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茶会での嫌がらせ程度ではリリジュアは折れないとわかった王女は有りもしない不貞の噂を撒くことにした。
『リリジュア令嬢は登城すると文官や武官を誑かして浮気三昧だ』と自分の侍女らにばら撒かせた。実際は王女自身が見目の良い文官や騎士たちと口にするのも憚れる行為を行っているのだ。
そしてすぐにスキャンダルが好物の噂雀達が飛びついた、程なくして王子の耳にも届くことになる。
「そんなバカな……あんな生真面目なリリが」
「兄様は騙されているのですわ!なんてお可哀そうな、あんな女狐が未来の国母に納まるなんて私は民が哀れでなりません!」
「……しかし俄かに信じがたいことだ」
当初は疑心暗鬼だった王子だったが、捏造された証拠と虚偽を述べる王女の愛人達の証言を聞いて次第に「ひょっとしたら」と徐々に疑うようになった。
「確かに彼女はいつも私を避けている気がしてならない……後ろ暗い事があるからか?」
だが実際は慎み過度な触れ合いを我慢していたに過ぎない。リリジュアは婚約した10歳からテスタシモン王子を慕っている、それに気が付かない愚鈍な王子は可愛い妹姫の言い分ばかりを聞いてしまう。
最初は状況証拠か口伝の噂しかなかったが、とうとう令嬢と愛人関係にあるという人物が王子に申し出て来た。これにはギリギリまでリリジュアを信じていた王子も認めざるを得なくなる。
「申し訳ありません、王子殿下。いけない事と思いつつ……リリジュア様の妖艶さに落ちました」
「な、なんと……本当なのか」
城務めであるという下位文官が、罰を受ける覚悟の上で懺悔ををしてきたのだ。彼女の裏切りを知った王子の様子はたいへんな落胆ぶりだったという。
だが、悪いのは婚約者のリリジュアであり篭絡された文官には罪はないのだと王女が助言する。
「ねぇそうでしょ兄様、裁くのは悪女一人だけで良いはずよ」
「……そうか、お前がそう言うのなら」
裏切りを知り混乱していた王子は正確な判断ができなくなり、愚妹のいいなりのまま事を収めることにしたのだ。
「オーホホホッ!良くやったわお前!さすがの兄様も信じちゃったわ!約束通りに褒美を授けましょう」
「あぁ王女殿下、その柔らかな唇でどうか御慰めください」
「ふふ、良くってよ!今宵は飽きるまで私の身体を好きにするが良いわ」
淫欲に溺れる堕落した王女は爛れた関係を増やすのだった。
『リリジュア令嬢は登城すると文官や武官を誑かして浮気三昧だ』と自分の侍女らにばら撒かせた。実際は王女自身が見目の良い文官や騎士たちと口にするのも憚れる行為を行っているのだ。
そしてすぐにスキャンダルが好物の噂雀達が飛びついた、程なくして王子の耳にも届くことになる。
「そんなバカな……あんな生真面目なリリが」
「兄様は騙されているのですわ!なんてお可哀そうな、あんな女狐が未来の国母に納まるなんて私は民が哀れでなりません!」
「……しかし俄かに信じがたいことだ」
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最初は状況証拠か口伝の噂しかなかったが、とうとう令嬢と愛人関係にあるという人物が王子に申し出て来た。これにはギリギリまでリリジュアを信じていた王子も認めざるを得なくなる。
「申し訳ありません、王子殿下。いけない事と思いつつ……リリジュア様の妖艶さに落ちました」
「な、なんと……本当なのか」
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だが、悪いのは婚約者のリリジュアであり篭絡された文官には罪はないのだと王女が助言する。
「ねぇそうでしょ兄様、裁くのは悪女一人だけで良いはずよ」
「……そうか、お前がそう言うのなら」
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「オーホホホッ!良くやったわお前!さすがの兄様も信じちゃったわ!約束通りに褒美を授けましょう」
「あぁ王女殿下、その柔らかな唇でどうか御慰めください」
「ふふ、良くってよ!今宵は飽きるまで私の身体を好きにするが良いわ」
淫欲に溺れる堕落した王女は爛れた関係を増やすのだった。
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