公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ

文字の大きさ
64 / 186

64. 面倒な話し合い①

しおりを挟む
「はー……面倒だわ」

「「アリス様、申し訳ございませんでした」」

 椅子にだらしなく腰掛けるアリスに謝罪しているのはアイラとルリハだ。今日は先日ルビーたちがアリスの部屋に押しかけたことへの話し合いの日。

 王子妃の部屋に押しかけるなど非常識極まりない行為。だが、本人たちは自分たちが罰されるかもなど考えもしていないよう。あのとき糾弾できなかったが、今日はもっと多くのギャラリーが揃う中でアリスを糾弾できるとかなり気合が入っているそう。

「別に気にしていないわ」

 とは言うもののちらりと二人を見る。思ったよりも使えない。これは早々に嫁に行ってもらったほうが良さそう。頭の中に何人か候補が浮かぶ。

「アリス様もうそろそろ行かれたほうが……」

 カルラの声にはいはいっと立ち上がる。イリスとフランクを連れて部屋を出て、話し合いの場に向かう。


「失礼いたします」

 部屋に入ると既に揃っているよう。

「まあ!王様や「アリスあなたはそちらにお掛けなさい」」

 一番最後に来たことを責めようしとしたルビーの声を遮るのは王妃だ。忙しいのだ。無駄な時間は過ごしたくない。流石のルビーも再び声を発する度胸はないようだが、顔が醜く歪んでいる。

 王妃の言うそちらにはこちらを睨む夫であるブランクがいる。隣に座りたくないが致し方なし。腰を落ち着け周りを見る。この場にいるのは王と王妃、4人の王子とその相方。そして、ワイン令嬢ともう一人のルビーの取り巻き令嬢。その他侍女、執事、護衛。

「皆忙しいのに悪いな。だがこのままにしておくのも良くないのでな……。王妃、女性の問題だ。任せても良いか?」

「畏まりました」

 王妃は、すっとアリスに視線を向ける。今回の騒ぎの中で一番上位はアリスだ。アリスから話しを聞くべきだと視線を向けたのだが……。

「妻が申し訳ありません」

 口を開いたのはブランクだった。いや、お前を見たわけではない。

「今回のことは全て妻が悪いのです。妻のせいで心に傷を負った令嬢のためにルビー……嬢やキャリー嬢が行動したことを無視した為です」

 アリスを睨みつけながら言う言葉にうんうんと頷くのはルビーとその取り巻き二人のみ。それ以外は冷たい視線を向けているのに気づいていないよう。アリスはユーリ王子とキャリーをちらりと見る。少し考え込んでいるような様子。顔色も少々悪い。

「……アリ「王妃様!」」

 今度は誰だ。許可もしていないのに発言をしたのでブランクの言葉をスルーしたのに、また発言をしようとするやつは……。

「ルビー様は私の為に動いてくださったのです。アリス様が私の婚約者に秋波を……。それにこのままでは私の婚約話しが駄目になってしまう可能性があるのです」

 ワイン令嬢だ。無礼極まりないが、少し彼女の話しは気になる。王子妃にワインをかけた無礼令嬢が婚約破棄されるのはわからなくもないが、アリスが色波とは……想像できない。ちょっと興味がある。そういった自分の都合の良いことにはよく気づくルビーが発言する。

「先日ワインをこぼしてしまった彼女の婚約者がアリス様の元へドレスやアクセサリーを持って何度も訪れているようなのです」

「なっ!?」

 キャリーが驚きの声を上げる。異性にドレスやアクセサリーを送るという行為は親や親戚以外では恋人や婚約者にしか普通はしない。大人しくしているようだったが、目が少し吊り上がるよう。それを冷めた目で見るのはマリーナだ。チラリと王妃を見る。コクリと頷くのを確認してマリーナは発言する。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~

空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」 氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。 「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」 ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。 成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜

白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」  即位したばかりの国王が、宣言した。  真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。  だが、そこには大きな秘密があった。  王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。  この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。  そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。 第一部 貴族学園編  私の名前はレティシア。 政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。  だから、いとこの双子の姉ってことになってる。  この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。  私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。 第二部 魔法学校編  失ってしまったかけがえのない人。  復讐のために精霊王と契約する。  魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。  毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。  修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。 前半は、ほのぼのゆっくり進みます。 後半は、どろどろさくさくです。 小説家になろう様にも投稿してます。

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります

恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」 「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」 十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。 再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、 その瞬間に決意した。 「ええ、喜んで差し上げますわ」 将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。 跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、 王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。 「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」 聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

処理中です...