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12 アルビン城の決戦
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仕方がないので、再教育を施されコウノトリ信仰を打ち砕かれた可哀そうなユリアーナとして、私はアルビン伯爵家の馬車に乗り込んだ。
「わかったかい? 君はこれでやっと僕の妻だねっ」
「!」
身を寄せて、手を絡めとって撫で摩る、かつての婚約者。
愚かしい義弟。
私は慄いて身を引いた。
「んもうっ! ま、1年待ったんだし、いいよ。ゆっくりやろう。ああ僕はなんて優しいんだろう! 相手が僕じゃなきゃ、君は粉々に壊されて君の姉以上に虚無になってたってわかってる? 僕は跡継ぎさえ生まれれば妻なんてどうでもいいって屑とは違うんだよ。感謝してよね!」
「ベリエス卿、お手柔らかに。まだ気が動転しておいでです」
もちろん、婚約者の在る身でひとりで立ち向かいはしない。
フィリップが、トイファー伯爵家の主治医という建前で同行している。
「刺激が強すぎるようですね。お嬢様、こちらへいらっしゃいますか?」
「はい」
私は霞のような声を絞り出し、彼の隣へ移った。
主治医なので、手を握るくらい当然の事。ベリエスが嫌な顔をしたとしても、関係ない。主治医なので、私の心身を守る事が極めて重要なのだ。
「ふんっ」
ベリエスでさえ、主治医の意味は理解している。
問題は私が1年耐えられるかという事。
産まれたらしばらく動けない。2年になるかもしれない。3年になるかもしれない。相続までずっとそのままだったら? いいえ、それは困る。私がフィリップと結婚できない。
障害があるほど燃えると聞いた、運命の恋。
私は、異を唱えよう。
邪 魔 し な い で !!
「わっはっはっ! おかえり」
義父になるはずだったアルビン伯爵は、ご機嫌なご様子で私を迎えた。
一瞬の殺意をやり過ごし、私はフィリップの影に隠れた。
あれは、私と同じ顔をしたユリアーナに、妊娠するような事をした男。私と同じ顔のユリアーナに。私はユリアーナと同じ顔。
妻を差し置いてという事よりも、それが大事。
景色が素晴らしかったとか城が見事だとか、そんな事はどうでもいい。
「……………………みゅ」
低い声が、私の喉から、滑り出た。
驚いた。
「伯爵。このようにお疲れですから、数日は静かな部屋で過ごせるよう準備をさせてください」
「心得た!」
大真面目なフィリップに対し、アルビン伯爵は完全にお祭り気分。
忌々しい髭を一本ずつゆっくりじっくりねっとりと抜いて、泣かせてやりたい。本気よ。
「ちょっと、父上! ユリアーナは僕の妻です! 妻の事は僕が決めます!」
「馬鹿を言うな! 貴様に結婚のナニがわかるフッ! こんなに可愛い新妻を悲しませてそれでも男かハッ!」
言いながら笑ってるんじゃないわよ、クソ髭チョビンじじぃ……心の中に、闇が広がっていく。
いっそ、二人とも殺せば?
ユリアーナのお腹の中には、未来のアルビン伯爵が控えてる。
「お嬢様。しっかり」
「……」
フィリップが主治医らしく私を労った。
父子の言い争いは続いている。見事な城につりあわない、愚かな男が、ここに二人。
はやり……
「お前は冷たい男だな! コウノトリは居るんだよ!!」
「いませんよ! 父上、僕はもう1年待ちぼうけを喰らったんです、これ以上は引きません! 僕は今夜ユリアーナを脱がします! キスだって舌を入れます! 舌じゃないものも──」
「いやああぁぁぁぁぁっ!!」
私の口から悲鳴が迸った。
心と首から上が、繋がった、記念……日。
ドスッ、と。
看過できない低い音が、ふいに耳に届いた。
「ガハッ」
ある一人の男が、仮初の息子のみぞおちに、拳を深く埋めていた。
「妻に乱暴を働くような男は貴族である前の人ですらないと、心得よ。息子よォ」
「……っ、父…ぅ……」
奇妙なやり取りに興味が沸いた私は、若干の理性を取り戻した。
「コウノトリは居るさ!」
アルビン伯爵の実に腹立たしい笑顔が、私にまっすぐ注がれる。
その時。
「そうよっ、ベリエス! コウノトリは居るのッ!!」
甲高い悲鳴のような声が、私たちの混乱を切り裂いた。
そして小柄な婦人が栗鼠のような足取りで走ってきて、蹲ったベリエスの前に跪き、ベリエスの肩をぐっと掴み、真剣な表情で続けた。
ほのかに可憐さの香る、かつては純真無垢な乙女であった、ベリエスの母親、アルビン伯爵夫人。
「ユリアーナを苛めちゃダメ! 愛はどこへ行ったの!? 愛しているんでしょうっ!? お父様のように大切にしてッ!!」
「……母上……なに、を……っ?」
なにかしら。
とても、わくわくする展開だわ。
「あなたは何も心配しなくていいの! 愛しあっていればきっとコウノトリが赤ちゃんを運んできてくれます!」
まさか、アルビン伯爵夫人、どこかから赤ん坊をさらってくる気?
どこまでも罪を重ねる老乙女ね。
むくり。
ベリエスが起き上がった。
「……母上、何を言っているんです?」
「キスだけでいいの! キスだけで愛は証明できるもの! もちろん唇は閉じたまま! ユリアーナを愛して信じてお行儀よく待っていればちゃんと神様がコウノトリを──」
「じゃあ僕をどう身篭ったって言うんだよ!! ハッ!」
言った瞬間、気づいたらしい。
ベリエスは3秒の間に蒼褪めてから真っ赤な顔で激高し、叫んだ。
「僕は捨子!?」
惜しい。
ベリエスは外したものの、仕掛けた本人がその過ちに気づき、明らかに狼狽を見せた。
「そっ、そそそんなわけないでしょう! わたわた私とお父様の可愛い可愛いベリエスちゃんよ!!」
目が泳いで、声も震えて、可憐さが剥がれ落ち、汗で化粧も崩れ落ちゆくその母親の顔を見て、今度こそベリエスが真実に辿り着いた。
「クッソ! 誰と寝やがったこのアバズレクソババアッ!!」
「ベリエス! なんて事を言うの!!」
「わっはっはっ!」
「ちょっと、あなた何を笑ってるのよ! まさか気づいて黙ってた!?」
「そうさ! いつまで騙せてるつもりでいるのか眺めてたんだよんっ♪」
「酷い男! 優しいふりして私を笑っていたのね!」
「はあっ!? 気が長すぎですよ、父上!」
「お前は私の息子じゃあないッ!」
「あなたッ!!」
見苦しい骨肉の争いと、大笑いする口髭の男。
3人を呆然と眺めていた私は、ふと、ある事に気づいた。
「!」
私は、戦わずして勝利したのだ。
「帰りましょう、フィリップ」
「ああ。今の内だ」
「待て! 別の馬車をお貸ししよう。馬は疲れている」
「……」
勝ったけれども、今度はこっちの髭が義弟になるのだと、気づいた。
絶句した。
「わかったかい? 君はこれでやっと僕の妻だねっ」
「!」
身を寄せて、手を絡めとって撫で摩る、かつての婚約者。
愚かしい義弟。
私は慄いて身を引いた。
「んもうっ! ま、1年待ったんだし、いいよ。ゆっくりやろう。ああ僕はなんて優しいんだろう! 相手が僕じゃなきゃ、君は粉々に壊されて君の姉以上に虚無になってたってわかってる? 僕は跡継ぎさえ生まれれば妻なんてどうでもいいって屑とは違うんだよ。感謝してよね!」
「ベリエス卿、お手柔らかに。まだ気が動転しておいでです」
もちろん、婚約者の在る身でひとりで立ち向かいはしない。
フィリップが、トイファー伯爵家の主治医という建前で同行している。
「刺激が強すぎるようですね。お嬢様、こちらへいらっしゃいますか?」
「はい」
私は霞のような声を絞り出し、彼の隣へ移った。
主治医なので、手を握るくらい当然の事。ベリエスが嫌な顔をしたとしても、関係ない。主治医なので、私の心身を守る事が極めて重要なのだ。
「ふんっ」
ベリエスでさえ、主治医の意味は理解している。
問題は私が1年耐えられるかという事。
産まれたらしばらく動けない。2年になるかもしれない。3年になるかもしれない。相続までずっとそのままだったら? いいえ、それは困る。私がフィリップと結婚できない。
障害があるほど燃えると聞いた、運命の恋。
私は、異を唱えよう。
邪 魔 し な い で !!
「わっはっはっ! おかえり」
義父になるはずだったアルビン伯爵は、ご機嫌なご様子で私を迎えた。
一瞬の殺意をやり過ごし、私はフィリップの影に隠れた。
あれは、私と同じ顔をしたユリアーナに、妊娠するような事をした男。私と同じ顔のユリアーナに。私はユリアーナと同じ顔。
妻を差し置いてという事よりも、それが大事。
景色が素晴らしかったとか城が見事だとか、そんな事はどうでもいい。
「……………………みゅ」
低い声が、私の喉から、滑り出た。
驚いた。
「伯爵。このようにお疲れですから、数日は静かな部屋で過ごせるよう準備をさせてください」
「心得た!」
大真面目なフィリップに対し、アルビン伯爵は完全にお祭り気分。
忌々しい髭を一本ずつゆっくりじっくりねっとりと抜いて、泣かせてやりたい。本気よ。
「ちょっと、父上! ユリアーナは僕の妻です! 妻の事は僕が決めます!」
「馬鹿を言うな! 貴様に結婚のナニがわかるフッ! こんなに可愛い新妻を悲しませてそれでも男かハッ!」
言いながら笑ってるんじゃないわよ、クソ髭チョビンじじぃ……心の中に、闇が広がっていく。
いっそ、二人とも殺せば?
ユリアーナのお腹の中には、未来のアルビン伯爵が控えてる。
「お嬢様。しっかり」
「……」
フィリップが主治医らしく私を労った。
父子の言い争いは続いている。見事な城につりあわない、愚かな男が、ここに二人。
はやり……
「お前は冷たい男だな! コウノトリは居るんだよ!!」
「いませんよ! 父上、僕はもう1年待ちぼうけを喰らったんです、これ以上は引きません! 僕は今夜ユリアーナを脱がします! キスだって舌を入れます! 舌じゃないものも──」
「いやああぁぁぁぁぁっ!!」
私の口から悲鳴が迸った。
心と首から上が、繋がった、記念……日。
ドスッ、と。
看過できない低い音が、ふいに耳に届いた。
「ガハッ」
ある一人の男が、仮初の息子のみぞおちに、拳を深く埋めていた。
「妻に乱暴を働くような男は貴族である前の人ですらないと、心得よ。息子よォ」
「……っ、父…ぅ……」
奇妙なやり取りに興味が沸いた私は、若干の理性を取り戻した。
「コウノトリは居るさ!」
アルビン伯爵の実に腹立たしい笑顔が、私にまっすぐ注がれる。
その時。
「そうよっ、ベリエス! コウノトリは居るのッ!!」
甲高い悲鳴のような声が、私たちの混乱を切り裂いた。
そして小柄な婦人が栗鼠のような足取りで走ってきて、蹲ったベリエスの前に跪き、ベリエスの肩をぐっと掴み、真剣な表情で続けた。
ほのかに可憐さの香る、かつては純真無垢な乙女であった、ベリエスの母親、アルビン伯爵夫人。
「ユリアーナを苛めちゃダメ! 愛はどこへ行ったの!? 愛しているんでしょうっ!? お父様のように大切にしてッ!!」
「……母上……なに、を……っ?」
なにかしら。
とても、わくわくする展開だわ。
「あなたは何も心配しなくていいの! 愛しあっていればきっとコウノトリが赤ちゃんを運んできてくれます!」
まさか、アルビン伯爵夫人、どこかから赤ん坊をさらってくる気?
どこまでも罪を重ねる老乙女ね。
むくり。
ベリエスが起き上がった。
「……母上、何を言っているんです?」
「キスだけでいいの! キスだけで愛は証明できるもの! もちろん唇は閉じたまま! ユリアーナを愛して信じてお行儀よく待っていればちゃんと神様がコウノトリを──」
「じゃあ僕をどう身篭ったって言うんだよ!! ハッ!」
言った瞬間、気づいたらしい。
ベリエスは3秒の間に蒼褪めてから真っ赤な顔で激高し、叫んだ。
「僕は捨子!?」
惜しい。
ベリエスは外したものの、仕掛けた本人がその過ちに気づき、明らかに狼狽を見せた。
「そっ、そそそんなわけないでしょう! わたわた私とお父様の可愛い可愛いベリエスちゃんよ!!」
目が泳いで、声も震えて、可憐さが剥がれ落ち、汗で化粧も崩れ落ちゆくその母親の顔を見て、今度こそベリエスが真実に辿り着いた。
「クッソ! 誰と寝やがったこのアバズレクソババアッ!!」
「ベリエス! なんて事を言うの!!」
「わっはっはっ!」
「ちょっと、あなた何を笑ってるのよ! まさか気づいて黙ってた!?」
「そうさ! いつまで騙せてるつもりでいるのか眺めてたんだよんっ♪」
「酷い男! 優しいふりして私を笑っていたのね!」
「はあっ!? 気が長すぎですよ、父上!」
「お前は私の息子じゃあないッ!」
「あなたッ!!」
見苦しい骨肉の争いと、大笑いする口髭の男。
3人を呆然と眺めていた私は、ふと、ある事に気づいた。
「!」
私は、戦わずして勝利したのだ。
「帰りましょう、フィリップ」
「ああ。今の内だ」
「待て! 別の馬車をお貸ししよう。馬は疲れている」
「……」
勝ったけれども、今度はこっちの髭が義弟になるのだと、気づいた。
絶句した。
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