル跳躍し屋根に乗る。そこから見えるのは夜のパララミロー、電気明かりが撒き散らされて眩しい。空気は悪い、車は走る。まるで地元とは世界が違うようだ。こんな街で呑気に過ごしている人間がいると思うと吐き気がする。今すぐに首を跳ねてやる。
そんな意気込みで夜の街に姿を消した。
「見た?」
「みたー!」
「どうした?」
「何か見つけた?」
ビルの屋上から下を覗く小さな兄妹がその一部始終を見ていた。他にも大人の男と小柄な少女が一人。四人は今日の獲物を取られた気分になった。いつか殺してやると。
「アイツだよ」
「あいつだー」
「あの剣はそうない代物だ。間違いないだろう。同胞ジェリーとマックスを殺したのはアイツだ」
「……」
少女は黙った、自分はもう、暗殺は出来ないと思った。自分で道を拓きたい、例え障害があるならそれを殺す。彼女にはそれができる理由があった。
ーーーーーー
「明日は遂に最終決戦の前の重要な戦いになるだろう」
「複雑に言うなよサイケン」
「そうじゃい」
「まぁまぁ」
ルーム210では決起集会が夜行われた。お忍びでルーム420のメンバーも来てくれた。
「緊張するね……」
「むぁまぁ!気楽に気楽に、ねキリカ?」
「サイケンは特に先行しすぎて死ぬなよ」
「……黙って目の前の人間を叩けばいいだろう(あ、声帯戻ってるの忘れてた)」
「ううん!……それでは皆、杯を持て」
『はーい』
「つまらん!さっさと持て!……えぇそれでは、乾杯!」
『乾杯!』
酒を飲むわけでもなく、アリエさんの特性ドリンクを皆で飲みかわした。この中で死人が出るかもしれないけれど、最後は目前、やるしかない。
ーーーーーー
荒野から北東に進んだ所から謎の駅があるらしい。最果てと呼ばれるその駅からさらに北東に進むとパララミローがある。感覚はアバンドグロウリーに行くのに使った電車に近い。……らしい。
「電車ねぇ」
「電気ねぇ」
サイケンとため息をついた。発電方法はいくらでもあると思うが、あまりにも国や街によって文化が違い過ぎないか?
「なぁサイケン、電気とか魔法とか、国によって違い過ぎないか?」
「ん?バカ言え、1.00だってそんなもんだったぞ」
「そう……なんだ……」
意外に返されてしまった。サイケンと謎が深いねぇなんて話をしようと思ったのに。
「魔法はなかったが、電化製品はあったし、国によっては、街によっては、集落によってはで恐ろしく変わったものだぞ」
サイケンの耳が引っ張られた。痛そう。
「いでで」
「騒ぎすぎ」
「カリン、別にいいだろう。これから長い長い道を進むんだから」
そう、僕達は出現口に並んで立っている。プリズン戦の時に使った浮遊バイクがあれば良かったのだが、限られた時間で製造できたのは40人分で、到底足りなかった。だから先遣隊だけバイクを託された。
僕は今回もツルギ隊に所属した。
『ツルギ隊』先遣隊
・ツルギ隊長
・アリエ
・ミセット
・オトメ
・キリカ
・サイケン
・カワセミ
・ガラス
・カリン
以上九名。
カリンは前回の一件から、ツルギさんが直々にカミカゼ隊長にお願いして隊を移動させたらしい。
そして記載されていないもう一人がカエデだ。彼女は一人で向かう(凄く足が早い)。そして勝手に潜入して勝手に援護してくれる。
もう一人はエイルだ。彼女は前線にこそ行けないが、後方からバックアップしてくれる。SEによる連絡とエイルの莫大な魔力による探知を使えば任務の難度は大幅に下がるだろう。
前回のスイセンドウのようなジャミングは未来都市ならないと踏んでいる。上手くいけよ。
「出撃!」
誰かが言った、ツルギさんが言った。
僕らはステルス機能を使い前に進む。
エイルのSEを始点にした魔力探知の範囲を広げるために、できるだけ視界に入る範囲でバイクの距離を離す。推定距離は駅まで50キロ。渓谷群と変わらないが、駅から線路を伝って10キロ。まぁ長い。
目的はパララミローの突破。パララミローを避けるルートは左右の巨大な山に阻まれて、拠点のノアオルタからの飛空艇を飛ばすにはリスクが大きかった。スイセンドウと違い彼らの本土だ、空からの対策をしないわけが無い、撃ち落とされる可能性が高い。それほどに飛空艇のステルス機能は弱いとは思わないが。
パララミローを黙って抜けられれば管理者達の本土と面を拝めるわけだ。
上手近くに拠点でも作れたのなら十分以上で、飛空艇の侵入経路確保も期待できる。だから先遣隊が必要だった。やはりスギ博士の道具は優秀だ。とくにステルス面が。
ーーーーーー
長い長い。長いが、緊張が解けない、いつになったら駅が見えるのか、それとも見えないのか。
駅なんか見えなくてよかった。
無意識に胸に手を当てていた。
脈打っている。僕は生きている。まだ生きている。だから大丈夫。きっと上手くいく。
「はぁ、は……はぁ」
「呼吸が乱れています」
「大丈夫だ。僕のエーテル場は強靭だ」
「そうではなくて」
「大丈夫、大丈夫、きっとちゃんと殺せる。イノセントだって高い砥石で研いだ。一発で飛ばせる。大丈夫大丈夫大丈夫」
無意識にハンドガンを取り出して握りしめた。セーフティがかかっているから安全だよ。
連絡が入った。
『ツルギだ。駅と思われるオブジェクトを発見、これより徒歩による接近へ変更。各自スギバイクをオートで帰還させろ。以上だ』
僕は少し進んでバイクを降りて身体強化魔法を使ってできるだけ速く走った。走るというより一蹴りで凄く前に進む。消音と足跡を付けないように微弱な浮遊効果も付ける。これは倫理委員会の靴も素晴らしい。
自分のマップ上に仲間が集まってくる。皆駅が見えてきたようだ。僕も視界に捉えた。
『ツルギだ。次の電車に乗る。壁にでも掴まれ。俺は中に入るが……冗談だ。入るなよ』
当たり前だ。未知のパララミローの電車だ。どんなセキュリティが仕掛けられているか分かったものではない。掴まるのはどうなのだろう?
「捕まっても大丈夫です」
「そうなのかキョウスケ」
「セキュリティレベルは高くありません。しかし車内に入るのは避けた方がいいでしょう」
よく見えるな。
駅に着いた。
数分後に電車が動き出した。予想していた皆はそれぞれ掴まる。人によっては天井にのった。色々ぶつからないように注意しないと死ぬ。
それにしても40人も電車に掴まれば気持ち悪いな。マップ上に仲間の点が集中している。
視界の左上にパーティメンバーの名前とステータスがズラリと並んでいる。ツルギ隊だけでも多すぎて混乱する。
電車が最高速度になる。速い。身体強化魔法がなければ吹き飛ばされていただろう。
変化する景色に驚愕した。奥に見えるのは黒い天に伸びる建物群。少し歪んで見えた。少し肌寒い風を感じながら、あれは見たことがあるものに近いと思った。
「あれはビルか」
「もっと大きなものもありますね」
「ダムみたいな壁が見える」
キョウスケのズーム機能で奥を見た。街の左右の山を繋ぐように作られたビルより高い壁。一体どれほど厚い壁か分からないが、あれを超えなければいけないと思うと……先が思いやられた。
「300メートルの壁ですか」
「あの向こうに管理者達が、マルエルの楽園がある」
「きっとあれはライヴの検問なのでしょうね」
ふと目の前の槍の束のような街を無視して電車の中を覗き込んだ。おやおや人がいる。
「キョウスケ」
「了解です」
集音機能で色々聞いてみた。
「パパ、荒野って広いんだね」
「うん、それしか見に来て面白いものないけどね。なんで廃線にしないのやら」
「でさ、戻ったらパパどうするの?」
「うん?」
「最近沢山人死んでるよ、家から出ない方がいいんじゃない?」
「それは出来ないよ、ライヴの人達と仕事をしないとパパもママもお前も生きてはいけない。外にはまだ人の街があると言われているけどそこと貿易すらしていないから仕事しないと死んでしまう」
「そんなぁ」
こんな会話が聞こえた。
「そうか、僕らがパララミローのことを知らないようにパララミローの住民もライヴしか知らないのか……ん?ガードとライヴって繋がりなかったか?どうだったか?」
「周囲に食物を栽培しているようには見えません、きっと楽園で農業でもしているのではないですか」
「ならいいけどね」
街が大きくなっていく。ミルザンド程とはいかないが大きな街だ。
近くになって分かったが、街の正面は巨大な堀が形成されていた。そこには街からの謎の汚い色の水が流れていた。
橋を渡って街に入る。落ちたくないなと思った。
浮遊物がいる。ドローンだろうか。サーモグラフィーでもあればバレていただろうが、マヌケだ。僕らを見過ごした。
トンネルを抜けて黒い街に入る。
「お前、イカれてるよ」
「違う、イカれてるのはお前らだ」
首を斬り飛ばした。
暗い金属の路地裏で人の血が流れた。制服を着ている。これはライヴのものだ。彼を殺したのはオレンジ色の髪の少年。手にしているのは姿だけでもオーラを放つ魔具級のお宝、通称勇者の剣。
「間違えた。イカれてるのはお前らとアイツらだ」
少年は一蹴りで十数メートル跳躍し屋根に乗る。そこから見えるのは夜のパララミロー、電気明かりが撒き散らされて眩しい。空気は悪い、車は走る。まるで地元とは世界が違うようだ。こんな街で呑気に過ごしている人間がいると思うと吐き気がする。今すぐに首を跳ねてやる。
そんな意気込みで夜の街に姿を消した。
「見た?」
「みたー!」
「どうした?」
「何か見つけた?」
ビルの屋上から下を覗く小さな兄妹がその一部始終を見ていた。他にも大人の男と小柄な少女が一人。四人は今日の獲物を取られた気分になった。いつか殺してやると。
「アイツだよ」
「あいつだー」
「あの剣はそうない代物だ。間違いないだろう。同胞ジェリーとマックスを殺したのはアイツだ」
「……」
少女は黙った、自分はもう、暗殺は出来ないと思った。自分で道を拓きたい、例え障害があるならそれを殺す。彼女にはそれができる理由があった。
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「明日は遂に最終決戦の前の重要な戦いになるだろう」
「複雑に言うなよサイケン」
「そうじゃい」
「まぁまぁ」
ルーム210では決起集会が夜行われた。お忍びでルーム420のメンバーも来てくれた。
「緊張するね……」
「むぁまぁ!気楽に気楽に、ねキリカ?」
「サイケンは特に先行しすぎて死ぬなよ」
「……黙って目の前の人間を叩けばいいだろう(あ、声帯戻ってるの忘れてた)」
「ううん!……それでは皆、杯を持て」
『はーい』
「つまらん!さっさと持て!……えぇそれでは、乾杯!」
『乾杯!』
酒を飲むわけでもなく、アリエさんの特性ドリンクを皆で飲みかわした。この中で死人が出るかもしれないけれど、最後は目前、やるしかない。
ーーーーーー
荒野から北東に進んだ所から謎の駅があるらしい。最果てと呼ばれるその駅からさらに北東に進むとパララミローがある。感覚はアバンドグロウリーに行くのに使った電車に近い。……らしい。
「電車ねぇ」
「電気ねぇ」
サイケンとため息をついた。発電方法はいくらでもあると思うが、あまりにも国や街によって文化が違い過ぎないか?
「なぁサイケン、電気とか魔法とか、国によって違い過ぎないか?」
「ん?バカ言え、1.00だってそんなもんだったぞ」
「そう……なんだ……」
意外に返されてしまった。サイケンと謎が深いねぇなんて話をしようと思ったのに。
「魔法はなかったが、電化製品はあったし、国によっては、街によっては、集落によってはで恐ろしく変わったものだぞ」
サイケンの耳が引っ張られた。痛そう。
「いでで」
「騒ぎすぎ」
「カリン、別にいいだろう。これから長い長い道を進むんだから」
そう、僕達は出現口に並んで立っている。プリズン戦の時に使った浮遊バイクがあれば良かったのだが、限られた時間で製造できたのは40人分で、到底足りなかった。だから先遣隊だけバイクを託された。
僕は今回もツルギ隊に所属した。
『ツルギ隊』先遣隊
・ツルギ隊長
・アリエ
・ミセット
・オトメ
・キリカ
・サイケン
・カワセミ
・ガラス
・カリン
以上九名。
カリンは前回の一件から、ツルギさんが直々にカミカゼ隊長にお願いして隊を移動させたらしい。
そして記載されていないもう一人がカエデだ。彼女は一人で向かう(凄く足が早い)。そして勝手に潜入して勝手に援護してくれる。
もう一人はエイルだ。彼女は前線にこそ行けないが、後方からバックアップしてくれる。SEによる連絡とエイルの莫大な魔力による探知を使えば任務の難度は大幅に下がるだろう。
前回のスイセンドウのようなジャミングは未来都市ならないと踏んでいる。上手くいけよ。
「出撃!」
誰かが言った、ツルギさんが言った。
僕らはステルス機能を使い前に進む。
エイルのSEを始点にした魔力探知の範囲を広げるために、できるだけ視界に入る範囲でバイクの距離を離す。推定距離は駅まで50キロ。渓谷群と変わらないが、駅から線路を伝って10キロ。まぁ長い。
目的はパララミローの突破。パララミローを避けるルートは左右の巨大な山に阻まれて、拠点のノアオルタからの飛空艇を飛ばすにはリスクが大きかった。スイセンドウと違い彼らの本土だ、空からの対策をしないわけが無い、撃ち落とされる可能性が高い。それほどに飛空艇のステルス機能は弱いとは思わないが。
パララミローを黙って抜けられれば管理者達の本土と面を拝めるわけだ。
上手近くに拠点でも作れたのなら十分以上で、飛空艇の侵入経路確保も期待できる。だから先遣隊が必要だった。やはりスギ博士の道具は優秀だ。とくにステルス面が。
ーーーーーー
長い長い。長いが、緊張が解けない、いつになったら駅が見えるのか、それとも見えないのか。
駅なんか見えなくてよかった。
無意識に胸に手を当てていた。
脈打っている。僕は生きている。まだ生きている。だから大丈夫。きっと上手くいく。
「はぁ、は……はぁ」
「呼吸が乱れています」
「大丈夫だ。僕のエーテル場は強靭だ」
「そうではなくて」
「大丈夫、大丈夫、きっとちゃんと殺せる。イノセントだって高い砥石で研いだ。一発で飛ばせる。大丈夫大丈夫大丈夫」
無意識にハンドガンを取り出して握りしめた。セーフティがかかっているから安全だよ。
連絡が入った。
『ツルギだ。駅と思われるオブジェクトを発見、これより徒歩による接近へ変更。各自スギバイクをオートで帰還させろ。以上だ』
僕は少し進んでバイクを降りて身体強化魔法を使ってできるだけ速く走った。走るというより一蹴りで凄く前に進む。消音と足跡を付けないように微弱な浮遊効果も付ける。これは倫理委員会の靴も素晴らしい。
自分のマップ上に仲間が集まってくる。皆駅が見えてきたようだ。僕も視界に捉えた。
『ツルギだ。次の電車に乗る。壁にでも掴まれ。俺は中に入るが……冗談だ。入るなよ』
当たり前だ。未知のパララミローの電車だ。どんなセキュリティが仕掛けられているか分かったものではない。掴まるのはどうなのだろう?
「捕まっても大丈夫です」
「そうなのかキョウスケ」
「セキュリティレベルは高くありません。しかし車内に入るのは避けた方がいいでしょう」
よく見えるな。
駅に着いた。
数分後に電車が動き出した。予想していた皆はそれぞれ掴まる。人によっては天井にのった。色々ぶつからないように注意しないと死ぬ。
それにしても40人も電車に掴まれば気持ち悪いな。マップ上に仲間の点が集中している。
視界の左上にパーティメンバーの名前とステータスがズラリと並んでいる。ツルギ隊だけでも多すぎて混乱する。
電車が最高速度になる。速い。身体強化魔法がなければ吹き飛ばされていただろう。
変化する景色に驚愕した。奥に見えるのは黒い天に伸びる建物群。少し歪んで見えた。少し肌寒い風を感じながら、あれは見たことがあるものに近いと思った。
「あれはビルか」
「もっと大きなものもありますね」
「ダムみたいな壁が見える」
キョウスケのズーム機能で奥を見た。街の左右の山を繋ぐように作られたビルより高い壁。一体どれほど厚い壁か分からないが、あれを超えなければいけないと思うと……先が思いやられた。
「300メートルの壁ですか」
「あの向こうに管理者達が、マルエルの楽園がある」
「きっとあれはライヴの検問なのでしょうね」
ふと目の前の槍の束のような街を無視して電車の中を覗き込んだ。おやおや人がいる。
「キョウスケ」
「了解です」
集音機能で色々聞いてみた。
「パパ、荒野って広いんだね」
「うん、それしか見に来て面白いものないけどね。なんで廃線にしないのやら」
「でさ、戻ったらパパどうするの?」
「うん?」
「最近沢山人死んでるよ、家から出ない方がいいんじゃない?」
「それは出来ないよ、ライヴの人達と仕事をしないとパパもママもお前も生きてはいけない。外にはまだ人の街があると言われているけどそこと貿易すらしていないから仕事しないと死んでしまう」
「そんなぁ」
こんな会話が聞こえた。
「そうか、僕らがパララミローのことを知らないようにパララミローの住民もライヴしか知らないのか……ん?ガードとライヴって繋がりなかったか?どうだったか?」
「周囲に食物を栽培しているようには見えません、きっと楽園で農業でもしているのではないですか」
「ならいいけどね」
街が大きくなっていく。ミルザンド程とはいかないが大きな街だ。
近くになって分かったが、街の正面は巨大な堀が形成されていた。そこには街からの謎の汚い色の水が流れていた。
橋を渡って街に入る。落ちたくないなと思った。
浮遊物がいる。ドローンだろうか。サーモグラフィーでもあればバレていただろうが、マヌケだ。僕らを見過ごした。
トンネルを抜けて黒い街に入る。
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