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13 素晴らしきマイ・ライフ(※ユリアーナ視点)
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エルミーラがとってもお似合いの童顔伯爵と素敵な結婚式を挙げたその頃、私は吐いてた。悪阻で。
元アルビン伯爵夫人のおバカなコウノトリ作戦のおかげで、これを機に二人は離婚。芋づる式に私とベリエスの結婚も無効になった。
そして私は正真正銘のアルビン伯爵夫人になるぅ~♪
産んでから赤ちゃん抱いての結婚式になるけど、別にいいわよ!
元から白い目を浴びるような珍事だもの!
誰になんと言われようと知ったこっちゃないわ!!
「ホゲエェェェェェッ!」
こんだけ苦労して産むのよ。
早く会いたいわ。私の赤ちゃん♪
「お嬢様? さあ、気を確かに。深呼吸ですよ」
「私はいいから……あのクソババアを見張ってて……っ」
「大丈夫。もう娘を殺そうなんて元気ありませんよ」
初産なので、実家で。
それを許してくれる可愛い髭チョビンが、愛しくてたまらない。
反対に、私は母が憎くて仕方ない。
双子は呪い? 自分の子が恐い?
エルミーラはどのくらい覚えているかわからないけど、あの女は私たちを椅子に縛り付けて交互に首を絞めていた。
だけど、もう忘れる事にした。
正しくは、そう心がけようと決意した。
だって私には、先に死んじゃう可愛い髭夫と、美しい領地と、愛するエルミーラと、愛してくれる母親代わりのビルギッタがいる。
そこに赤ちゃんが加わる。
私は幸せなのだ!
あははぁ~ん♪
「ゲホ……ごめんなさいね、あなたを引き留めて……」
「いぃえぇ。お嬢様のお世話ができて、赤ちゃんにもいっちばんに会えるんですよ? 私は感謝感激していますとも。二度と謝らないでくださいましッ」
ビルギッタが私よりエルミーラをより深く愛しているは、知っている。じゃなきゃ、他人なのにあの顔を見て気持ちがわかるはずがない。
私は怠さに抗い、ビルギッタの手をポンポン叩いた。
「いい練習になるでしょう……? お姉様のお産の前に、私で、オエッ」
「行ったり来たりになりますよ。お二人とも深ぁ~く愛されていますものッ。合わせて20人くらい産むんじゃないですか?」
「殺す気?」
新婚のエルミーラを邪魔したくなかったから、産むまで誰にも会いたくないと嘘をついた。エルミーラはかなり頻繁に手紙をくれた。顔と声より、文字のほうがよほど活き活きしている事を、改めて知った。
可愛い髭チョビンは前妻の相手──つまり相続から外し他人になったベリエスというただの男の、本当の父親を探してやっていて忙しく、10日以上顔も見せないなんてザラよ。だけど相手が貴族か豪商なら慰謝料が取れるし、燃えるのもわかる。
別れたくないと号泣してごねる元妻に笑って離婚を言い渡したあの顔を見たら、野放しにしてこそ楽しい人だと確信するわよ。
そんな事はどうでもいいわ。
ビルギッタと過ごすマタニティライフはとても楽しいものだった。
そしてついに、人生でいちばん素晴らしい日がやってきた。
「ビルッ、ギッ、タンッ! ぃぃぃいいい痛いッ!!」
「私のせいじゃありませんって! いいから手を離してください! 折れるッ!! でもそのままいきんでッ!!」
「おぎゃぁ☆彡」
可愛い男の子。
勝ったと、まあ、思ったわよね。
元アルビン伯爵夫人のおバカなコウノトリ作戦のおかげで、これを機に二人は離婚。芋づる式に私とベリエスの結婚も無効になった。
そして私は正真正銘のアルビン伯爵夫人になるぅ~♪
産んでから赤ちゃん抱いての結婚式になるけど、別にいいわよ!
元から白い目を浴びるような珍事だもの!
誰になんと言われようと知ったこっちゃないわ!!
「ホゲエェェェェェッ!」
こんだけ苦労して産むのよ。
早く会いたいわ。私の赤ちゃん♪
「お嬢様? さあ、気を確かに。深呼吸ですよ」
「私はいいから……あのクソババアを見張ってて……っ」
「大丈夫。もう娘を殺そうなんて元気ありませんよ」
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反対に、私は母が憎くて仕方ない。
双子は呪い? 自分の子が恐い?
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だけど、もう忘れる事にした。
正しくは、そう心がけようと決意した。
だって私には、先に死んじゃう可愛い髭夫と、美しい領地と、愛するエルミーラと、愛してくれる母親代わりのビルギッタがいる。
そこに赤ちゃんが加わる。
私は幸せなのだ!
あははぁ~ん♪
「ゲホ……ごめんなさいね、あなたを引き留めて……」
「いぃえぇ。お嬢様のお世話ができて、赤ちゃんにもいっちばんに会えるんですよ? 私は感謝感激していますとも。二度と謝らないでくださいましッ」
ビルギッタが私よりエルミーラをより深く愛しているは、知っている。じゃなきゃ、他人なのにあの顔を見て気持ちがわかるはずがない。
私は怠さに抗い、ビルギッタの手をポンポン叩いた。
「いい練習になるでしょう……? お姉様のお産の前に、私で、オエッ」
「行ったり来たりになりますよ。お二人とも深ぁ~く愛されていますものッ。合わせて20人くらい産むんじゃないですか?」
「殺す気?」
新婚のエルミーラを邪魔したくなかったから、産むまで誰にも会いたくないと嘘をついた。エルミーラはかなり頻繁に手紙をくれた。顔と声より、文字のほうがよほど活き活きしている事を、改めて知った。
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そんな事はどうでもいいわ。
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そしてついに、人生でいちばん素晴らしい日がやってきた。
「ビルッ、ギッ、タンッ! ぃぃぃいいい痛いッ!!」
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「おぎゃぁ☆彡」
可愛い男の子。
勝ったと、まあ、思ったわよね。
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