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呪い

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「呪いや悪意、醜い魂、恐怖、良くない感情はみな少なくとも持ち合わせているけれど、それを全て相手に向けてしまったら、その相手を呪い殺す事も可能だ」
「今、この子供はその呪いに触れてしまい、この状況って事」

ナオは頷く、ナイト達を含め皆顔を歪める。
子供は日本人なら15歳くらいだが、この獣人国の者達には10歳くらいに見えるだろうし、龍人国の人達なら5歳くらいに見えるはずだ。

「こんな幼い子供を呪うなんて」
「呪いにかかっているなら、解読すれいいだけなんだけれど、仕掛けた相手が強かったり、複数居て複雑に成って居たら僕には無理だ」
「それに、この子供異国の子供、いや異世界から来たのか」

11の神子である、タイカが10の神子のライカと13の神子のツナを引き連れ結界魔法で三人共に呪いが移らない様に対策されている。
数人の部下達にもそれは掛けられている。

「タイカ」
「副神官長は異常事態があって今は王都に居ない、直ぐに連れ戻す先にライカとツナを渡す」

異世界の子供の周囲にも周りに移らない様に結界を引かれている、ぐにゃぐにゃと結界に手を入れてライカ達は中に入る。

「ライカ達に手を貸せる様に解読するね」

呪いも闇に対する為にナイトは空中に浮かびぶつぶつと詠唱魔法を唱える。
ライトは一人一人手を握り回復魔法をしながら、光魔法で闇を打ち消す魔法を使用している

「ーんやっぱり呪いって複雑だね、穢れや闇魔法なら光魔法で一瞬でいけるけれど」
「闇魔法の一種だけどね」

ツナが苦笑いをしながら双子の兄弟の会話に参加する。

「あっ、あっーぁ原因分かったよ」
「ええっ早いね、流石ツナ」
「・・・・余り喜んでも居られないよ」

ツナの言葉に歓喜が起きたが、一瞬で絶望の顔をする一同。

「どうして」
「異世界から無理矢理転移魔法をされて、魂が異世界に取り残されている、いや未練があり引っ張り合いをしている身体に魂を戻せば呪いは解けるよ」

そういう事なら自分自身でこの子供は自分を呪ってしまったのだろう、異世界に行きたくないこの場所に居たいと。

「どうすればいいのなの」
「この世界に行きたいと見てみたいと思わせればあるいは・・・」
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